その2
デジカメを片手に,面白い句読点現象はないかとキョロキョロしていると,
危うく,自転車と衝突しそうになった.そのむかし,といっても10年ほど前
のことだと思うが,「路上観察学」というものがあった.本屋で立ち読みし
たことがあるが,路上の奇妙な物体を見つけ,写真に撮るのである.
「なんとヒマな人たちもいるものだ」と感心した覚えがある.
そう,私は今,自分が如何にヒマ人であるか自覚している.
ヒマにまかせて,第二弾 !!(文・撮影=太等信行)
警察だからといって句読点の使い方が
ちゃんとしているとは限らない

交通標識には句点がない,と思っていたが,
「走りましょう。」という表記を発見!
お役所だからといって句読点の使い方が
ちゃんとしているとは限らない

改行で読点を省略する例は先に紹介したが,ここでは読点を使いつつも,
文末で改行することで句点を省略している例.
上の写真は,改行にあたっても断固として読点を使っている例です.
「謹告」の方は,改行による中黒または読点の省略と見られる箇所もあり,
改行でも省略していない箇所もあり,混乱している.暴力団を相手に
少しビビってしまったか?
三点リーダーは,とまどい,自信の無さ,まよい,語尾の消滅,等々,
直前の語の反復,など多様な 意味を備えているようだ.
一般には語句と語句を連結する機能を持っているが,
人々は言葉にならない部分を三点リーダーで代用している.
色分けによる単語区分は
21世紀のテキスト・スタイルか
平板な文章の中で,とくに強調したい語句をどう表現するか,昔から多くの人々が工夫をしてきました.アンダ−ラインをつける,イタリック書体にする,ゴシック書体にする,かぎかっこで括る,傍点(圏点)を振る,などなど.しかし,21世紀の新しいテキストでは色分け・多色表現が頻繁に見られることになるでしょう.たしかに,家計簿の赤字とか,テストの赤丸とか,日本には古来朱色による表現の工夫はありました.しかし,電子テキストでは飛躍的なカラー表現が可能になります.カラープリンターのような無版印刷が主流になると,文書一般が多色化することは想像に難くありません.また,最近のメールを読むと,日本語でのイタリック体(斜体文字・スラント)がよく見られます.21世紀にテキストがどう変貌ししていくか,しっかりチェックしておきたいですね.
看板では,語句を強調する手段がたくさんある.
色・大きさ・書体などで強調をいくらでも工夫できる.
上は,傍点(圏点)を使った珍しい例.
交通標識では「7.40」のように時刻表示にピリオドを使っている
ことを知った.右のようにコロンを使うのが一般的だと思うのだが.
このラブホテルの看板は,料金の桁区切りにピリオドを使っている.
ピリオドは数字の中では小数点の意味.カンマを使うのが通常だが,
まさか,看板どおり5円しか払わないという人はいないだろう.
「〜」は普通「from 〜 to」というように,時間的・空間的な区分をする
場合に使用する.しかし,現実には上の写真のように,語句を装飾
するように使用する例をよく見かける.これは「―」(ダッシュ)も
同様であって,かぎかっこ類の一種と分類することも可能か.
さて,ワルノリ気分で第二弾も作ってしまいました.でも,これで最後です.娘にデジカメを返さなければならないし,はっきり言ってキリがない.三鷹と吉祥寺の周辺の幾つかの街角を回っただけなのに,句読点表現は実に多様で,無政府的ですらあります.でも,これが現実ですし,句読法が混乱しているからといって,コミュニケ−ションに支障をきたしているとも思えません.人々は,伝えようという意志と,理解しようという意志によって,表現の多様性も,表記の過ちも,読みにくさも克服し,ちゃんと掲示物の機能を充足させているのです.むしろ,多くの看板・貼紙などが,埃と雨で泥をかぶったように汚れているものが多いことのほうが気にかかりました.