句読点研究会
第7回例会ご案内




2002年1月

句読点研究会


句読点研究会は昨年六回にわたる例会をつうじて,日本語の約物(句読点,括弧類,符号,記号)を対象に,その多様なあらわれと用法をともに考えてきました。その結果,非文字と文字の境界に位置する句読点への考察と研究は,ただ文字/表記としてでなく,書記とその歴史の下に位置づけてなされる必要があることを確認することができました。そこで今回は,古辞書とJIS漢字の研究をなさっている池田証寿先生をかこんで,文字と非文字自体をメタ化する立場から,書記と語,文字と音声,字体と書体について考え,日本語の書記の歴史を考える糸口としていきたいとおもいます。あわせて,これまでの研究会のまとめと反省,今後の研究活動のもち方についての討議も予定しています。(企画担当・前田年昭)
なぜ日本語の書記の歴史なのか

――小松英雄と藤枝晃とを手がかりに
なぜ日本語の書記の歴史を問うのか。
この問いは大きすぎていささか手に負いかねる。そこで小松英雄の『徒然草』第百三 十六段をめぐる考察と,藤枝晃の「日本語を楷書では書かなかった」というエッセイ とを手がかりにして,日本語の書記の歴史を考察する端緒としたい。

小松英雄の『徒然草』第百三十六段をめぐる考察は,「しほといふ文字はいつれのへ んにか侍らん」(『中田祝夫博士功績記念国語学論集』勉誠社,1979年)だが,『徒然 草抜書 表現解析の方法』(講談社学術文庫947,講談社,1990年,現在絶版)に,加 筆修正の上,収められている。『徒然草』第百三十六段は,写本と版本との関係,正 字と俗字との関係,文字と音声との関係を考察するのに格好の材料となっている。ま た,小松英雄は,日本語の歴史に関する著作を数多く刊行しているが,それらは,常 に挑発的,論争的である。『徒然草』第百三十六段を材料にして,小松英雄に対抗す る論理をどう組み立てるかという楽しみもある。

日本語の書記の歴史を考察するためのもうひとつの論考は,藤枝晃「日本語を楷書で は書かなかった」(月刊しにか7-7,1996年7月号,大修館書店)である。最近復刊し た藤枝晃『文字の文化史』(岩波書店,1971年。講談社学術文庫1409,講談社,1999 年)は名著として知られる。「日本語を楷書では書かなかった」は『文字の文化史』 以後に発表された短文であるが,永年にわたる敦煌文献の研究に裏付けられた日本語 書記史論となっている。内容の高度さゆえか,論争を呼ぶことはなかったようだが, 日本語の書記を考察するものは避けて通れない論考である。

小松と藤枝の論考を検討することを通して,日本語の書記の歴史を考察するための, 共通の土台をつくる手がかりを得たいと思う。

また,時間が許せば,古目録と古辞書の翻刻を例にして,発表者が直面している課題 を率直に提示してみたい。(池田証寿)

池田証寿(いけだ しょうじゅ)
1955年栃木県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、北海道大学大学院文学研究科助教授。専門は国語学。1994年以来、JCS委員会WG委員として、JIS X 0208:1997の改正とJIS X 0213:2000の開発に参画。季刊『d/SIGN』(筑波出版会)に「漢字というものの現在」を連載中。JIS漢字と古辞書に関する論考多数。詳細はhttp://member.nifty.ne.jp/shikeda/を参照。

とき2002年2月17日(日)午後1時から6時まで
ところ小石川後楽園「涵徳亭」(飯田橋駅東口下車徒歩8分,地下鉄大江戸線飯田橋駅後楽園口下車徒歩4分,庭園入場料は「涵徳亭」利用と名乗れば無料)
地図をご希望の方は参加申し込みのときにその旨,お書き添えください。
会費ひとり2000円
なお,準備の都合上,常連の方も必ずお名前とメールアドレス・ファクシミリ番号を,初めての方はあわせてご職業,所属を書き添えて,ファクシミリか電子メールで参加をお申し込みください。




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句読点研究会連絡係・前田年昭
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