句読点研究会
第3回例会ご案内




2001年6月

句読点研究会
世話人=郡淳一郎、田中栞、前田年昭

句読点研究会は第1回例会(5月13日)で,日本語の漢字・仮名・ローマ字・数字以外の補助符号,約物(句読点,括弧類,符号,記号)を対象に,その多様なあらわれと用法を研究していくことを確認しました。第2回(6月10日)では余白や括弧類など文字の周縁を論じることを通じて,話し言葉に対する書き言葉の意味を探求するジャック・デリダを取り上げ,松葉祥一さんの報告をもとに論議しました。さて,第3回ではいよいよ実際的な各論に踏み込むべく,境田稔信さん(辞書研究家)に,近代辞書における約物使用法の実例を示していただき,それぞれの意味や表記法を学びます。「辞書」という極めて簡潔な世界の中で繰り広げられる約物の姿を実見することで,句読法のまた違った側面を理解することができると思います。当日は,『言海』や『日本大辞書』など数種の国語辞書の実物をご持参いただくほか,多数の辞書凡例を収載した資料を配布する予定です。〈企画担当・田中栞〉
近代国語辞書に見る句読点 句読法が確立しつつあった近代日本において,国語辞書では句読点をどのように扱ってきたのだろうか。たとえば,近代辞書の嚆矢となる『言海』(明治22〜24年刊)を作った大槻文彦は,『広日本文典』(明治15年成稿,30年刊)において「文中の符号」を解説している。そこでの句読点や括弧類は,すでに現在と同じ用法を示し,ほとんど違和感がない。『言海』の増刷が昭和24年に至るまで長期にわたることができた理由の一つに,句読点などの用法も挙げることができるのではないか。
 一方,『言海』に対抗して作られた山田美妙の『日本大辞書』(明治25〜26年刊)では,読点と句点の中間的な用法で白ゴマ点が用いられている。美妙は読点( 、)を句,白ゴマ点を節,句点( 。)を段と称したが,短命の辞書とともに定着せず,彼自身その後の辞書編纂でも用いることはなかった。
 このほか,大槻と同じ「かなのくわい」に参加し,言文一致に熱心だった物集高見の『ことばのはやし』(明治21年刊)や,ヘボンの『和英語林集成』第3版を手伝った高橋五郎による横組の『漢英対照いろは辞典』(明治20〜21年刊)など,年代をおって約物使用の特徴的なケースを紹介する。また,辞書による「句読」の定義がどのようになっているのか,比較してみたい。資料を見ながら,参加者と一緒に分析・考察をすすめてゆければ幸いである。〈境田〉

講師略歴 境田稔信(さかいだ としのぶ)
1959年千葉県生まれ。千葉県立千葉南高等学校卒業。タウン情報誌の編集,編集プロダクションで書籍の編集・校正などを経て,フリー校正者に。現在,岩波書店の出版物の校正者および日本エディタースクール講師(校正実習)。辞書研究家としても知られ,『言海』200点余りをはじめとして近代国語辞書を中心に漢和辞典,百科事典など総計約4000点を所蔵,1998年にはこの「書香文庫」のコレクションから「近代辞書に魅せられて」と題する企画展示を行った(モリサワ・タイポグラフィ・スペース)。国語学会,日本出版学会,日本近代書誌学協会,日本校正者クラブの各会員。共編『明治期国語辞書大系』(大空社),分担執筆『日本語文章表現法』(白帝社)。

と き2001年7月22日(日)午後1時から5時まで
ところ小石川後楽園「涵徳亭」(飯田橋駅東口下車徒歩8分,地下鉄大江戸線飯田橋駅後楽園口下車徒歩4分,「句読点研究会」で予約,庭園入場料は「涵徳亭」利用と名乗れば無料)
地図をご希望の方は参加申し込みのときにその旨,お書き添えください。
会 費ひとり2000円
なお,整理の都合上常連の方も必ずお名前を,初めての方はお名前とメールアドレス・ファクシミリ番号およびさしつかえなければご職業を書き添えて,ファクシミリかメールで参加をお申し込みください。


句読点研究会
世話人:郡淳一郎/田中栞/前田年昭
連絡先:ファクシミリ 03‐5229‐8047
メールアドレス tmaeda@linelabo.com
ウェブページ http://www.linelabo.com/kutouten.htm




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句読点研究会連絡係・前田年昭
[E-mail] tmaeda@linelabo.com