中華人民共和国主席令(第37号)
「中華人民共和国国家通用言語文字法」は,2000年10月31日の中華人民共和国第9期全国人民代表大会常務委員会第18回会議で採択され,2001年1月1日より施行されることをここに公布する。
中華人民共和国主席 江沢民
2000年10月31日
中華人民共和国国家通用言語文字法
(2000年10月31日の第9期全国人民代表大会常務委員会第18回会議で採択)
目次
第一章 総則
第二章 国家通用言語文字の使用
第三章 管理と監督
第四章 付則
第一章 総則
第一条 国家通用言語文字の規範化、標準化及びその健全な発展を推し進め,国家通用言語文字を社会でより生かし,各民族,各地域の経済文化交流を促すため,憲法にもとづき本法を制定する。
第二条 本法でいう国家通用言語文字とは,標準語(普通話)と規範漢字を指す。
第三条 国家は標準語を普及させ,規範漢字を押し広める。
第四条 公民には国家通用言語文字を学習し使用する権利がある。
国家は公民が国家通用言語文字を学習し使用するための条件を提供する。
地方の各レベルの人民政府およびその関係部門は,標準語を普及させ,規範漢字を押し広めるための措置を講じなければならない。
第五条 国家通用言語文字を使用することは,国家の主権と民族の尊厳を守るうえで,および国家の統一と民族の団結,社会主義における物質文明の建設と精神文明の建設にプラスに働かなければならない。
第六条 国家は国家通用言語文字の規範と標準を公布し,その社会における運用を管理する。また,国家は国家通用言語文字の教学面での研究やその科学的研究を支え,その規範性,潤沢性を追求,促進させる。
第七条 国家は国家通用言語文字プロジェクトに対して顕著な貢献をした組織と個人を褒賞する。
第八条 各民族は自民族の言語文字を使用し,発展させる自由を有する。
少数民族言語文字の使用については,憲法,民族地域自治法およびその他の法律の関係規定にもとづく。
第二章 国家通用言語文字の使用
第九条 国家機関は標準語と規範漢字を公務用の言語,文字とする。法律で別途規定するものは除外する。
第十条 学校およびその他教育機関では,標準語と規範漢字を基本的な教育教学言語,文字とする。法律で別途規定するものは除外する。
学校およびその他教育機関では,漢語課程により標準語と規範漢字を教授する。使用する漢語教材は,国家通用言語文字の規範と規準に合致しなければならない。
第十一条 漢語出版物は,国家通用言語文字の規範と規準に合致しなければならない。
漢語出版物の中で外国語,外国文字の使用が必要とされる場合,国家通用言語文字により必要な注釈を付けなければならない。
第十二条 放送局,テレビ局は標準語を基本的な放送用言語とする。
放送用語に外国語を使用する必要がある場合,国務院放送テレビ部門の承認を必要とする。
第十三条 公共サービス業は規範漢字を基本的なサービス用文字とする。公共サービスの必要性から,看板,広告,告示,マークなどに外国文字を使用するとともに中文を併記する場合は規範漢字を使用すること。
公共サービス業に標準語をサービス用言語とするよう提唱する。
第十四条 次の場合,国家通用言語文字を基本的な言語,文字としなければならない。
(一)放送・映画・テレビの言語,文字
(二)公共的な場所にある施設の使用文字
(三)看板,広告用文字
(四)企業・事業組織の名称
(五)中国国内で販売される商品の包装や説明
第十五条 情報処理と情報技術製品中に使用する国家通用言語文字は,国家の規範と規準に合致しなければならない。
第十六条 本章の関係規定の中で,次の場合には方言を使用してもよい。
(一)国家機関の公務員が公務を執行する際に必要とする場合
(二)国務院の包装,テレビ部門もしくは省レベルの放送,テレビ部門の承認を受けた放送の場合
(三)戯曲,映画,テレビなどで作品の芸術的必要性から使用する場合
(四)出版,教学,研究中で使用を必要とする場合
第十七条 本章の関係規定の中で,次の場合には繁体字,異体字の存在および使用が可能である。
(一)文化財,古跡
(二)名字に使用する異体字
(三)書道,篆刻などの芸術作品
(四)題辞と看板の手書き文字
(五)出版,教学,研究中で使用を必要とする場合
(六)国務院の関係部門が承認する特殊な場合
第十八条 国家通用言語文字は「漢語ピンイン方案」に準拠したつづりと読みをおこなう。
「漢語ピンイン方案」は中国の人名,地名と中文の文献のローマ字つづり法の統一的規範であるとともに,漢字使用が不便もしくは使うことができない領域で用いられる。
初等教育は漢語ピンイン教育をおこなわなければならない。
第十九条 標準語の使用を職務にしている者は,標準語を話す能力を備えていなければならない。
標準語の使用を職務にしているアナウンサー,司会,映画俳優,テレビタレント,舞台俳優,教師,国家公務員の標準語のレベルは,国家が規定するランク基準にそれぞれ達していなければならない。国家規定の標準語ランク基準に達していない者については,それぞれの状況に応じて訓練が施される。
第二十条 対外的な漢語教育については,標準語と規範漢字で教授されなければならない。
第三章 管理と監督
第二十一条 国家通用言語文字プロジェクトは,国務院言語文字プロジェクト部門が指導と管理監督をおこなう。
国務院の関係部門は本システムの国家通用言語文字の使用状況を管理する。
第二十二条 地方の言語文字プロジェクト部門とその他関係部門は,当該行政地域内の国家通用言語文字の使用状況を管理し監督する。
第二十三条 県レベル以上の各レベル人民政府の商工行政管理部門は,法にもとづき,企業名称,商品名および広告の言語,文字の使用について管理と監督をおこなう。
第二十四条 国務院言語文字プロジェクト部門は,標準語レベルテストランク基準を公布する。
第二十五条 外国の人名,地名などの固有名詞と科学技術用語は,国家通用言語文字に訳出し,国務院言語文字プロジェクト部門もしくはその他の関係部門が審査し決定する。
第二十六条 本法第二章の関係規定に違反し,国家通用言語文字の規範と標準に準拠せずに言語,文字を使用した場合,公民は異議と意見を申し立てることができる。
本法第十九条第二項に規定する者が,言語を使用するうえで本法第二章の関係規定に違反した場合,関係部門は直接当人に注意し改善を求め,改善する意思がない場合は関係部門はしかるべき処置をとらなければならない。
都市の公共の場所の施設や看板,広告用文字が本法第二章の関係規定に違反した場合,関係行政管理部門は責任を持って改善命令を出し,改善する意思がない場合は警告するとともに期限内に改善するよう督促する。
第二十七条 本法の規定に違反し,第三者が国家通用言語文字を学習し使用することに干渉した場合,関係行政管理部門は期限内に改善するよう命令するとともに警告をおこなう。
第四章 付則
第二十八条 本法は2001年1月1日より施行される。