10月15日 「中国政府、日本に第2次大戦で遺棄された化学兵器の処理要求」.10.14ロイター、【[北京14日 ロイター]中国政府は13日、日本政府に対し、第二次世界大戦後に旧日本軍が遺棄した約200万の化学兵器の処理を要求した。/中国政府は、1945年の終戦以来、日本が遺棄された兵器の発掘・回収について迅速に対応していないとの不満を表明。約2000人の中国人が、遺棄された兵器で被害を受けているとしている。/新華社の報道によれば、中国の武大偉外務次官は、「中国政府は日本政府に対し、しかるべき責任と義務の履行を強く要求する」と発言。同外務次官は、日本ができるだけ早急に「中国に遺棄された化学兵器を全面的かつ完全に処理する」よう要求した。】。「外交部:遺棄化学兵器問題で「日本の対応に不満」」.10.14中国情報局。
10月14日 太田昌国「書評 戸井十月著『小野田寛郎の終わらない戦い』」〔「状況20〜21」.10.11up、初出『週刊ポスト』2005年10月7日号〕。【敗戦後も、上官からの作戦解除命令なくしては終戦を信じることなく、およそ三〇年の歳月をフィリピンのルバング島のジャングルの中で任務を遂行した男・小野田寛郎。彼が日本に帰国したのは一九七四年のことだった。/敗戦後六〇年目を迎えた今年、テレビ番組のためになされた長時間に及ぶインタビューを通して、彼の半生をたどった本書が公刊された。/朝鮮やベトナムでの戦争で米国が戦い続けている様子は断片的に知っており、だからこそ日米戦争も継続していると確信していたなどと語るルバング島での気持ちのありようも興味深いが、帰国後、日本社会に違和感をもち一年後にはブラジルに「逃亡」する過程には、この社会が抱える問題が如実に表れているようだ。/「天皇のために闘い続けた不屈の軍神」というイメージを作り上げたメディアが一方にある。当然にも、そのイメージに反発する者も出てくる。/天皇への感情を顕わにしない小野田への不信を公言する評論家も現れる。だが、小野田には、命令を下した者の責任を追及したらどうなるかを知っていたために発言を抑制した感じがあって、そこに潜む問題は、けっこう根が深い。/帰国した小野田の一挙手一投足を嗅ぎ回り、あることないことを「報道」するメディアが孕む問題も、それに影響されやすい世論の反応の仕方も、三〇年後の今、いっそう深刻だ。/著者は、及びがたい「強さ」をもつ小野田に強い畏敬の念をもって、虚飾なくその全体像を描こうとしている。/三〇年に及ぶジャングルでの生活の中で、「討伐」に来たフィリピン兵士を何人かは殺した小野田が「後悔しない」と語る箇所でのみ、著者は違和感を覚えたと記す。/「男が男を殺すのは昔からお互い様」と語る小野田が内心に抱えているかもしれない苦悩が、戦争を強制する国家との関係性において、もっと掘り下げられてもよかった。/ふり返って、私もメディアが作り上げてきた小野田についてのイメージを知らず知らずのうちに鵜呑みをしてきた点があるようだと、内省を迫られる書でもあった。】。
10月13日 太田昌国「敗戦60年目に思うこと」〔「状況20〜21」.10.11up、初出「ふぇみん」2005年8月15日号〕。【敗戦後六〇年目を迎えているから、今年はメディアで戦争を回顧する報道が目立つ。〔……〕/忘れてはならないことは、日々のメディア報道の中身と、私たちがそれをどう批判的に受容するかという地点において、「何を記憶し、何を忘れるか」をめぐるたたかいが行なわれていることである。/ことは、自国の歴史をどう捉えるか、という問題に帰着する。戦争の原因と結果を超えて、ひたすら情緒的に流れる報道がある。/それは、戦時を生きた庶民の「労苦」を、戦争の原因を問わない地点で伝える。提出されるのは、被害者像である。被害者としての庶民も、戦争遂行の「共犯者」でもあったという側面を「忘れたい」のだ。/誰との共犯関係か。日本の場合は、当然にも、天皇を中心とした国体原理主義を推進した体制との共犯関係である。その頂点に立つ天皇との共犯関係である。/昭和天皇の「遺訓」を擁護する現天皇のサイパン「慰霊」訪問に、旧島民が「心を癒された」などと言っている限り、この共犯関係はいまだに続いているのだ。/天皇制批判を行なわないこと、そのことが、実に、この社会に生きる私たちの、まっとうな自己認識を妨げている。/だが、日々のメディア報道の中には、私たちの自己認識を促すニュースもたくさん含まれている。/今年はそのいい機会だ。なぜなら、今年のメディア報道を見聞していて気づくこと、それは、日本自衛隊も荷担してなお続いているイラク戦争に関わるニュース以上に、六〇年前に終わったはずの戦争が遺した「負の遺産」をめぐるニュースのほうが多いという事実である。/幾例かを挙げる程度の余裕しかないが、旧日本軍が中国大陸に遺棄した毒ガスが漏れ出て、現在を生きる中国の子どもたちを傷つけているというニュースは悲惨の最たるもので、記事を読むことすら辛い。これは、茨城県神栖町の砒素汚染問題につながっていく可能性が高い。/また、この十数年というもの、アジア諸地域の人びとが「強制連行・従軍慰安婦」に関わって日本政府に謝罪と賠償を要求した裁判の結果も、毎月のように報道されている。/こうして、戦争は、六〇年を経てもなお解決のつかない問題を引きずって、人びとの心と生活を掻き乱していることがわかる。/当時は「敵」と呼んでいた相手のある戦争なのだから、自分だけの想い、自分だけの被害を語る「記憶」の仕方は、国境を越えたとたんに無効となる。〔…〕】。
10月12日 平岡正明「海抜ゼロメートル地帯の憂愁 ニューオーリンズを失うことは」〔『東京新聞』05.10.11夕刊〕。【〔…〕/ほんもののハリケーンでその猛威が記録に残っているのは、一八五六年八月十日。ニューオーリンズ沖の「最後の島」と呼ばれた避暑地の島一つが失くなってしまうすさまじさで、ニューオーリンズの新聞記者時代のラフカディオ・ハーンによって書きとめられている。〔……〕/蒸気船で白人の男たちが復讐にくる。掠奪者たちを射殺する。台風一過、底抜けに青い海と空の下の白日夢のような描写だ。英語の地の文の上にフランス語、スペイン語、クレオール語の会話がとび交うハーンの第一作の小説「チータ」は平川祐弘訳が出ている(『カリブの女』河出書房新社)。/ハリケーン「カトリーナ」によるニューオーリンズの死者は確認された数が九百六十四人、その後の「リタ」によって捜索できない地域があって数字不明。これが十月三日現在のルイジアナ州政府発表だ。「チータ」という小説の主題は、その島唯一の生存者、五歳の女の子チータの物語だが、「カトリーナ」の生々しい報道を受けて、目が釘づけになるのはまさにここ、嵐の翌朝のシーンだ。/なぜ「カトリーナ」の死者はニューオーリンズの貧しい黒人層に集中したか。嵐の猛威が予想を超えた、貧しい層は脱出する車を持たなかった、人種偏見があった、ブッシュ政権の失政…どれもそのとおりだろう。しかしもう一つあるように感じる。かれらはこの町を離れたくなかったのだ。/昭和二十年代、東京・深川は大雨のたびに冠水した。引っ越せばいいだろう、と言うとかれらは答えた。「深川を離れると、江戸っ子じゃなくなるって気がするんだ」/サッチモとビリー・ホリディの相聞歌に「ニューオーリンズを失うことは(Do You Know What It Means To Miss NewOrleans)」というのがある。映画の挿入歌で、この町を出て行くサッチモが恋人役のビリー・ホリディに歌いかけ、彼女も歌い返すという相聞歌なのだが、両巨匠は恋ではなく、去っていく町を、別れる子をいとおしむように歌っている。/もの倦く流れるミシシッピを。なぜかいつもいそがしそうに走っている鳥ミチバシリ(ロードランナー)の滑稽さを。謝肉祭の終わった朝のけだるさを。すなわちフランス植民地独特の頽廃感をどこかアホな生活感覚でくるんだ、ニューオーリンズだけのクレオール文化へのいとおしさだ。/江戸・深川の新内、ラ・プラタ川河口のタンゴ、ニューオーリンズのジャズ。海抜ゼロメートル地帯の粋は、水もしたたるほどだ。】。
10月11日 ▼「全米注目 “未来の新聞社”」.10.08読売、にロブ・カーリー部長のインタビュー動画「オンラインは新聞読者を奪わない。新たな読者を獲得するための道だ」、【米国の新聞部数は落ちている。1950〜60年代からずっと減り続けている。ところが最近、新聞産業史上初めてのことなのだが…部数は落ちているのに、オンラインのおかげで読者が増えている。かつてないほどの読者を抱えることになったのだ。多くのメディア企業は、オンラインが本体の読者を奪うことを心配しているが、それは間違った見方だと思う。なぜなら新聞部数は何十年も落ち続けているのに、ついに我々は読者を増やす方法を見つけ出したのだから。だがメディア関係者は「読者を増やす方法を与えてくれて感謝します」と言うかわりに「まずい状況だ」と言う。それは間違った考え方だと思う。】。▼太田昌国「状況20-21」に.09.30アップ6本。「2005選挙「勝利者」の独白」05.09.15/「2005年8月28日「昭和天皇記念館いらない宣言」大集会での発言」05.08.28/「イラク報道の本質を見きわめるために」05.09.15/「衆議院解散をめぐって思い起こす三つの「政治の情景」」05.08.15/「60年前の戦争関連記事にあふれるメディアに触れて」05.07.15/「映画『永遠のハバナ』を観て派生するいくつかの思い」05.06.15。
10月10日 ▼水田ふう「立場としての非戦!」(.09.30「風」43号)。▼ヒラギノフォントファミリーが2005年度グッドデザイン賞(コミュニケーションデザイン部門)を受賞。【パーソナルコンピューティングのフォント環境を一変させたプロユースの本格派、ヒラギノフォント。そのデザインコンセプトは、快活な印象と高度な可読性の融合。新しい時代の本流を目指した明快なデザインを、細部まで磨き上げた完成度で全54書体提供しています。93年の発売以来わずか10年あまりで、ファミリーとしてこれだけの書体数を一貫したコンセプトで展開し得たフォントは他に類を見ません。2001年にアップルコンピュータのMacintoshに6書体11万字が標準搭載。美しさ・読みやすさ・幅広い表現・豊富な文字数など、従来のパソコン搭載フォントとは一線を画しました。】販売・利用開始・実施時期:1993年4月/プロデューサー:大日本スクリーン製造株式会社メディアテクノロジーカンパニー企画統轄部IT企画部/ディレクター:有限会社字游工房 鈴木勉(故人)、鳥海修/デザイナー:有限会社字游工房。関連サイト:字游工房のお知らせ /大日本スクリーンのニュースリリース /前田年昭「おまえと組んでよかったぜ!」1996年9月。
10月9日 新刊! 中島らも『中島らも ROCKIN' FOREVER (DVD+詩集BOX)』2005年10月、白夜書房、本体3800円+税、ISBN4-86191-038-2。鈴木創士「「踏み絵」としてのロックンロール」、【それにしても、何という量だろう!/彼のエッセーや小説にも同じことが言えるだろうが、その過剰さとしつこさは招かれざる天才の永劫不変の特性であり、また天災――いや、天才というものはそうでなければならないはずである。過剰さというのは、まぎれもなく反社会的であり、中庸を何とか保とうと日々死に物狂いの努力を続けるすべての思考と社会にとって、もちろん禍いであり、呪いである。残念ながら、そういうものなんだ。/それにどちらかといえば彼の肉体の速度は、率直に言って、この上なくのろく、年とともにほとんど停止状態に近づきつつあったと言えるが、思考の速度の方は、言ってみれば不動性のはるか彼方にあって、猛烈に速く、その孤独な夜の営みは過剰そのものだった。〔……〕/中島らもにとってロック・ミュージックは、ケープカナベラルの発射台に立つはずだった幻の反アメリカ・スペースシャトルか、何も存在しない虚空にむかって飛び立つための幻想のカタバルトである。それは破れかぶれの、だが息の長い急降下爆撃だ。へたくそだって別に構わない。天空の高みからふらふらと低空飛行を続ける爆撃機から無数にばらまかれ、投げ捨てられる爆弾の中身は、いずれにせよつねに感情、生活、自我、アイデンティティ、日常、およびその他のゴミ屑である。そしてロックン・ロールは、彼にとって何よりも王殺しの音楽、繊細な「転びばてれん」の冷めた叫びだった。それを忘れないようにしよう。ロック・ミュージックは、文字どおりの意味で一種の地獄の「踏み絵」だったのである。】/阿部登「あとがき」、【昔から、この人は病気では死なないと思っていた。春一番コンサートに、らもさんを推した時、反対する奴もいた。ストレートすぎる、鋭い表現… しかも、演奏は全員ヘタでバラバラで客に向かって飛んでいく。そしてど真ん中に「ものごっついヘタ」な、ちいさな人間の形をした、カミナリ小僧。でも、大成功のステージだった。これから、もっともっと新しいロックを創造出来る人だったのに…/あの人の音楽からは敵意を感じない、やさしく包みこむ様なわがままが、言葉、漢字を通して聞こえてくる。万民には、キツい。普通の人は、むつかしい。「文学とロック」「ロックと文学」、これは交わらないのだろうか。】。
10月8日 イ・ユン「殺された半島出身者の怨念を掘り起した人・正木峯夫さん(1)」.10.06 JANJAN /「殺された半島出身者の怨念を掘り起した人・正木峯夫さん(2)」.10.08 JANJAN/【10.15追補】「殺された半島出身者の怨念を掘り起した人・正木峯夫さん(3)」.10.11、「殺された半島出身者の怨念を掘り起した人・正木峯夫さん(4)」.10.15。「朝鮮人遺骨、身元情報は184人分 自治体報告の26%」.10.04朝日、【戦時中に徴用されるなどして死亡した朝鮮半島出身者の遺骨問題で、地方自治体から日本政府に寄せられた721人分の情報のうち、個人の身元をたどれる名前などの情報があるのは約4分の1の184人分であることがわかった。また、2人以上の遺骨が合葬されているのが全体の4割を超えていた。このため、遺族捜しや、返還に向けた作業は難航するとみられる。/昨年末の日韓首脳会談を受けた日本政府の呼びかけに応じ、9月までに都道府県から721人分の情報が届いた。企業などから寄せられた147人分と合わせて、計868人分の情報を9月28日に韓国側に伝えたが、詳しい内容は公表されていなかった。/調査結果によると、自治体からの情報のうち、遺骨がある場所や埋葬状況が分かるのは701人分。残りの20人分は、人数に関する情報だけだった。計721人分のうち、名前が遺骨箱に書かれるなど、身元特定につながる情報があったのは184人分で、全体の約26%にとどまった。/また、約54%にあたる386人分の遺骨は、個別に埋葬されたり納骨堂に安置されたりしていたが、315人分は合葬され、個人の遺骨に分けられないようになっていた。/身元をたどれる184人分のうち個別に埋葬・納骨されているのは124人分。合葬されているのが60人分あった。/また721人分とは別に、死亡者の人数が分からない情報が10件、遺骨がある場所の解明につながる可能性がある関連情報が32件あった。/日本政府は韓国側との協議で、具体的な遺骨の情報も伝えた。/北海道猿払村=共同墓地に33人分の遺骨が埋葬。同村史に死亡者85人の名前や生年月日など▽岐阜県飛騨市=寺院に約100人分の遺骨。8割ほどの名前が判明▽福岡県小竹町=254人分が合葬――などだった。/外務省は「韓国政府との合意で、調査結果の詳細はコメントできない」としている。/在日朝鮮人と日本人でつくる市民団体「朝鮮人強制連行真相調査団」は3日、東京都内で記者会見し、日本政府が朝鮮人徴用工らの遺骨情報を公開するよう訴えた。朝鮮人側中央本部の洪祥進(ホン・サンジン)事務局長は、過去に日本政府がまとめた記録などからの推測として、「日本には犠牲者の遺骨が少なくとも約5万人分は残っている」と指摘した。】。
10月7日 ▼「ミラクル、紅旗、HAANSOFT、年内に合弁企業設立か」.10.07 @IT。▼すが秀実「(連載:時評・タイムスリップの断崖で第7回)「小泉総選挙勝利を準備した市民ならざる「市民」の正体」」〔『en-taxi』第11号、2005年9月、扶桑社、掲載〕。【世に言う「フリーター問題」というのは、「偽の」とは言わないまでも、もう少し深刻で「本質的な」問題を隠蔽するための囮のようなものではないだろうか。現代の日本資本主義を支えているのは、フリーターでも正社員でもなく「派遣社員」と呼ばれる存在である。彼らが失業率の下げ止まりを演出しているもの〔ママ〕はもちろん、日本資本主義の「景気回復」にかなりのところ資しているのも、多くはこの派遣社員という制度だろう。〔……〕/しかし問題は、このような労働形態に対して、派遣社員の(あるいは、フリーターやパートの)正社員化を要求すれば良いといった古典的かつ単純な応接が、まったく無意味だというところにある。それは、資本の人件費削減という要請にこたえるものでもあるが、同時に、IT化などによって規律/訓練を必要としない(かに見える)労働形態の増加によっているからだ。企業が被雇用者の規律/訓練を必要としなければ、終身雇用や高賃金を採用する必要はない。派遣社員のたずさわる労働が、おおむねキャリアを必要としない労働であることは言うまでもない(もちろん、派遣会社は専門性を持った人間を求めると謳っているのだが、そういった労働はごくごく一部である)。しかし、それは資本への拘束が弱いという意味で「自由」なのである。/今年四月のJR福知山線の脱線事故の「原因」は、JR内における規律/訓練体制の崩壊と監視/管理体制の強化にあると言われた。〔…〕現在、小泉郵政民営化を支持する層が、規律/訓練型の社会の崩壊という資本の動向を背景にしていることは間違いない。〔…〕これは規律/訓練システムを復活すれば良いというふうに論理が立たないことが問題なのだ。資本による規律/訓練システムは単に費用がかかるから放棄されたというばかりではなく、同時に、労働者の資本からの解放をも意味してしまうから、人々に支持されたという側面も存在するからである。この「人々」は、今日、誤って「市民」と呼ばれている。/周知のように、「市民」社会はさまざまな利益集団や職能団体のあいだの係争と、その統合によってなりたっていた。たとえば、資本家は企業を経営することを学ぶことで市民として規律/訓練される。同様に、労働者は労働組合の一員であることによって規律/訓練され「市民」になっていく。ところが、現在では、たとえば民主党はいまだ「連合」が有力な支持母体だから市民政党に脱皮していないなどという言い方がなされることからも知られるように、市民でない存在を「市民」と呼んでいるのだ。そして、この市民ならざる「市民」=ジャンクは市民的な規律/訓練(つまり、教育)をほどこされていないがゆえに、自身の方向性を欠いた存在と化しているといえよう。そして、彼らが、たとえば投票行動において基準とするのは、基本的には「嫉妬」と「資本からの解放」という二点である。この二つが矛盾しながらもリンクしているところに、小泉的ポピュリズムへの大衆的な支持がさしあたり表明され、同時に、それが資本主義にとって「地獄への道」であるゆえんも存在しているだろう。】。
10月6日 ▼『en-taxi』第11号(2005.9.29、扶桑社)が“「七〇年代東映」蹂躙の光学”を特集、福田和也「現代暴力論 もしくは、ヤタケタな東映映画作品について」、【この特集のために、荒井さん、スガさんと話をして、「仁義なき戦い」ですべてが終わったという話を聞き、それに納得はしたけれど、納得しきれないところもあった。/「仁義なき戦い」が、親分のだらしなさとか、チンピラの生活の味気なさ、つまらなさを容赦なく書くことで、従来のヤクザ映画、仁侠映画を清算してしまったことは確かだと思う。それはその通りなのだが、それは本当の終わりだったのだろうか。/「仁義」に私たちが興奮したのは、もちろん多方面のナンセンス、ズッコケぶりの可笑しさがある一方で、階層秩序の美意識がもたらす抑圧によって溜められたエネルギーが爆発するというそれまでの作劇メソッドが崩壊し、最初から終わりまで、のべつ拳銃が発射され、血しぶきが飛んでいる、敵も味方もかまいなく、標的になり、狙い、狙われるという暴力の偏在のなかで構成された物語が魅力だった。/だから、それは清算ではなく、発明であり、暴力の横溢のなかでのならず者の祝祭というテーマは、深作によってではなく、より本質的には中島貞夫によって具現化され、展開されたのだと思う。】。▼パソコンテレビGyaO[ギャオ]で、映画『絞死刑』(1968、大島渚監督)を11月16日正午まで無料公開!
10月5日 「朝鮮人遺骨、身元情報は184人分 自治体報告の26%」.10.04人民網日文版(asahi.com)、【戦時中に徴用されるなどして死亡した朝鮮半島出身者の遺骨問題で、地方自治体から日本政府に寄せられた721人分の情報のうち、個人の身元をたどれる名前などの情報があるのは約4分の1の184人分であることがわかった。また、2人以上の遺骨が合葬されているのが全体の4割を超えていた。このため、遺族捜しや、返還に向けた作業は難航するとみられる。/昨年末の日韓首脳会談を受けた日本政府の呼びかけに応じ、9月までに都道府県から721人分の情報が届いた。企業などから寄せられた147人分と合わせて、計868人分の情報を9月28日に韓国側に伝えたが、詳しい内容は公表されていなかった。/調査結果によると、自治体からの情報のうち、遺骨がある場所や埋葬状況が分かるのは701人分。残りの20人分は、人数に関する情報だけだった。計721人分のうち、名前が遺骨箱に書かれるなど、身元特定につながる情報があったのは184人分で、全体の約26%にとどまった。/また、約54%にあたる386人分の遺骨は、個別に埋葬されたり納骨堂に安置されたりしていたが、315人分は合葬され、個人の遺骨に分けられないようになっていた。/身元をたどれる184人分のうち個別に埋葬・納骨されているのは124人分。合葬されているのが60人分あった。/また721人分とは別に、死亡者の人数が分からない情報が10件、遺骨がある場所の解明につながる可能性がある関連情報が32件あった。/日本政府は韓国側との協議で、具体的な遺骨の情報も伝えた。/北海道猿払村=共同墓地に33人分の遺骨が埋葬。同村史に死亡者85人の名前や生年月日など▽岐阜県飛騨市=寺院に約100人分の遺骨。8割ほどの名前が判明▽福岡県小竹町=254人分が合葬――などだった。/外務省は「韓国政府との合意で、調査結果の詳細はコメントできない」としている。/在日朝鮮人と日本人でつくる市民団体「朝鮮人強制連行真相調査団」は3日、東京都内で記者会見し、日本政府が朝鮮人徴用工らの遺骨情報を公開するよう訴えた。朝鮮人側中央本部の洪祥進(ホン・サンジン)事務局長は、過去に日本政府がまとめた記録などからの推測として、「日本には犠牲者の遺骨が少なくとも約5万人分は残っている」と指摘した。】。
10月4日 ▼「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」(1)茶封筒.09.09 /(2)抜き取り.09.14 /(3)カネのなる木.09.15 /(4)周到な工作.09.20 /(5)タクシー代と手切れ金.09.22 /(6)決別.09.28 /(7)匿名告発.10.01 /(8)出るか引くか.10.03〔『THE INCIDENTS』連載〕。【.10.16追補】(9)ライフワーク.10.06 /(10)無力な会計検査院.10.11 /(11)政治家よ、おまえもか.10.16。▼野村保惠『誤記ブリぞろぞろ 校正の常識・非常識』2005年9月、日本エディタースクール出版部。1コンピュータ時代の校正/2文字の字体のいろいろ/3こう組むべきである(組版ルールの重要性)/4ページとは何か(ページの組版ルール)/5縦と横の違い(横組の組版ルール)/6素読みのできる人(校正の常識・非常識)/資料:パソコン・OCR入力の誤植例。【誤植は誤記? ほとんどの原稿がパソコンを利用して書かれるようになって,印刷物には,これまでにないタイプのおかしな文章や文字がゾロゾロ…….間違いをなくすため,校正では従来の原稿引き合わせに加えて,字体の確認,組版ルールの確認,そして「素読み」が強く求められるようになった.これは最新の校正事情である.】。「誤植の構造の変化」を正面から見据え「新しい校正に対する模索」としてまとめられた労作!必携!
10月3日 「ハーブ・ルバーリン展」10月7日(金)−10月30日(日)、10:00−22:00、青山ブックセンター本店。【グラフィックデザイナー、タイポグラファーとして1960年代から70年代にかけて活躍し、アメリカのみならず世界的に影響を与えたハーブ・ルバーリンの展覧会を東京・渋谷区神宮前の青山ブックセンター本展で開催します。8月末から9月13日まで東京・国分寺のギャラリー「switch-point」にて開催し好評を得ておりました展覧会の巡回展です。/広告、エディトリアル、タイポグラフィと幅広く活躍したハーブ・ルバリン。彼は他に類をみない個性的かつ画期的なフォント「アヴァンギャルド・ゴシック」を世に送り出し、グラフィックデザイン史に伝説的な名を残しました。/今回の展覧会は彼が手がけた書籍やポスターに加え、彼がフォト・レタリング社、アーロン・バーンズとともの設立したInter National Typeface Corporation(ITC)社のフォント見本帳と、その季刊誌「Upper&Lower Case(U&LC)」、計100冊以上の作品によって構成されます。作品は1部非売品をのぞき、販売いたしております。/アルファベットを視覚的形態としてとらえながらも、文字そのものがもつ意味の重要性を問い続けたルバーリンのデザインワークは、4半世紀以上の時を経てもなお「アヴァンギャルド」に私たちを刺激し、知的に挑発し続けています。】。
10月2日 「遺骨、全国に868人分 朝鮮人徴用問題で初の調査」.09.28朝日、【第2次大戦終了時までに日本企業に徴用・雇用されて死亡した朝鮮半島出身者の遺骨問題で、日本政府は28日、韓国側に対し、これまでに全国で延べ868人分の遺骨が確認できたことを初めて伝えた。外務省で開かれた日韓両政府の審議官級協議で明らかにしたもので、今後は遺骨を保管する寺院などの同意を得たうえ、日韓両政府が協力して現地調査をすることを確認した。次回の協議は11月にソウルで開く。/徴用者の遺骨調査は、竹島問題などで冷え込んだ日韓関係の改善を狙って両国外交当局が合意。日本は従来の方針を転換し、当時の徴用企業や地方自治体などを通じた実態調査を進めてきた。一定の結果は出たものの、調査対象の人数の違いや遺族捜し、遺骨の返還方法など調整が必要な課題も多く残されている。/今回の協議は5月下旬に続き2回目。日本側は内閣官房や外務、厚生労働、総務各省と文化庁の担当者が出席。韓国側は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権下で戦争被害の実態調査を進めている「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会」メンバーらが臨んだ。/日本政府は今春から本格的な調査に入り、(1)当時の徴用企業で現在も実在する108社(2)戦時中の埋葬や火葬などに関する資料を保存していた自治体(3)遺骨が仮安置されている場合が多い全国の寺院――を対象に遺骨の存在を問い合わせた。/この日、韓国側に伝えた調査結果によると、徴用企業では108社のうちの5社と、それ以外の1団体から計147人分の遺骨情報があった。また、調査後に新たに17社が徴用した企業だと分かり、さらなる情報提供を呼びかけたという。/さらに全国2000余の自治体から計721人分の遺骨情報が寄せられ、企業側の調査と合わせて計868人分となった。ただ、「情報が重複している可能性もある」(外務省筋)として、さらに詳しく調べる。寺院の調査は終えていないため、この日は具体的な数字を伝えなかった。/一方、遺骨の保存状態などを確認するため、日韓両政府の担当者が早急に現地調査を行うことも確認。東京・目黒の祐天寺に仮安置されている朝鮮半島出身の旧軍人・軍属の遺骨1135人分のうち、韓国側出身の704人分を韓国へ返還することも、引き続き話し合うことにした。/このほか、旧軍人・軍属の日本人遺族が戦没地を訪問する「慰霊巡拝事業」の対象に、来年度から韓国人遺族を加えることも課題にあげた。】。
10月1日 「知財高裁、松下電器の特許無効 「一太郎」訴訟、控訴審判決」.10.01フジサンケイビジネスアイ。【ソフトウエアの特許権を侵害されたとして、松下電器産業(大阪府門真市)がジャストシステム(徳島市)を相手に、ワープロソフト「一太郎」の製造・販売差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は三十日、「特許は無効で、松下電器は特許権を行使できない」として、製品の製造・販売禁止と在庫の廃棄を命じた一審東京地裁判決を取り消し、松下電器の請求を棄却した。/四月に発足した同高裁で、特に重要な訴訟を審理する五裁判官の大合議による初の判決。ソフト特許をめぐる同種訴訟に指針を示すものとなりそうだ。/問題となったのは、両製品のパソコン画面で、ボタンの連続操作によって表示させる「ヘルプモード」機能。マニュアル参照の必要がなくなる。/松下電器は、アイコンのドラッグでこの機能を実現したワープロを一九八九年十月に特許出願し、九八年に登録された。/訴訟では、新規性、進歩性などの特許要件を備えているかに加え、操作ボタンが松下電器の特許でいう「アイコン」に該当するかなどが争われた。/篠原勝美裁判長は、松下電器の特許について「出願の二カ月前に外国で英語の文献にあった発明から、容易に思いつくことができる」と指摘。「特許には新規性、進歩性がない」として、松下側の主張を退けた。/一審判決は二月、ヘルプ機能は「容易に思いつく発明とはいえず特許として有効」と認定。ソフト機能を絵や絵文字で表示するものはアイコンに当たるとして松下電器側の主張を認めていた。ジャストが控訴したため、一審判決の効力は発生せず、製品販売は従来通り続いている。/ジャストによると、一太郎は八五年に発売開始。千八百万本以上の売り上げがあるという。】。読売 /中日 /MYCOM PC WEB。
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