読書録 2004年4月後半(敬称略)

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  • 4月29日 東京藝術大学大学美術館・東京都現代美術館・セゾン現代美術館「再考:近代日本の絵画 美意識の形成と展開」2004年4月10日(土)−6月20日(日)、[第一部]東京藝術大学大学美術館[第二部]東京都現代美術館。

  • 4月28日 「「自己責任」問う声に反論 イラクで拘束の2人が会見」.04.27朝日(朝日:goo)。【イラクで武装勢力に拘束された市民団体メンバー渡辺修孝さん(36)と、ジャーナリスト安田純平さん(30)の2人が27日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見した。拘束時の様子を改めて振り返るとともに、政府・与党や一部メディアに根強い「自己責任」を問う声に反論した。/質疑応答で海外メディアからは「人質へのバッシングが続いたことをどう思うか」などの質問が続いた。/渡辺さんは、先に拘束された高遠菜穂子さんら3人の家族が、武装勢力が解放の条件とした「自衛隊の撤退」を政府に求めたことがバッシングにつながったと指摘。「家族が助かることを望むのは正当な権利。それを政府に反対する政策を主張していると受け取り、ゲリラの代弁者のように扱った」と批判した。/人質になった人たちを「反日的分子」と批判する与党議員がいることに対しては「反日で何が悪いのか」と述べた。〔…〕】。関連読書録:.04.18付 /.04.22付 /.04.23付

  • 4月27日 大塚英志責任編集『新現実 VOL.3』(2004年5月、角川書店)が“いかに「戦時下」に語るか”を特集、大塚は「まえがき」で【戦後の教育を受けたぼくはかつてこの国が戦時下に向かった時、抗い得なかったのは人々が銃の力によって戦時体制が強要されたのだと、何となく思っていた。しかし「現在」という時代を一つの手がかりにしてかつての「戦時下」を理解し直すなら、むしろ人々は自らの熱に動かされてそのような時代に突き勧んで〔ママ〕いったのではなかったかという実感こそを強く感じる。/後になって、いや我々は抵抗した、とか、あるいは、いや、自分たちは被害者で、あいつとあいつは戦時体制の先鋒をかついだ、とか、様々なアリバイ証明や告発がなされたが、問題なのは、アリバイを証明することではない。むしろ告発されるような言動をとらなかった方の人々の責任こそが問われてしかるべきではないか。人々が「なんとなく」戦時下へと進み、「なんとなく」戦後を迎えた結果として、「現在」は再び「戦時下」にあるのではないかともぼくも感じる。/とすれば、たった今、必要なことは、いかにして「戦時下」としての「現在」で、語りうるかという設問のように思う。〔……〕/重要なのはぼくのこの文章も『新現実』VOL.3も含めて、「現在」のすべての「ことば」が「時局下のことば」「戦時下のことば」として否応なくあることをまず強く意識することだ。その際、大切なのは、この「時局」に対して、それを相対化しうる安全圏はどこにもないし、仮に安全な立ち位置を探してしまったとすれば、それはまさに「時局下のことば」でしかない、ということだ。】。同号に、上野俊哉「池上遼一右往左往 新保守の起源としての劇画」、荷宮和子「くびれの世代による上野千鶴子論」、ササキバラ・ゴウ「おたくのロマンティシズムと転向 「視線化する私」の暴力の行方」、大澤信亮「日本近代思想の運命」ほか。

  • 4月26日 「日・朝の「和解」と「平和」を願う市民フォーラム」2004年4月29日(土)午後2時〜5時、東京・在日本韓国YMCA9階ホール、500円、発題:田中宏さん「戦後処理の現在――講和条約から52年」・宮本正明さん「戦後日本の植民地認識」・佐藤信行さん「戦後日本と在日」・木元茂夫さん「東アジア非核地帯をめざして」、司会:内海愛子、板垣竜太、主催:朝鮮−日本 絡まり合った歴史と現在を考える集い(連絡先TEL 080-3272-6727)、【2002年9月17日の日朝首脳会談と日朝ピョンヤン宣言から1年7ヶ月もの時間が流れましたが、今なお「和解」の道は閉ざされ、東アジアにおける「平和」実現への道筋も見いだすことができません。「国家」に翻弄された一人ひとりのかけがえのない人生はいかに償われるべきなのか、日本と朝鮮民主主義人民共和国の関係は何によって打開されうるのか、私たちが直面する課題はあまりにも大きいと言わざるをえません。この間に、日本政府は有事法制を成立させ、イラクへの自衛隊派兵を実施し、教育現場では国旗国歌の強制がさらに強められています。朝鮮民主主義人民共和国の「脅威」が、私たちの暮らしから平和と自由を奪う口実とされる中、真の脅威が着実に迫ってきていることを感じずにはいられません。今、日朝国交正常化問題を冷静に議論することは、このような状況を打開するためにも、是非とも必要です。/私たちは、あらゆる国家の暴力に反対する意志を明確にし、絡まり合った歴史と現在を解く鍵を、市民の知恵で見つけださねばならないと考えています。是非ともご参加ください。】。関連:「日・朝の「和解」と「平和」を願う市民共同声明」04.03.16。

  • 4月24日 北田暁大先生講演会「アメリカ的プラグマティズム: リベラリズムと<帝国>」5月7日(金)午後7時開演(午後6時開場)、岩波ブックセンター信山社3階 岩波セミナールーム、入場無料・先着100名・要予約(TEL03-3263-6601)。インタビュー「2ちゃんねるに《リベラル》の花束を」〔2003年12月エキサイトブックス“今月の人”〕。

  • 4月23日 「政府の自己責任論は筋違い 人質事件でNGOが会見」.04.22共同通信:goo。【イラクから自衛隊の即時撤退を訴える市民団体「ワールド・ピース・ナウ」が22日、東京都内で記者会見を開き、政府がイラク人質事件で解放された5人の「自己責任」を指摘していることについて、出席した非政府組織(NGO)関係者やジャーナリストが「筋違いだ」と批判した。/イラクで医療支援などに取り組む相沢恭行・ピース・オン代表は「人質事件の背景には米軍の占領と、それを支持する日本政府の対応がある。5人の自己責任を言うのなら、政府の責任は問われないのか」と発言。/バグダッドにメンバーを派遣しているフリーのジャーナリスト集団「アジアプレス」の野中章弘代表は「戦場取材でリスクは避けようがなく、軽率という批判は当たらない。邦人保護対策を何もしない政府が自己責任を言うのは筋が違う」と訴えた。】。関連リンク→読書録.04.22付

  • 4月22日 「(共同声明)「自己責任」論による非政府組織(NGO)、市民団体、ジャーナリスト等の活動への批判に憂慮します」、【わたしたちは、世界中の人々との草の根の交流、人びとの生活や人権などへの支援活動、ジャーナリストとしての活動などをおこなっている非政府組織(NGO)、市民団体やこれらに関わる個人です。わたしたちは、イラクにおける人質事件以降、政府および一部のマスメディアが今回の人質事件の原因を危険なイラクに出向いた被害者たちにあると批判し、事態の責任を「自己責任」の名のもとに、現地で活動しているNGOや個人に転嫁しようとしていることに大きな憤りと悲しみを感じています。/このような「自己責任」論は、NGO等として紛争地域などで活動する人たちの人命が危険にさらされるような事態になったとしても、それは当事者の責任であると考えるあやまった世論をつくり出してしまいます。このような世論形成は、人命を軽視した安易な武力行使や実力行使を正当化させかねず、NGOなどによる海外での活動を大きく制約しかねないという危機感を大変強く持っています。/政府や一部マスメディアが主張する「自己責任」論は、自律した個人が自らの責任で社会活動をすることの意義を意味するという、その本来の意味をすりかえにしています。そして、人質の人たちとその家族を、そのようなまちがった「自己責任」論によって批判するようなことはすべきではないということを強く訴えたいと思います。〔…〕】(よびかけ団体・個人、賛同団体・個人のリスト)。関連:読書録04.04.18付 / 藤原新也「一億総無責任時代の中の“自己責任”の大合唱にはゾッとするな」.04.16(Shinya Fujiwara official site)、【「最良の自己責任とは自分の命を担保とすることなのである」。】 / 「冷静になって考えたい」04.04.18中日新聞社説、【人質はすべて解放された。本当に良かった。だが、喜びの後に待ち受けるのは「自己責任」の大合唱か。非政府組織(NGO)や報道の使命感まで、“断罪”されるべきなのか、冷静に考えたい。〔……〕五人に沈黙を強いるとしたら、この国こそ少し危険である。】 / 「「日本人少女の涙」〜ハンギョレ新聞掲示板より」.04.19レイバーネット。

  • 4月21日 渡辺脩「渡辺脩氏に聞く『麻原を死刑にして、それで済むのか』/麻原裁判の真相」〔『図書新聞』第2675 号、2004年4月24日付掲載〕。【麻原裁判は刑事裁判のかたちはとっているけれども、いまの時代の様相を象徴している】と指摘する渡辺は次のように語っている。【まだ私が若い頃ですが、倉庫荒らしの事件があって、二十代の若い男だったんだけれども、縁あって弁護を頼まれて、彼の親父と一緒に示談に回ったことがあります。でも、私が一緒に行くと、親父は何もすることがなくて、傍で頭を下げているだけなんですね。だから、二件ぐらい回っているうちに、これはまずいぞと思った。/親父を情状証人に呼んで証人尋問をしても、この親父は自分から語るべきものが何もないんですね。だから私は、示談についていくのをやめて、親父が一人で行くように言った。そうしたら、親父は情けなさそうな顔をして、それでも行きましたよ。/そうして父親が示談をまとめてきた。すると、自分が示談をまとめてきたわけだから、それについての証言ができるようになるでしょう。/示談に行くにも、始めのうちは情けなくて、息子に腹を立てながら歩いていた。そのうち、どうして息子がそうなったのかを考えるようになった。そうして、もしかしたら自分が至らなかったせいじゃないかと思い出して、いろいろ考えたんですね。/やはり、自分の責任がいちばん大きかったということに、親父は気が付くんですよ。そこで、彼は示談に歩いたプロセスの中で、自分がそう感じたことを法廷で述べたんですよ。そうしたら、息子は途中で泣き出しちゃってね。/だから、なぜそういう事件が起こるようになったかという、本当の原因を突き止めたときに、初めて父親もわかるわけだし、盗みを働いた息子も、自分の責任がわかる。それは、いわば人間性回復の場面なんですね。/そこのところを、ただ盗んだか盗まないか、示談ができたかどうかだけでやっていたら、裁判にならないですよ。実際、有罪の人でも、自分がなぜそういう犯罪行為をしたのかわからない場合が圧倒的に多い。だから、「ここが原因だったんだよ」と真相を解明してやるのが裁判であって、それがわかって初めて、心の底から悔悟するということが生まれてくる。/麻原裁判でも全く同じことで、幹部たちはいろいろ自白して認めているけれども、そういう意味での、心の底から悔悟しているケースが一件でもあったのかと私は言いたいんです。つまり、裁判は行われたけれども、事件の原因を全く解明していないということです。/これは被害者についても言える問題です。被害者は許しがたいほど怒り狂ってるわけだけれども、何がいちばん問題か、なぜ事件が起きたのかという真相がわからないから、我慢できない。もしそれがわかれば、いくらかでも気持ちが癒されるわけでしょう。/ですから、被害者感情を緩やかなものにしていくという意味でも、やはり裁判は一種の人間性回復の場面なのです。】。関連読書録:04.03.03付

  • 4月20日 「五感を刺激!現代ブックデザイン考」展、2004年4月24日(土)〜6月27日(日)、印刷博物館P&Pギャラリー、無料。▼特別企画展「田中一光とモリサワ―文字をめぐる軌跡」、2004年5月12日(水)〜6月12日(土)、モリサワ東京本社ビル1F MOTS+2F特設スペース、10:00〜18:00(入場無料)。

  • 4月18日 アナーキー・イン・ニッポンのサイトに、「自己責任論」(04.04.18付、署名 T)。【イラクの人質事件に関して、きわめておかしな自己責任論が唱えられ、人質になった人たちへのバッシングに使われている。/そもそも人質にされた人たちは、はじめから自分で費用を支払い、自分の責任においてイラクに入国したのである。派遣された自衛隊員のように税金で行ったわけではなく、自衛隊員のように危険手当が支払われるわけでもなく、自衛隊員のように装甲車や機関銃を持っているわけでもなく、万一死亡した場合も自衛隊員のように一億円の補償金が支払われるわけでもない。危険を冒してでも苦しむ人々を助けたい、イラクで何が行われているかを伝えたい、などの強い意志のもとに危険を顧みずに行動したものであろう。/イラクに留まりたいと言う高遠さんに対し、コイズミ首相は「あんな目にあってもまだそんなことを言うのか」と発言したが、彼女たちは危険を承知して行ってるのだ。武装グループに拉致されたくらいで逃げ帰るような甘い考えははじめから持ってないに違いない。彼ら(彼女ら)の念頭にあるのは、劣化ウラン弾の被害に苦しむ人々やストリートチルドレン、米軍に殺され傷つけられているイラクの人々なのであって、自分の身の安全ではないのだと思う。/コイズミによると「政府の人が24時間体制でどれだけ努力したか自覚してほしい」とのことだが、本当にそうだろうか。/外務省やヨルダンのアンマンに対策本部を作り、24時間体制で情報収集や対策に当たったのは確かなようだ。しかし、東京やアンマンでいったい何ができるのであろう? 救出に大きな役割を果たしたイスラム聖職者協会のアブドル・サラーム・アル・クバイシ師によると、「多くの日本国民やNGOからメッセージを受けとったが、日本政府からは何の連絡もなかった」と言っている。では、政府の対策本部はいったい何をしていたのだろう? フクダ官房長官によれば「関係各国の協力を仰ぐ」とのことだが、どうやらこれはアメリカ・イギリスの軍と情報機関、それにイラク占領行政当局を指しているようだ。つまり政府の対策本部の活動の中心は、人質の救出対策にあったのではなく、マスメディア対策と武装グループを捜索・攻撃している占領軍への協力対策だったのではないか。コイズミやカワグチ、フクダらは、はじめから「テロには屈しない。自衛隊は撤退しない」を繰り返し、家族との面会を拒否ていることを見ても、人質の身の安全などちっとも考慮しなかったことは明らかである。つまり彼らが24時間体制で努力したのは、自分たちの体面を守ること、ご主人様であるブッシュ様・チェイニー様のご機嫌を損ねないことでしかなかった。/人質が無事に解放されたのは、第一に彼らがイラクの人々のために行動している人々であって、イラクの人々の敵ではなかったからである。第二に、日本をはじめ多くの民間の人々がそのことを訴え、それがアルジャジーラテレビやインターネットを通して武装グループ側に伝わったからである。政府や役人は救出に何も貢献しなかったばかりか、武装グループを激怒させる発言を繰り返し、彼らの敵である米英軍と緊密に連絡をとるなど、むしろ人質の命を危険にさらすことばかりしていたのだ。/政府や外務省は、退避勧告をしている地域に入ることの責任を問題にしているようだが、大間違いである。アメリカのイラク侵略を支持し、占領軍を派遣し、イラクの人々に対する虐殺に協力している日本政府の行為が、日本人を危険にさらしているのだ。/日本人に安全な場所などどこにもない。/身の安全を図りたいなら、日本政府や外務省の言うことに従ってはならない。米軍の侵略行為や、それを支持する日本政府に断固反対すること、それが個人の自己責任としてできることなのである。】。共感!

  • 4月17日 在日韓国民主統一連合「<声明>第十七代国会議員選挙結果に対するわれわれの立場」04.04.16。【わが国民は、第十七代国会議員選挙を通じて、盧武鉉大統領への弾劾訴追で民主主義を破壊し国民主権をじゅうりんした「議会クーデター」勢力と、その背後勢力の米国に峻厳な審判を下し、古く腐敗した政治家の清算を大胆に実行して、新たな議会政治構図を創出した。ウリ党が単独過半数を占める第一党となり、民主労働党を大幅に院内進出させたことは、新しい政治を求める国民の、不退転の決意の現れである。/われわれは六月民衆抗争以後、さまざまな反動と外部勢力の介入による苦難と逆境を克服して、ついに新たな議会構図を生み出した韓国民の選択に、心から敬意を表する。/選挙結果に明白に現れた民意は、まさに「弾劾無効と腐敗政治の清算」だった。弾劾に反対したウリ党が三倍の議席を獲得したのに対して、弾劾を主導したハンナラ党と民主党の指導部は総退場を余儀なくされた。のみならず、善戦したとされるハンナラ党を含めて、全体として初当選の議員が三分の二を占め、女性の大幅な進出と世代交代が実現した。/これは朴正煕の軍事クーデターから生まれた民主共和党以来、連綿と韓国政治を支配してきた親米守旧勢力から改革志向的な政治勢力へと、政治の中心軸が移動したことを意味する。同時に、所属政党だけでは評価できない政治家の入れ替えが行われた事実を見逃してはならないだろう。/さらには「停滞のない改革と進歩」である。民主労働党の大躍進は、これを要求する国民の声が議場で確固とした位置を占める時代が到来したことを意味する。国民の基本的人権を、分断を理由に国家保安法で残酷に弾圧してきた時代は、終りを告げようとしている。民主労働党は「進歩野党」として、民生安定と改革のけん引による民主主義の前進、南北協力と平和統一、自主外交と平和のために大きな役割を果たすだろう。〔…〕】。関連:「民主主義を守り腐敗政治を清算しよう 第十七代国会議員選挙に対する韓統連の見解」04.03.27。

  • 4月16日 HotWired連載中の飯田哲也「エネルギー・デモクラシー」の第4回「送電線は誰のものか」04.04.13付。