読書録 2002年7月後半(敬称略)

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  • 7月31日 『琉球新報』07.30付に「阿波根昌鴻さんを追悼/参列者700人反戦平和誓う」、【1950年代の米軍による伊江島の土地接収に反対し、反戦平和と生命の尊さを訴え続け、今年3月に死去した阿波根昌鴻さんを偲(しの)ぶ会が29日午後、那覇市民会館で行われた。反基地運動を通して親交のあった約700人が出席し、基地のない平和な沖縄の実現に向け、決意を新たにした。/偲ぶ会実行委員長の山内徳信さんは「米軍に非暴力で抵抗した阿波根さんの闘いは、豊かな人間性と先見性に裏付けられたものだ。阿波根さんの遺志を受け継ぎ、発展させることを決意したい」と呼び掛けた。〔…〕/「花は土に咲く」という阿波根さんの理念に従い、献花の代わりにメッセージを献呈した。参列者は「平和を実現する勇気をもらった」「真の平和を求め、行動する」などの思いをつづったメッセージを遺影にささげていた。〔…〕】。『沖縄タイムス』07.30付に「「平和の種」受け継ぎ咲かそう/阿波根さん偲び思い新た」、【〔…〕同実行委の山内徳信会長は「『戦争屋が喜ぶから死ねない』と死の間際まで平和への執念は衰えなかった。遺志を受け継いでいかなければならない」とあいさつ。/伊江島で平和活動した松浦真理子さんは「何かに迷ったとき、阿波根さんを思い出すと、自然と歩むべき道が分かる」。涙ながらに思い出を語ると、静まりかえった会場のあちこちでもらい泣きする人も。/「わびあいの里」の謝花悦子さんは「阿波根は平和の種を全国にまいた。私たちはそれを発芽させ、花を咲かせなければならない」と締めくくった。/参加者は、献花の代わりにそれぞれが紙に書いたメッセージを霊前にささげた。糸満市に住む舟瀬道信さん(66)は「阿波根さんの一つ一つが重い言葉。現在を導き、現実を変える力を持っている」と話していた。】。関連読書録03.22付

  • 7月30日 ▼総務省統計局統計センターのサイトに「労働力調査(速報)平成14年6月結果の概要」(07.30公表)、【完全失業者数は368万人。前年同月に比べ30万人の増加。15か月連続の増加】【完全失業率(季節調整値)は5.4%と,前月と同率】。▼『毎日新聞』02.07.25付に「ザ・スクープ:番組の継続を要望する声明 メディア研究者ら」、【9月で終了するテレビ朝日の報道番組「ザ・スクープ」をめぐり、メディア研究者らで作る「メディア総合研究所」は25日、番組の継続を要望する声明を発表した。声明は、桶川女子大生殺人事件の調査報道で、警察の捜査怠慢やマスコミの人権侵害を指摘したことなどを高く評価。「番組が消えるのは、放送ジャーナリズムの衰退を象徴する」と訴えている。/一方、テレビ朝日の広瀬道貞社長は24日、「毎週の放送を継続することはできないが、こうした声が上がるのはありがたい。今後は年に数回、全国ネットで『ザ・スクープ』のスペシャル版を放送する」と語った。】。関連ザ・スクープのサイトに原一郎「番組からの急告」、ほぼ日刊イトイ新聞のサイトに「「掘り起こしジャーナリズムの火を消さないで」テレビ朝日報道番組「ザ・スクープ」存続を求める会(仮称)設立について」〔02.07.15 発起人世話人 弁護士・藤田謹也〕、メディア総合研究所のサイトに「テレビ朝日の『ザ・スクープ』継続を要望する声明」〔02.07.25 賛同人(五〇音順):梓澤和幸、飯田正剛、壱岐一郎、石川明、石川旺、伊藤洋子、岩崎貞明、太田喜晟、音好宏、香取淳子、上滝徹也、小玉美意子、志賀信夫、鈴木みどり、須藤春夫、関千枝子、田島泰彦、谷口源太郎、茶本繁正、服部孝章、原寿雄、黄盛彬、藤久ミネ、前澤猛、松田浩、丸山重威〕。〔08.01追記:野田敬生「鳥越氏はテレ朝裏取引をスクープせよ!」《ESPIO!》02.07.31付〕。08.27追記「テレ朝、「ザ・スクープ」年4〜5回の特別番組へ切替」08.26 asahi.com。08.31追記:川上和久「消える「ザ・スクープ」(テレビ朝日)/守れるか、調査報道の灯」08.27聖教新聞学芸部メディアのページ:メディア月評〕。

  • 7月29日 ▼『東京新聞』02.07.29付(特報)に「ホームレス法案また棚上げへ」。〔08.02追記「ホームレス支援法成立 就労・住居確保は行政の「責務」」07.31 asahi.com〕。▼足立正生・平岡正明「「反世界」の大道芸」〔『現代思想』2002年8月号掲載〕。【平岡 夜中の一二時過ぎ、コンビニの前でうんこ座りをして、絶望的じゃないけど、寂しそうな顔をして、カップヌードルをすすっている若い連中を組織する方法がいまひとつ分からない。〔……〕/足立 ヨーロッパは受け皿が二つあるんだよ。一つは〔…〕ネオナチがあるんだよ。だからオウムとか何とかにならないでいいんだ。〔…〕もう一つは、これは決定的に違うんだけど、ヨーロッパ近代および現代は個人主義の最も発達したところだから、一番強いのは労組と生協なんだよ。〔…〕労働組合、生協という受け皿があるから、本当に食おうと思ったら食えるんだよ。〔…〕じゃあ、日本はどうなんだ。あなたが言ってるように、若者たちがうんこ座りをする。そうさせたら負けなんだよな。結局、させたところで負けてるんだ。〔…〕コンビニの前、新宿のど真ん中でもちょっと薄暗いところにいくと、みなで坐ってるんだよ。コンビニの明るい前も好きだけど、薄暗いところがやっぱり好きなんだよ、みんな。そう考えるが、「反世界」の側から何も出さない方が間違っていると俺は思い続けることにしている。/平岡 あのね、思い出してくれ、映画『新宿マッド』の時に論争があった。足立、若松の映画というのは、若いものはただそのエネルギーが存在するというだけで勝利していたが、不満が存在し、欲望が存在する、ゆえに戦闘的である。これが若松プロ的映画だ。〔…〕足立ちゃんや松田さんや俺が提起した若い連中の原理というものが放り出されたままだ。夜も深まらない、闇も深まらない、「反世界」も深まらない。かれらはただぼんやり時間を薄めているだけなのか。〔…〕大道芸で何が出来るかって言うとな、商品交換の生々しさが出来るんだよ。本来芸を介在させることによって、売り買いというのは値切ったりすることは可能でしょう。そてはあなたが先程いった、ジプシーが持ってくる物、大きな事を言えば、堅気社会と遊侠社会の付き合い方としての部分。情報と銭だな。】。

  • 7月28日 小俣和一郎『近代精神医学の成立 「鎖解放」からナチズムへ』2002年5月、人文書院。『精神病院の起源・近代篇』(太田出版)につづいて、【単線的な進歩史観】と【偉人伝的な記述】という【旧来からの精神医学の歴史はもう一度読み直され、記述し直されるべき】との立場で【十八世紀末から二十世紀前半までの、約一五〇年間にわたる精神医学の流れを、「近代精神医学の成立と展開」として再検討する目的で書】いたという小俣は、【近代精神医学成立の十八世紀末期から十九世紀の初頭にかけて、いかにして精神疾患の概念形成が可能となったのか】【なにゆえ精神病院において精神医学が発生したのか】【精神疾患一般がいかなる状況のもとで抽出され分類され体系化されてきたのか】【近代精神医学が内包する精神疾患の基礎的知識が、現代のわれわれにとってどのような意味をもつのか】という問いかけから「患者の鎖からの解放」を検討し、フーコーを批判的に再検討している。【〔…〕近代精神医学の依拠してきた多くの立論や見解が、はたして現代の精神医学によって完全に超克されたといえるのか。――/これまでに書かれた精神医学史を通読すれば分かるように、精神医学史家の圧倒的多数が、この最後の問いに対して、楽観的に肯定していることは実に驚くべきことのように思われる。〔……〕/しかしながら、その一方で向精神薬は本当に病気そのものを治していると言えるのか、つまり薬物は単に症状のみを緩和する〔…〕に過ぎないのではないか、〔…〕などの基本的な議論を、歴史家は決して取り上げようとはしない。また、デイ・ケアやナイト・ホスピタルが充実してゆく一方で、相変わらず違法な拘禁処置を行なっている精神病院が堂々と存在していることも取り上げてはいない。「危険な患者を鎖で拘束する」という前近代的思想は本当に過去のものになったと言えるのだろうか。あるいは、向精神薬の登場によって精神病者は簡単に救われると言いきれるのか。/さらに、近代精神医学に内蔵された基本的見解、例えば変質学説(→優性思想)、脳病論(およびそれに続く極端な器質論と身体主義)、単一精神病論、疾患単位説と症状群説、心因論、精神分析に代表される無意識理論など、――それらは今日、本当にすべてが単なる過去の見解として葬り去られてしまったと言ってよいのか。現代社会の複雑化とともに「○○症候群」などとして、一見多くの「新しい病態」が発見されているかのように見えて、実はそれらも過去においてすでに言及されていた病態のひとつであることはないのか。/もし、「歴史に対して謙虚である」ことが正当であるとするなら、現在のわれわれは、こうした問題群に対して、もう一度原点へと立ち戻りながら考えてゆくべきではないだろうか。〔…〕】。

  • 7月27日 ▼『福島民報』02.07.24−07.26付に「特集 住基ネット不参加 矢祭発の波紋」(全3回)。▼「多文化たんけん隊」が今年も始まる。【多様な人々と出会い、共に生きていける社会をめざし】2000年夏に始まった「多文化たんけん隊」も今年で3年目。8月10日から9月1日までの今年の全体のプログラムも発表された。▼「2002年7月24日 衆議院有事法制特別委員会での福田康夫官房長官の示した政府見解(全文)」〔aml 29100〕。

  • 7月26日 終末劇場のサイト(U-MAIL)に桜井順「タンソキンはどこ行った?」(07.24)。▼ビル・トッテン「デフレをあおる小泉改革」(07.24 Our World)。【小泉内閣の経済政策はデフレを解消するどころか悪化させている。デフレを解決するには、過去二十年間の政府の政策を撤回するしかない。/デフレの原因は製品の過剰供給か、需要の不足にある。人々が必要な量だけを生産するのであれば過剰供給にはならないが、利益追求が目的であればどうしても過剰に生産する。日本が「過剰」状態になったのは、私の知る限り現代が最初である。】とするトッテンは【過剰生産をやめる簡単な方法は法人税と個人所得税の増税により、利益を狙う気持ちをそぐしかない。しかし、政府はまったくその逆の大幅減税を行ってきた。/三十年前、日本の税収のうち所得税収と法人税収はほぼ同額だった。今、法人税収は所得税収の三分の二に減った。また所得税率も累進性が弱まり、特に高額所得者が優遇された。一九八四年、最高税率70%で税率は十五段階に分かれていた所得税は、九九年には四段階、最高税率37%に引き下げられた。〔……〕デフレのもう一つの解決策は消費を増やすことである。〔……〕しかし、これについても政府はまったく逆のことを行おうとしている。消費税の導入および増税により消費を減退させたことを忘れたのか、5%からさらに増税しようとしている。/平成に導入された消費税によって、低所得者層は大幅な増税となった。日本の全世帯数の約11%が年間収入三百万円以下であり、その消費支出は収入のほぼ九割以上である。/そのうち収入を上回る消費をしている3%の世帯では、預金を崩したり、借金をして生活をしている。日本国民の24%に当たる年収四百万円以下の世帯でみても、年収の四分の三以上が消費に充てられている。/もし消費税をここで再び増税すれば、こうした低所得者層に特に重い負担となる。なぜならこの層は収入に占める消費支出の割合が一番高いからだ。さらに過去の減税で受けた恩恵も一番低かった。/課税所得四百万円以下の所得税プラス消費税の減税幅は20%未満だが、千五百万円以上の世帯の減税率は一・五倍の30%以上である。所得に消費の占める割合が少ない少数の世帯を最も優遇し、また所得のほとんどを消費している低所得世帯の減税幅を低くするのは、まさに消費を冷え込ませ、預金を奨励する政策だった。】と指摘し、【デフレを解消するためには、従って、政府がこれまでとってきた政策の逆を行うしかないのである。】と結論づけている。

  • 7月25日 「「兵器ロビー」20年ぶりに復活する米軍産複合体」〔07.22ブッシュの対イラク攻撃準備と国際情勢〕。▼清水美和『中国農民の反乱 昇竜のアキレス腱』2002年7月、講談社。【湖南省の省都・長沙から三十数キロにある寧郷県道林鎮。〔……〕一九九九年一月八日。鎮の政府庁舎に「負担軽減、腐敗追放」を要求する約五〇〇〇の農民が押しかけた。近隣の町からも動員された警官隊約一〇〇〇人が阻止線を張り政府庁舎を守っていたが、夕刻になって催涙弾を発射し、こん棒を振りかざして群衆の排除にかかった。このさい、催涙弾の直撃をうけた男性が死亡し、多数の負傷者が出た。/事件は偶発的なものではなかった。楊躍進(逃亡中)ら農民のリーダーたちが組織した行動だった。人口約五万の道林鎮は農民一人当たりの純収入が年二〇〇〇元(約三万二〇〇〇円)前後という、この地では豊かでも貧しくもない一般的な村。しかし、鎮の幹部たちは国の定めた農業税のほかに、独自に十数種類の税金・手数料を課した。〔……〕重い負担に加え、鎮の腐敗幹部が一九九六年、「一〇〇〇万元近い血税」(農民)を使い込んだことが明るみに出て村人たちは不満を募らせた。このとき、彼らの前にあらわれたのが軍を除隊し地元で教師をしていた楊だった。楊は生徒の親を「家長管理会」に組織し、不当な負担要求を監視した。/鎮が管理する学校経費に不審点があると、この会のメンバーを動員して学校の帳簿を改めさせた。各集落に一、二名の「負担軽減監督員」を置き、不合理な負担は報告させ、会の力ではね返した。/「中央の政策は一条一条すべてよい。汚職官吏一掃こそが神通力の源。人民が村の主人になれば悪税などだれも払うことはない」楊は歌をつくって村人を教育し、人々は「小諸葛亮(孔明)」〔…〕と呼び慕った。「楊の仲間からはだれも食事代や車代さえ取ろうとはしなかった」と村人はいう。/それでも幹部の汚職はやまず、楊たちは腐敗幹部の罷免を要求して公安当局との衝突に発展した「負担軽減、汚職反対大会」を組織する。農民たちの抗議行動が実力で鎮圧された後、解放軍の指揮下にある武装警察(治安部隊)がしばらく村に駐留し農民の反抗に目を光らせたという。いまも村人の間では楊は英雄とされ、表向きは平静を取り戻した道林鎮でも捜査に協力する者はいない。】。

  • 7月24日 加藤敏『創造性の精神分析 ルソー・ヘルダーリン・ハイデガー』2002年5月、新曜社。【狂気の次元を思想のうちにどの程度取り入れているのかということが、哲学思想を位置づける一つの指標、ひいては試金石になる】という観点からルソー、ヘルダーリン、ハイデガーの思想形成を検討し【狂気内包性思想において、それぞれ臣下にあっては主人への反復的回帰という形で、主人にあっては自分がこうむる尖端的出来事への反復的回帰という形でそれぞれ思想的営為がなされる】とする加藤は、【エレンベルガーは、植民地となった民族が、自分の民族の同一性危機に陥った時、預言者のような人が現われて、幻視や幻聴を体験し、宗教的な啓示が与えられて、民族の再生を目指す運動が出現することに注目し、これを「神話解放運動」〔…〕と名づけた。近代社会との出会いで疎外を体験し、その克服としてあるべき社会、教育を説いたルソーも、その説いたところがきわめてユートピア的で妄想的な骨組みをもっている点からして、妄想的な神話解放運動とみることも可能である。〔……〕ルソーの神話解放運動は、本邦における近代社会との出会いのなかで出現した一連の新興宗教、とりわけ出口ナオの大本(教)と一脈通じるところがある。出口ナオは貧困生活にあえぐなか、一八九二(明治二五)年神懸りとなる。それはちょうど、明治政府による近代化、ムラ共同体の崩壊が進行しつつある時期にあたる。〔……〕それは原郷回復の試みであり、他者と共有された神話解放運動であった。他者と共有される点がルソーと大きく違う点である。〔……〕わが国では、少なくとも同時代、ないし後世の人々にとり決定的な影響を及ぼす哲学的思想についていえば、西欧近代文明との出会いのなかでルソーのような著しい狂気内包性の思想は現われていない。わが国ではこれに対応するのは新宗教の出現であることを指摘しておきたい。】と書いている。

  • 7月23日 読書録07.22付でとりあげた野宿者問題の追補。必要な情報と資料については「のじれん」「野宿者・人権資料センター」のサイトのほか次のものがある。立岩真也「arsvi.com」サイト内の「生活保護」ページに、生活保護法(全文)他の資料と共に「生活保護を制限8割、不正防止へ厳しく適用 都と79市を読売新聞社が調査 「働く能力ある」「家がない」を理由に」2000.12.05付、「増え続けるホームレス 「最後の安全網」に穴 雇用も福祉も救済切り捨て」2000.12.05付、「「生活保護」制限でホームレス急増 違法運用の例も 安全ネット整備を」2001.01.06付などの読売新聞記事(原昌平)再録あり。毎日新聞では最近2年間で74件の記事(07.22検索)。厚生労働省による概数調査結果は「全国のホームレスの状況について(概数調査結果)」(2001.12.05発表)および「全国のホームレスの状況について(概数調査結果)」(1999.12.17発表)。東京都福祉局「「東京のホームレス」(白書)の発行について −自立への新たなシステムの構築に向けて−」(2001.03.09)。

  • 7月22日 「ホームレス法案、可決 衆院厚生労働委」〔2002.07.18産経〕。「ホームレス法案:自立支援に「行政の責務」 衆院厚労委で可決」〔2002.07.17毎日〕、【増え続ける路上生活者に対応する「ホームレス自立支援法案」が17日、衆院厚生労働委員会で可決された。法案は議員提案で、今国会で成立の見通し。ホームレス問題では初の法整備で、自立支援や発生防止のための施策を「国や地方自治体の責務」と明記し、雇用対策や住居確保などが柱となっている。/法案は「行政の責務」を明示したほか「緊急対策」の必要性を盛り込んだことが特徴。(1)雇用対策や居住地の確保(2)健康・医療対策や生活支援(3)新たなホームレスの発生防止――などの具体化を促し、策定時には地域住民や自立支援の民間団体の意見を聞くように求めている。同時に、ホームレス自身も「施策を活用し、自立に努める」としている。/一方で、公園などの公共用地が「ホームレスの起居の場として適正な利用が妨げられた時」には「自立支援施策との連携」を図ったうえで「法令の規定に基づき必要措置を取る」とした。これについては人権擁護グループなどから「強制排除につながりかねない」との懸念も出ている。/法の有効期限は10年で、施行後5年目に見直しを行う。】。【関連】辻暉夫「連載:部落解放運動は今 社会的排除と闘う」〔2001.09.30ヒューマンライツ162号〕 / 「「ホームレスの自立の支援策等に関する臨時措置法案」の早期成立を求めて 10・5 国会要請中央行動」〔2001.11.30 NPO釜ヶ崎会報8号〕 / 「野宿生活者支援法の早期実現を目指して」〔2002.3.31 NPO釜ヶ崎会報10号〕 / NPO釜ヶ崎支援機構他「「野宿生活者自立支援法」早期制定を求める 請願署名に協力を!」 / 笠井和明「ホームレス自立支援立法に関する新宿連絡会の見解集」〔2001.06−2002.03連絡会NEWS他〕 / 釜ヶ崎反失業連絡会「野宿生活者支援法を実現させよう!」 「「自立支援法」反対論について」 / 稲垣浩「治安維持のためのホームレス自立支援法粉砕!」〔2002.05.05人民新聞〕 / 全国地域寄せ場懇談会事務局「「ホームレス自立支援法に関する要望書」賛同呼びかけ 2002.05」〔aml 27870〕 / 新宿連絡会「ホームレス自立支援法衆議院通過!傍聴行動もたたかう!」(含法案全文) / 深山和彦「野宿者自立支援法案をめぐる論争について 支援法と野宿労働者運動」02.07.13。02.10補記:「私たちは何故反対するのか 「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法案」とその問題点」渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合(文責・黒岩大助)。02.12補記:川田悦子「「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法案」は人権侵害の法案 野宿生活者の排除につながる「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法案」には賛成できない 2002年7月17日厚生労働委員会で一人反対」02.07.17。03.02補記:釜ヶ崎パトロールの会・高齢者特別就労組合準備会・長居公園仲間の会「「ホームレス特措法」についての立場表明」02.09.01〔釜ヶ崎パトロールの会〕 / K.Nakagiri「長居「シェルター対策」と「ホームレス特別措置法」についての意見」02.09.02〔長居公園仲間の会〕 / 「野宿者として生きていく中で見えてきたもの−山内勇志さんに聞く」02.01.21〔2002.03新自由主義・国家主義と対決する学生・青年ネットワーク〕。

  • 7月21日 承前、マイク・デイヴィス『要塞都市LA』。【セキュリティを重視することによって起きる都市の飛び地化の論理のもっとも普及した表現は、ロサンゼルスの富裕層による、自分たちの家屋の価値とライフスタイルを遮断するという熱のこもった努力に現れている。〔…〕ぐるりと取り囲む塀、警備員が常駐する制限された入口、警察と民間警備員の両方によるサービス、さらには私設車道すら備わっている「城塞町」として結実する。〔……〕一方、超がつく金持ちたちはハイテク城砦を求めている。ビヴァリーヒルズやベルエアの家屋所有者の場合のように、門や塀だけでは不充分なところでは、時として不必要なぐらい精巧なセキュリティ機能が組み込まれるように家屋自体が設計し直される。〔…〕現代のロサンゼルスの住宅のセキュリティは――要塞化された豪邸であれ平均的な郊外の隠れ家であれ――民間のセキュリティ・サービスの広範な展開にかかっている。パリセードからシルヴァー・レイクにいたる、ほぼ全ての富裕層の住む地区では、地元の家主たちの組合を通じて、自己負担で警備サービスを契約している。かくして「武装警備員応対中」という警告が何千もの芝生に並ぶのだ。〔……〕この都市のセキュリティに関する包括的な臨戦体制は、警察機能と建築環境の一体化に依拠しているばかりか、公共部門と民間部門の治安維持サービスの社会的分業化の進展にも依っている。〔…〕テクノロジーはこの偏執狂的団結精神が育まれる一助となったし、治安維持の新しい認識論を実質的に確立したのだった。〔…〕「アストロ」計画の一部として、市警察のヘリコプターは「犯罪多発地域」の上空を一日平均十九時間見張り、パトロールカーとの緊密な連携体制を敷き、その数はベルファストを監視するイギリス空軍にもまさるようになった。地上と空の協力を容易にするために、何千という住宅の屋根には、大きく見分けがすぐつくような番地の数字が描かれており、空からの市の景観は巨大な警察の方眼地図と姿を変えた。】。

  • 7月20日 マイク・デイヴィス、村山敏勝・日比野啓訳『要塞都市LA』2001年4月、青土社。【我々が住んでいるのは、豊かな社会の「堅固に固められた小単位」と、犯罪者にさせられた貧困層と警察が戦う「恐怖の場所」とに無残にも二分された「要塞都市」である〔……〕建築環境が差別を生むということを建築評論家はいつも忘れているが、最下層の集団――それが貧しいラティーノの家族であれ、若い黒人男性であれ、年老いた白人女性のホームレスであれ――その意味をすぐに読みとるのだ。】と指摘するディヴィスはロサンゼルスの【サディズム的な街並み】を次のように描写する。【〔…〕市は、警察による嫌がらせとデザイン性の高い障害物を増やすことでいっそう彼らを窮地に追い込んでいる。〔…〕もっとも意地の悪いものの一つは、ラピッド・トランジット地区に設けられた、樽の形をした新しいバス停留所のベンチだろう。それは座り心地の悪い最小限の面を提供してそこで眠り込むのを不可能にする。こうした「浮浪者よけ」ベンチはスキッド・ロウ周辺に広範に導入されているところである。〔…〕もう一つ別の発明に戸外スプリンクラーの積極的配備がある。〔…〕公園で夜を過ごすことができないように――結局つまり、主としてドラッグの取引と売春行為のために公園が昼間利用されるように――、市が設置したのは、手の込んだ頭上のスプリンクラーシステムで、それは夜の間、安心して眠りこけている人間を任意の間隔でびしょぬれにするようプログラムされていた。〔……〕一方、ダウンタウンのレストランとマーケットは凝った飾りを施した囲いを作ってホームレスがゴミを漁らないようにした。数年前フェニックスで提案されたような、青酸化合物をゴミに混ぜておくことをロサンゼルスで提案したものはいないが、ある人気のあるシーフードレストランは一万二千ドルを費やして究極の浮浪者よけゴミ用檻を作った。合金でできた鍵と、悪辣にも外向きに曲げられた鉤が何個もついた二センチ弱の鉄棒が、腐りかけた魚の頭と冷えたフレンチフライを保護するようになっているのだ。/しかしながら、公衆トイレこそが市のホームレスとの戦争における真の前線なのである。意図的な政策として、ロサンゼルスは北アメリカのどの都市よりも公衆トイレが少ない。〔…〕ダウンタウンの無人地帯はまた、戸外の飲み水や、顔や体を洗う水の供給にも事欠くことになっている。最近よく見かける心痛む光景は、ホームレスの男性たち――たいていはエルサルバドルからの若い難民――がダウンタウンの東端沿いのロサンゼルス川のコンクリート張りの水路を流れる下水の汚水で体を洗ったり、それを飲んだりすらしているというものだ。】。

  • 7月19日 ▼訃報:佐原真(7月10日)享年70、合掌! →「佐原 真氏死去/考古学者 国立歴史民俗博物館前館長」〔02.07.10京都:共同〕。森岡正博「佐原真さんの想い出」〔02.07.11生命学ホームページ〕。「佐原 真さん死去」〔02.07.11 asahi.com:MYTOWN:奈良〕。「旧石器発掘ねつ造:ねつ造の背景は 識者座談会」〔00.11.14毎日〕では【日本にも外国考古学をやっている人がいます。しかし、それ以外の日本の考古学はほとんど近接するアジアのことしか視野にいれてきませんでした。日本人でヨーロッパの旧石器研究を実地にやってきた竹岡さんのような人は、貴重な存在です。そういう人の意見を入れ、一緒にやってきていれば今回のようなことは起きなかったのでしょうね。これからは、人類史の事例研究として、日本をやっているという意識が大切ですね。そのへんが外国からも今、批判されている一因だと思います。今、そのことを改めて学んだ思いです。】と発言。渡部裕明「【評伝】佐原真氏 吉野ケ里遺跡を守った男 ファン広げた「考古学の広告塔」」〔02.07.10産経〕。▼「週刊ドットブック:第10回 強い意志がなかったら、何だって無に帰す。偉い人が意志があるとは限らない」〔07.19 ZDNet Mac〕。

  • 7月18日 ▼近刊!7月31日出来!エディカラー解説書プロジェクト編、住友金属システムソリューションズ監修『エディカラーでいこう! 簡単に効率よく高品質のDTP』印刷出版研究所、B5変形CD付2850円。▼「ある誕生――ジェニンにて」〔02.07.15「黒 La nigreco」News〕。広河隆一「消える村の記録」(02.07.06)。

  • 7月17日 「言語の起源:ニホンザル 道具使用で新たな鳴き声」07.17毎日。▼明石散人「連載・アカシックファイル―未来の記憶―(29) 世襲の名を借りたマネーロンダリング」〔講談社刊『IN☆POCKET』2002年7月号掲載〕が前回(読書録06.23付参照)につづいて鈴木宗男氏疑惑にふれ、【〔…〕議員辞職勧告決議案には所詮法的拘束力がない。〔…〕一方、逮捕許諾請求の方は法的拘束力があるから、反対するならここで反対しなければ何の意味もなさない。つまり、この二つの議案は鈴木宗男氏の逮捕を巡るという案件では共通しているが、性格はまるで違う。俺に言わせれば逮捕許諾請求は賛成し、議員辞職勧告決議案に反対するのは、単に大向こうの受けを狙ったパフォーマンスみたいなもので全く評価できない。何故なら、河野氏らの反対表明は『国会の議決で議員の身分を奪うことは憲法上の疑義がある』、このことを言っているのに過ぎず、むしろ鈴木宗男氏に対する検察側の逮捕許諾請求には一点の異議もないと同義だ。】と本会議での議員辞職勧告決議案採決時の河野太郎氏らの退席を批判し、【世襲政治家は既成の権益を守ることに徹すれば良いから楽なもんだ。それに引き換え、新興勢力は必死になって金を集めなければ彼らと対抗できない。自然、汚い金にも手を出すし、汚くないまでもしゃかりきにならざるを得ない。故田中角栄しかり、鈴木宗男氏もそうだ。ところが、この二人のように潜在的に政治資質のある人間が金を集めだすと、既成の世襲権益集団とそこに張り付く商業ジャーナリズムは自分達の利権構造が脅かされると恐怖を抱き、必ず潰しに掛る。この潰しは実に陰湿で、しかも周到な筋書きによって行われるから新興勢力は助かりようがない〔……〕鈴木宗男氏が逮捕され加藤紘一氏は無罪放免、このことからも世襲権益集団と商業ジャーナリズムが手を組むと物凄い力】と指摘している。▼帝国データバンクのサイト(倒産速報&集計)に「全国企業倒産集計2002年6月報」「全国企業倒産集計2002年上半期報」、【倒産9872件、上半期としては戦後3番目の高水準/負債、上半期としては戦後2番目となる7兆4439億9100万円】。

  • 7月16日 ▼全国精労協のサイト(精神医療ニュース)に「7・18国会デモのご案内/・保安処分新設を許さない/・すべての精神障害者差別立法を許さない/・予防拘禁法案を廃案へ」。【日時:7・18(木)18時から集会19時から国会デモ(国会デモからの参加も歓迎します)、場所:星陵会館(千代田区永田町2−16−2でんわ03-3581-5650、地下鉄永田町駅6番出口・国会議事堂駅5番出口下車徒歩5分日比谷高校裏)、主催:予防拘禁法を廃案へ! 6.23集会実行委員会、連絡先:陽和病院労働組合03-3924-6646・救援連絡センター03-3924-6646、呼びかけ人:足立昌勝(関東学院教授)、市野川容孝(社会学者)、大賀達雄(目黒精神保健を考える会)、岡田靖雄(精神科医)、高山俊吉(弁護士)、多田道夫(「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議)、内藤隆(弁護士)、中島直(全国精神医療従事者連絡会議事務局)、針生一郎(評論家)、森泰一郎(全障連関東ブロック)、龍眼(陽和病院患者協会会員)】。▼中小企業庁「第88回中小企業景況調査(2002年14年4-6月期)速報」(02.07.12)。