読書録 2002年6月後半(敬称略)

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  • 6月30日 『技術と人間』2002年6月号が“有事法制を阻止せよ!”を特集。「米日共同の戦争シナリオ」西沢優、「立憲主義否定のクーデター―改憲策動と有事立法―」内田雅敏、「大型化する海上自衛隊の艦艇」和田喜太郎、「作戦計画が作戦命令になる日―周辺事態と有事法制―」松尾高志、「海外侵攻部隊の拠点―呉基地」湯浅一郎、「国民生活に関わる有事法制がねらうもの―民間防衛とは何か―」池田五律、「〈有事法制三法案〉戦争国家完成への道」井上澄夫。【九一年四月二十六日の、掃海艦隊のペルシャ湾派兵】を契機とした自衛隊の海外派兵の歩みと呉基地の総合化の経緯を仔細にたどるピースリンク広島・呉・岩国の湯浅は【〔…〕「テロ特措法」の成立と共に、補給艦を中心にすえた艦隊がインド洋に派兵されてきた。呉からはカンボジアPKOに行った補給艦「とわだ」が、十一月二十五日から米英軍に燃料を供給し、四月二十五日、帰還した。当初、三月末には帰還の予定であったが、アメリカが一向に戦闘を止めないことを口実として派兵はなし崩し的に延長されてきている。/更に三月九日には、戦車揚陸艦「おおすみ」が東ティモールPKO〔…〕へ派兵され四月二十七日、帰還した。〔……〕この日から、呉は同時に二つの海外作戦を担う街となった。】として、【今や、自衛隊が海外にいることは「普通のこと」になっている。そして多くの市民は、日本が戦時下にあることを自覚しないまま、日常が続いている。このこと自体に日本の病んだ姿が見えている。このような海外派兵が普通のこととなる状況自身が、有事立法を必要とする土壌となっている。〔……〕新ガイドラインの後半部分である有事法制への動きが強まっている今、それに並行して進んできた自衛隊の質的転換を見過ごすことはできない。】と指摘している。

  • 6月29日 ▼総務省統計局統計センターのサイトに「労働力調査(速報)平成14年5月結果の概要」(02.06.28公表)、【完全失業者数は375万人。前年同月に比べ27万人の増加。14か月連続の増加】【完全失業率(季節調整値)は5.4%と,前月に比べ0.2ポイントの上昇】。関連:「県内失業率、5月は8・8%」02.06.28琉球新報。▼水田ふう「「人間の盾」の意味」(02.06.27「黒 La Nigreco」)。▼『沖縄タイムス』02.06.02付に中村哲「アフガン復興の虚像/支援組織増え物価が高騰/悲惨さ増す貧困層の生活」。【〔……〕虚構の演出/押し寄せた諸外国団体が相場の四-五倍の給与で人材確保に走り、地元の資金バランスを崩し、私たちのスタッフの中にも動揺が生じている。おまけに数年を経ずして彼らが撤退してゆくのは目に見えている。/これでは素直に「アフガン復興」を喜べるものではない。タリバン時代よりも治安は乱れ、貧しい人々の生活はいっそう悪化しているからだ。/いわゆる「難民帰還プログラム」で戻った多くのアフガン人は、干ばつで砂漠化した故郷へ帰れず、カブールの貧民街にとどまっている。世界が多くのメディアを通して見た「圧制からの解放」は、虚構に満ちた演出としか思えない。/山村部にある私たちの三診療所の活動は、休みなく続いていた。アフガン人の九割以上が農民であり、誇り高いアフガン気質は農村に生きている。そんな中で、医療活動とともに井戸掘りなど、水源確保による農村復興こそかなめだという方針で、さらに作業地を拡大、飲料水とかんがい用水の確保に尽くしている。/頑固な無関心さ/もの言わぬ民の声は世界に届きにくい。/住民と共に汗を流してきた私たちに見える光景は、一般的な「アフガン像」とはずいぶん異なる。大地に張りついて生きる者には、空爆も、政権交代も、自由とデモクラシーも遠いかなたに感じられる。/「アフガン解放? 復興支援? 冗談だろう。アングレーズ(英米)になびくものか。わしらの生活は少しも変わっちゃいない」と言う農民の頑固な無関心さには、確固たる一つの意思表示がある。彼らの生活を武力で破壊したよそ者が、それと同じ論理で「復興」を掲げ、装い新たに登場したというだけだ。/一連の「アフガニスタン」を振り返るとき、人為の世界の終末と同時に、自然と一体に生きる者の頑固さに希望を見る気がしてならない。】。全文必読! 関連:ペシャワール会

  • 6月28日 人権・報道・インターネットのサイト(情況に対して発言する)に山下幸夫「警察権力が「民事」に介入する権限拡大の動きについて考える」(02.06.26)。【東京都議会では、本年6月に開かれていた第2回定例会において、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(以下「東京都迷惑防止条例」という)の改正条例案が提案され、東京都迷惑防止条例に、第5条の2として「つきまとい行為等の禁止」を新設し、その違反行為に対して、6月以上の懲役又は50万円以下の罰金を規定し、その常習者に対して1年以下の懲役又は100万円以下の罰金を規定しようしていた。/この条例改正案は、第147回通常国会において2000年5月に既に成立している「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(以下「ストーカー規制法」という)と比較しても、その規制対象を著しく拡大しようとするとともに、重罰化しようとしている。/すなわち、ストーカー規制法は、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で行われるつきまとい行為に限定していたが、東京都迷惑防止条例の改正案では、「ねたみ、うらみその他悪意の感情を充足する目的」を基本にしつつ、その感情が起因する場面を、(1)職場、学校、地域社会等における関係、(2)売買、雇用、貸借等の契約関係、(3)交通事故等の不法行為関係の3つと規定している。/しかしながら、この(1)から(3)を見れば、市民同士が相互に関わるあらゆる場面が規定されている。〔……〕「職場における関係」には、労働組合が労使対立の中で行う正当な組合活動が含まれるおそれがあるし、「地域社会における関係」には、高層マンションの建築反対運動や公害企業に対する抗議行動などの市民としての正当な表現活動が含まれる危険性がある。〔……〕東京迷惑防止条例のつきまとい行為等の禁止規定案は、ストーカー規制法と比較しても、その対象が極めて広範であるとともに、極めて不明確な規定であり、警察権力による濫用のおそれが極めて強い条例改正案であった。/そのため、労働者や市民からの強い反対の声があがり、東京都議会の自民、公明、民主の三会派が、本年6月21日に開かれた警察・消防委員会で、このつきまとい行為等の禁止規定を削除する修正案を共同で提出し、全会一致で可決したため、当面、この規定の追加は見送られることとなった。/ただ、今回の東京都迷惑防止条例の改正問題の中で垣間見えたのは、今、警察連力は、これまで「民事不介入の原則」を掲げて市民間の民事問題には介入しないこととした建前を自ら放棄して、民事問題に積極的に介入する権限(利権)を拡大しようとする意図を明確に持っているという点である。/すなわち、前述した(1)から(3)のうち、(2)の契約関係と(3)の不法行為関係については、いずれも純然たる民事事件であって、本来、警察が介入すべき場面ではないにもかかわらず、これらの問題に起因するつきまとい行為については警察が介入することを正当化しようとしていたのである。〔……〕警察権力は、「民事不介入の原則」を自ら捨てて、市民間の民事問題に介入する契機を虎視眈々と狙っている。〔…〕】。※ 民事不介入は歴史のなかで人民が獲得してきた権利であることについては 拙稿 参照。【関連】レイバーネット02.06.18「労働運動弾圧をねらった都の迷惑防止条例」に全労協の迷惑防止条例「改正」案に反対する要請書。

  • 6月27日 ▼「黒 La Nigreco」のサイトに「清末愛砂さん インタヴュー――国際連帯運動の活動とは」(02.06.25)。関連:「International Solidarity Movement(ISM=国際連帯運動)とは?」(02.05.30)。▼日経NET 06.26付に「出版大手、ヒット不在で業績不振」。【出版不況が深刻化している。出そろった大手出版社などの2001年度決算によると、小学館、角川書店、インプレスの3社が最終赤字に転落し、学習研究社は赤字幅が拡大。講談社なども最終利益が大幅に減少した。インターネットの普及や新古書店の台頭など構造的な逆風に加え、ヒットが少なく、少子化や情報技術(IT)不況の影響も受けた。〔…〕】。▼“日本と韓国から世界を考える文化総合誌”をうたう季刊『識見交流』が創刊された。編集委員:小田実、早川和男、黄皙暎、玄基榮(発行:済民日報、発売:創元社)。2002年6月30日発行の創刊第1号は“『老い』の新たな視点”を特集、創刊にあたって、黄皙暎「礎(いしずえ)を築く心で」。【戦争の恐怖から抜け出し韓半島の平和的統一を成し遂げようという韓国民衆の熱望は、日本民衆の平和的繁栄を具体化させることとともに、過去の誤った近代を克服しようというアジア民衆の熱望と合致することだ。そのような合意点なしに、どうして「人の住めるアジア」を築くことができるだろうか。】とする黄は、韓日協定反対闘争以後の闘いと交流の歴史をふりかえり【日本でも、韓国の民主化運動を支援するさまざまな模索があったが、まだそれは日本の民衆が自らの状況を変革するための運動ではなかったし、正直なところ、熾烈な戦いの渦中にあった韓国では、それに目をやる余裕もなかった。/たとえば、「挺身隊」問題をめぐり、韓国側と日本側の「民間基金」に対する原則的意見が異なり互いに傷を負ったことは、日本側がいまだにそれを日本社会の中の運動として大衆化できていないところからきている。しかし、まさにこのような批判と議論がおきたことは、連帯のための努力が以前よりもはるかに具体化されてきたことを意味するものだ。】と指摘し、【私達が願う「連帯」とは、まず第一に、自らの社会と人を変えようとする努力が先で、その次に力量を共有するようになるものなのだ。いや、どうかすると、これらは同時になされるはずだ。】と提起している。特集予定は、第2号“歴史:近代化・西洋化を考える”、第3号“アメリカという存在”、第4号“民主主義を問い直す”。

  • 6月26日 子安宣邦のホームページ(私の発言)に、子安宣邦「「東亜」概念と儒学」(02.06.26-28「東亜文化圏形成與発展」国際学術研討会;台湾大学 報告要旨)。【「東亜文明圏」概念をめぐる私の疑問を率直に申し上げ、この概念による問題構成についての再考を切に期待】するとして【〔…〕「文明圏」とはその域内における支配的文明の一元的な普及を前提にした領域概念です。それは政治的「帝国」に対応した文化的「帝国」概念だと私は考えます。〔……〕私たちは現在「文明」や「文明圏」を安易に語ってはならないと考えます。】【〔…〕中華文明の中心と周縁という関係のなかで、周縁から立ち上げられる領域的な文明概念が「東亜文明」です。文化的な領域概念「東亜」とはそのように中国起源の文化の東アジア諸地域への多様な展開を記述するための概念として、近代日本にまず成立しました。しかしこの「東亜」は帝国日本の東アジアへの政治的・経済的・軍事的経略の展開とともに強い政治的な概念となっていったことは周知のことであります。〔……〕研究者に、ことに歴史研究者に要請されるのは、20世紀の体験としてもってきた「東亜」の、そして「広域圏」の言説の批判的な検討です。それなくして立ち上げられる「東亜文明圏」は20世紀の「東亜」概念の再生の疑いを免れません。】と問う子安は、【「東亜(中華)文明圏」を構成する漢字や儒学などの共通要素を確認しながら、各地域におけるそれらの展開を記述することで「東亜文明」の実質的な領域的な成立を確認するような作業を私は認めません。そうした作業が実は「東亜文明圏」そのものを創出するのです。私は東亜領域内の共通的内部を確認しながら、「東亜」を実質化していくこと、いいかえれば「東亜」を実体的な概念として再構成することには反対します。それは帝国の眼差しによる、帝国的な領域化の作業です。そうした帝国化の作業は、歴史上のさまざまな問題を隠してしまいます。文化的・政治的な支配と従属とをめぐる言語論的・認識論的問題にいたるあらゆる問題を隠してしまいます。たとえば漢字文明の中心からは、漢字文明を受容した周縁民族における言語的な屈折を見ることはできないでしょう。それは20世紀初頭に台湾・朝鮮の人々に日本語教育をした帝国日本の人々(統治者ばかりではなく、日本人一般も含めて)は文明的恩浴を及ぼしたとのみ考えていることと同じです。】と指摘し、【私は「東亜」概念を実体化することなく、言説的な関係枠として「東亜」を方法的な概念にしていくことを提案します。たとえば「東亜」という共通の関係枠をもつことによって、一国史的な、あるいは帝国的な歴史記述を相対化し、新たなアジアの歴史記述を可能にするような方法的な概念にすることです。私はこうした言説的な試みがすでに多様な形で始まっていることを知っています。日本と韓国との間の教科書問題をめぐる両国研究者同志の討議など。ただ私は二国間の協議ということには否定的です。多国間・他地域間の討議でなければならないと思っています。ともあれ「東亜」を関係枠とした多層多様な交流的実践を通して、この地域のあらゆる生活者にとって真に必要な「東亜」が生まれることを信じたいと思います。】とむすんでいる。

  • 6月25日 「富士通ウェブ・アクセシビリティ指針」日本語サイト向け 第1.0版(02.06.24)。▼ビル・トッテン「偽りの高齢化問題」(02.06.19)。▼MRTAのサイトの「MRTAの死者たちをめぐる処刑疑惑」(02.05.16)で山崎カヲルは、ペルー・リマの日本大使公邸に軍の特殊部隊が突入し、占拠していたMRTA14名全員を射殺した事件(1997年4月22日)について、MRTAメンバーの何人かは投降し捕虜になった後に軍の手で処刑されたことが明確になった、とするペルー日刊紙『ラ・レプブリカ』5月15日号の関連記事を紹介している。【事件を調査したリチャード・サアベドラ・ルハン検事の報告によると、「チャビン・デ・ワンタル作戦」を実行したコマンドのなんにんかは、負傷した数人のMRTAメンバーの息の根を、頭部への銃撃によって止めたことを認めている。〔……〕/公共省法医学研究所とペルー法人類学研究所が行なった、死体の鑑定と弾道試験とは、8名のテロリストが頭部に銃撃を受けていたことを認定した。弾道等の特徴からして、犠牲者たちは戦闘中に銃弾を受けたのでないことを示している。/サアベドラ・ルハン検事と、反汚職警察の殺人課のベテラン警官グループは、14ヶ月にわたって調査を展開してきたが、その結論は、3名のMRTAメンバーが降伏のあとに処刑されたことを証明した。また、他の5名のテロリストも同様な仕方で殺害された形跡がある。/司法調査は目下のところ、テロリストたちの生存者を残すなという命令が、作戦のまえに出されたのか、作戦の最中に出されたのかを確定しようとしている。つまり、それがあらかじめ熟考された行動なのか、人質救出行動における熱狂の産物なのか、ということである。/違法な殺害の形跡がもっとも濃いケースは、「ティト」として知られるエドゥアルド・クルス・サンチェスの場合である。日本大使館の書記官だった小倉英敬は、公邸のそとで生きているティトを見た、と公式に声明している。彼の話は調査によって裏づけられた。ティトの死体は公邸の裏庭で見つかった。近くにはコマンドが公邸に突入したさいに使われたトンネルのひとつがあり、ティトは頭部への一発しか弾丸を受けていない。サアベドラ検事によると、こうした事実からして、ティトが大使公邸から生きたままで連れ出されたことを示している。〔……〕/検事の見解によると、公式見解では戦闘は大使公邸の内部だけで展開されたのに、なぜティトがトンネル近くのそとに出ていたのかを、「チャビン・デ・ワンタル作戦」の責任者たちも、コマンドたちも、だれひとり説明できないでいる。どのようにして、そこまでたどり着いたのであろうか。〔……〕】。

  • 6月24日 戦没者追悼式で罵声「小泉は帰れ!」02.06.23スポニチ。▼『朝日新聞』02.06.23日付(私の視点)の、魚住昭「腑に落ちない「国策捜査」」が鈴木宗男議員への捜査と逮捕を批判。【今回の捜査には腑に落ちない点がある】とする魚住は【その一つが、外務省の元主任分析官・佐藤優氏らを逮捕したこと】で【こんな形式犯で逮捕されるのなら、公務員はみな逮捕の恐怖に怯えなければならなくなる。/検察が無理やり佐藤氏らを逮捕したのは、支援事業で鈴木氏の罪を問うには彼らの供述が必要だったからだろう。〔……〕/だが、フタを開けてみると、鈴木氏の容疑は支援事業と無縁の古い事件だった。支援事業の捜査が難航したので、贈賄側の時効で業者の供述が得られやすくなった「古証文」を引っ張り出してきたというところだろう。なぜそうまで検察は鈴木氏の逮捕にこだわるのか。】と問いかけ、住専事件から始まった【事件の真実を探究するより、あらかじめ狙い定めた対象の摘発を優先させる「国策捜査」】の傾向に起因すると指摘してる。さらに【国策捜査の目的は事案の原因と責任の所在を明らかにすることではなく、国民の前に“生け贄のヒツジ”を差し出して、失政に対する怒りや不満をそらすことだ。政治不信の責任を一身に引き受けた感のある鈴木氏の逮捕も同じ文脈の中にある。/きちんとした捜査が行われるならまだいい。だが、ここ数年、検察の正義と事件の真実の乖離が進み、捜査のずさんさで無罪になるケースが相次いでいる。一昔前の検察の手堅さを知る者からすれば目を覆いたくなるような事態である。/正義と真実の乖離を端的に示したのが、前大阪高検公安部長・三井環氏の逮捕だ。容疑事実自体は逮捕に値しない微罪だった。〔……〕/三井氏は検察の裏金作りの実態を告発するためテレビに登場し、衆院法務委員会にも出頭しようとした矢先に逮捕された。口封じのためだ。その後、検察がムネオ疑惑も含め各地で矢継ぎ早に事件を摘発した裏にも「裏金疑惑隠し」の動機が潜んでいるように思えてならない。】/こう指摘する魚住は【検察ファッショは遠い昔話ではない。早めに手を打たなければ、恐ろしいことになる。】とむすんでいる。▼韓国「国民65% IMF危機以降 貧富格差 深刻化」(02.06.20 韓統連大阪のページ「焦点」)。【国民の65.1%は、IMF危機以後、貧富格差が進んだと考えることが調査で明らかになった。/民主労総が最近、ハンギルサーチと共同で全国の成人男女700名を対象に「所得分配構造と最低賃金制」に関する世論調査を実施し、発表した結果によれば、IMF危機以前と比較し、韓国の貧富格差が進んだという応答が65.1%である反面、緩和されたという応答は17.9%であった。〔…〕】。関連:02.06.20中央日報(日本語版)

  • 6月23日 ▼明石散人「連載・アカシックファイル―未来の記憶―(28) 落ちた「主権」」(講談社刊『IN☆POCKET』2002年6月号掲載)が【遠目が利かなければ、それこそ政官財とそこに張り付く商業ジャーナリズムの思う壺、故田中角栄氏の時もそうだったが、ここ一連の鈴木宗男氏疑惑など、その典型的例である。鈴木宗男氏はこの国を対米従属からシフトを変えようと試み、失脚させられたことは間違いない。】として、鈴木宗男氏疑惑追及の裏にどういう誘導や誰の画策があるのか問題提起している。北方四島住民支援8事業での各業者提示金額と契約先、契約金額を示す明石は、色丹島ディーゼル発電施設で【なぜ一番札を入れた伊藤忠は受注できなかったのか? なぜ伊藤忠は次回の入札業者から外されたのか? 不思議でならない。現在、鈴木宗男氏と三井物産との関係がマスコミで取り沙汰されているが、伊藤忠の他社に先駆けたサハリン開発を思い起こせば、伊藤忠の裏側にこそ根源の北方利権構造が存在し、それを知ってか知らずか不明だが……、そのシフトを変えようとした鈴木宗男氏が葬り去られようとしているとは考えられないだろうか。】と指摘、【いずれにしても、私達庶民は現在取り沙汰されている鈴木宗男氏の疑惑に単純に同調するのではなく、もっと遠い目で見る必要がある。世襲権益構造とそこに張り付く商業ジャーナリズムは、連日のように鈴木宗男氏の政治生命を奪おうと躍起だが、私達無力な庶民はこういう時にこそ、手を差し伸べるべきなのだ。私には鈴木宗男氏を葬り去ろうとする世襲権益構造が、裏でせせら笑っているように思えてならない。】とむすんでいる。全文必読! 関連して『世界』2002年7月号の和田春樹「テルアビブ国際会議と佐藤優氏について」は鈴木氏疑惑にからんで逮捕された【佐藤氏の逮捕理由には疑問を感ぜざるを得ない〔……〕佐藤氏のような人はおそらく二度と現れぬであろう。日本外交のために惜しいことだと思う。】と指摘。▼太田昌国「煽り報道の熱狂と、垣間見える世界の未来像の狭間でワールドカップ騒ぎの中の自分を読む」(02.06.15)。

  • 6月22日 ▼『読売新聞』02.06.21夕刊に仏『レキップ』紙フランク・ラメーラ記者のフース・ヒディンク監督へのインタビューが特約として翻訳掲載。ヒディンクは【「〔…〕私は選手たちのスピードと飛び抜けた運動量に着目した。それまで韓国に定着していたイメージを一変させ、しつこい攻撃を続けて相手をうんざりさせる“ミツバチ軍団”を作ろうと思った。/グループリーグのポルトガル戦で、エースのフィーゴが、ピッチのどの場所にいても、DF宋鐘国にぴったりとマークされ、前に出ようという気持ちを失っているのが分かった。このマークは試合が終わるまで続いた。思わず『ふふふふふ……』と笑みが漏れてしまった」〔…〕「〔…〕解決策は体にあるのではなく、頭の中にあるのだ。でも、体のことだけを言う人が何と多いことか。優れた戦略と技術がなかったら、試合でそれに代わる何があると言うのか」〔…〕「〔…〕ヨーロッパのサッカーでは、話すことのほとんどがお金についてだが、韓国選手は拝金主義から遠く離れ、極めてまっとうに行動していた。学ぶことしか考えていなかった。謙虚な態度と、サッカーに臨む正しい姿勢を、選手から学び直した」】と発言している。〔06.28追記:慎武宏「レイソルの太陽、洪明甫」(01.02.28)同「ヒディンク旋風に沸く韓国」(01.01.16)を読もう〕。▼『ミュージック・マガジン』2002年7月号に、高橋健太郎「プライマル・スクリーム 混迷の時代に問う新たなメッセージ」。高橋のインタビューにこたえて【パンク・ロックは反社会的ではなくて反権力主義なんだ。】と言うボビー・ギレスピーは新曲「Bomb The Pentagon」について【〔…〕あの歌詞をあのまま残しておいたら、この先ずっとある特定の時期、事件に関連付けられてしまう。そうなると歌も退屈なものになってしまう。だからあの行を抜いたんだ。そこまでいい歌詞だとは思わなかったからね。あの曲に関しては、人々の反応があまりに過剰だったけど、俺自身が例のワールド・トレード・センターとペンタゴンの事件があった時、何を思ったかといえば、あれをきっかけに世界中の国家が一緒になって、国際的な警察国家を建ててしまったと思った。人を裁判なしで逮捕し、投獄し、処刑することができる軍事国家をね。アメリカとイギリスの意のままにそれが進められて、世界中がそれを黙認した。彼らは忌まわしい戦争をアフガニスタンで起こして、今度はイラクでも始めようとしている。全く馬鹿げているよ。だろ? まあ、とにかく「Bomb The Pentagon」に関しては、あの曲をオサマ・ビン・ラディンに、奴のアルバム用にくれてやることにしたんだ。】。

  • 6月21日 「まちづくり:オウム真理教対策の条例を可決 世田谷区議会」02.06.20毎日。総動員体制の提灯持ちとしての翼賛住民運動!〔02.06.23追記:「オウム対策条例 区長「住民の意向尊重」」02.06.21 asahi.com。▼イーター編集部編『ムービー・パンクス』2002年5月、テレグラフファクトリー(星雲社発売)。石井聰互・塚本晋也・山本政志・福居ショウジン・不二稿京・佐藤寿保・若松孝二・松井良彦のインタビュー集(1995-2001年、インタビュー:地引雄一)。塚本は95.08.01に【要は破壊の神ですよね、オウム。『鉄男2』の“ヤツ”も、結局破壊の神の話ですよね。それで最後、向かう場所が新宿なんですよね。もう、あまりにシンクロしててですね、もし今だったら、自粛しなきゃいけないのかなって。/結局、その人達もだいたい同世代だものね。麻原だけが40歳位で。なんかこう、ゴッコ感がありますもんねぇ。政治ゴッコじゃないですけど。考える発想が……、やっぱり育ってきた、見てきたモノが同じってことですかね。/〔……〕オウムとかがあんだけサリンとか撒いちゃうと、ほんと困っちゃうんですよね。撒かないような平穏な東京だったから、『鉄男2』みたいな映画が有効かと思って作ったんですけど。あんなに本当に、都市が地獄絵図のようになってるんですから、僕はもっと心の美しい映画を作んなきゃいけなくなっちゃうんですよね(笑)。ないものを作るわけですから。戦争がもし今起こってて、あたりが焼け野原では、僕『鉄男2』作んないですからね。】と発言し、福居は95.07.29に【多分そういう時期なんでしょうね、今ね。そういう観念とかが、……いろいろ溜まってたもんが、バーンッと出る時期で。たまたまオウムはオウムでああいう形で出して、俺は俺でこういう『ラバーズ・ラヴァー』ってのがあったみたいなね、いうとこやと思うんですよね。〔……〕まだ、更に溜まってるんじゃないですかね。もっと溜まってて、もっともっとでかいことが起きてきて。だから逆に言うと、もう映画なんてなくてもいいぞという時が、俺は来るような気がするっていうか。逆に絶対、音楽はなくちゃだめだっていうね、時が来るような気がするしね。】と発言している。

  • 6月20日 「戻らない業界不振を解析する」(02.06.19 JAGAT)によると【印刷産業の出荷額はこの10年で9千億円減少した。その最大の要因はプリプレスの付加価値が激減したことである。】。▼『広告批評』No.261(02年06/07月号)が“日本映画を面白くする7人”を特集、読書録04.07付既報の映画「害虫」の監督・塩田明彦へのインタビュー「僕の映画は敗者復活戦です」(聞き手・島森路子)。【ええ。僕の撮ってる映画っていつも、まず負けるんですよ。敗者復活戦じゃないけど。まず、圧倒的な受け身から始まっているんですね。〔……〕人間は一番大切な瞬間に、必ず一歩遅れるっていう発想が僕にはあるんです。(笑)で、その一歩は常に決定的だっていう。それが世界の法則だと思ってるんです。〔……〕/――受け身で、遅れて。でも、自己主張が弱いタイプには見えませんが。大声で言わないだけで。/塩田 いや、違うんです。追いつめられて初めて自己主張するから、暴走しちゃうんです。(笑)〔……〕/――なぜマゾヒズムにそんなに惹かれたんでしょう。/塩田 人生一歩遅れるところから始まると感じてること自体、マゾヒストなんですよ。(笑)何につけても声高にモノを言うのが好きではないというのもあるし。それはある意味ですごい嫌味なんだけど、人を知らぬ間に説得したいっていうのが僕の中にあるんです。自分が感じた、一瞬地の底を覗いたような感覚を、実際に人に味あわせることで、自分が感じていることを相手に伝えたいっていうのがあるんですね。哲学的に言うとマゾヒズムって“説得”なんです。自分の思い通りにいじめてくれるよう説得していくんですよ。〔……〕いきなりはガツンとはいかないから、みんな安心してついて来るんだけど、気づいたら危ないところに立たされているという。僕は“説得の旅”と呼んでるんです。いま、初めて言ったんですけど。(笑)〔……〕人間関係って絶対に均衡に達しないということが僕の中の前提としてあって、その中でのぶつかり合いだったり擦れ合いだったりだと思ってる。だから、もし幸せを描くのであれば、そこを嘘をつかないで見えてくる幸せに到達したい、という。】。

  • 6月19日 ムミアの死刑執行停止を求める市民の会のサイトに、ムミア・アブ=ジャマール「反戦論集」(02.06.18 萩谷良訳)。▼読書録06.10付既報の世田谷の「オウム対策条例案」問題について、アレフ個人サイト半跏思惟のムッタ・デーヴァ日記6月18日付で福井利器は次のふたつの言説を対比して問題提起している。
    1942年7月24日
    ナチス・ドイツ総統 アドルフ・ヒトラー
    「ユダヤ人は、経済的理由によってヨーロッパに関心を持っている。しかしヨーロッパは、自らの利益を度外視してでも、彼らを拒絶しなければならない。なぜならユダヤ人は、人種的に強いからである。この戦争が終われば、私は断固として次のような政策を取るつもりである。つまり、ユダヤ人にヨーロッパを去らせ、マダガスカル島、またはユダヤ国家に移住させるという政策である」
    2002年6月5日
    世田谷区長 大場啓二
    「信者の集団居住、拠点化を阻止するうえで、司法判断に期待はできない。あらゆる手段を講じ、安心して暮らせる地域社会を取り戻したい」(毎日新聞)
    「自らの街は自らが守るという強い決意をもって、あらゆる手段を講じる」(読売新聞)
    1942年8月21日
    ナチス・ドイツ外務大臣 リッベントロップ
    「この戦争が終われば、ユダヤ人は全員ヨーロッパを離れねばならないだろう。これはヒトラー総統の断固たる決断であり、ユダヤ問題を解決する唯一の方法である。世界規模の大きな解決策こそ求められているのであり、個々の小さな対策では話にならない」
    2002年6月5日
    世田谷区 担当者
    「条例をテコにして少しでも区民の不安を解消したい。国には、観察処分の延長を強く求めたい」(毎日新聞)
    関連読書録04.26付、宗教団体・アレフ「世田谷安全安心まちづくり条例」廃案を求める陳情書02.06.12 アレフ広報部ホームページ。〔02.06.20追記:オウム真理教(アレフ)迫害運動を続ける翼賛団体への補助金交付などを盛り込んだオウム対策条例(安全安心まちづくり条例案)は6月20日、東京都世田谷区議会で賛成多数で可決、成立〕

  • 6月18日 『毎日新聞』02.06.17付夕刊に、斎藤貴男「グローバリゼーションの光と影 金持ち優遇、新自由主義の暴論」。【「経済格差を認めるか認めないか、現実の問題としてはもう我々に選択肢はないのだと思っています。みんなで平等に貧しくなるか、頑張れる人に引っ張ってもらって少しでも底上げを狙うか、道は後者しかないのです。米国では、一部の成功者が全体を引っ張ることによって、全体がかさ上げされて、人々は満足しているわけです。実質賃金はあまり伸びないけれども、それなりに満足しているのです」】という『日経ビジネス』00.07.10号に載った竹中平蔵のコメントをひいて斎藤は【〔…〕構造改革を貫く新自由主義と呼ばれる経済思想の、これは真髄である。トリックリング・ダウン・エフェクト(浸透効果)といって、金持ちにより儲けさせてやれば、そのオコボレが貧乏人にもポタポタ垂れていくから素晴らしいぞ、という暴論も、近代経済学では王道とされるのだ。/こんなものが学問だとは、しかし、私には到底思えない。〔……〕「それなりに」などと他人を雲の上から見下す言葉の使い手は、それだけで信用してはならないと思う。政府や自民党の税調も、実は同じ穴の狢だ。確かに彼らは、経済財政諮問会議ほどには金持ち優遇を叫びはしない。だが、衣の下に隠された鎧、下々に対する支配欲は、かえってこちらの方が強烈かもしれない。/納税者番号制への執念だ。納税のすべてを勤務先の年末調整に委ねさせられているサラリーマンの大方は、これが公平な徴税に資すると思い込んでいるようだが、とんでもない。〔…〕納番制など導入すれば、八月からの稼動が決まっている住民基本台帳ネットワークといずれ一体化し、国民総背番号制度へと展開されていくのは確実である。〔…〕】と批判し、【国民総背番号制度もまた、アメリカで一部先行している仕組みである。戦争を始めたい政治家たちが好んで口にする“普通の国”論も、かの国がお手本。グローバリズムなどと耳触りよい言葉に秘められた恐ろしさに、私たちはそろそろ気づく必要がある。】とむすんでいる。

  • 6月17日 読書録03.29付既報の“昨2001年9月21日法政大学で行われた日本私立大学連盟主催公開シンポジウム「21世紀における私立大学の役割」に対する抗議行動”について、法政の貧乏くささを守る会「貧乏人新聞QJ版」(太田出版刊『QuickJapan』vol.43 2002年7月 掲載)が伝えている。【ふたりの裁判が終わりようやく解放されたので今こそ真実を伝えようと思う。その日行われた会は、「21世紀における私立大学の役割」とは名ばかりで、いかにして全国の大学を「就職予備校化」させるか。そして、そのために、どのように学生の自由を奪えばいいのかを語り合い、大学と企業の一層の連携を図っていく邪悪なシンポジウムであったのだ。/参加者は、奥島孝康早稲田大学総長・私大連会長(写真)、清成忠男法大総長・私大連副会長(写真)、そして、彼らの「大学の産学共同化路線」をバックで支持するオリックス宮内会長らが予定されていた。/奥島、清成は、近年、「大学」を完全な「就職予備校」として考えなおし、その考えから外れる不必要な要素、つまり、学生たちの行う自由な表現活動、文化活動やそれに伴う交流活動等を「就職予備校においては無用の物」として大学から排除してきた。奥島は早稲田大学において、なんと大学祭である“早稲田祭”を中止(一九九七年〜)させ、さらに学生の自主管理空間であるサークルスペースを学生の合意無しに強制的に撤去(二〇〇一年八月)。また清成は、法政大学において、学生の自主管理団体「学生会館学生連盟」を非公認化(一九九五年〜)させ、学内ビラ・ステッカー貼付規制(一九九九年〜)などを敢行。また、それに反発する生徒に対して、一方的な圧力もかけてきた。/さらに、「私大連」(正式名称:日本私立大学連盟)とは、日本の私立大学の方針などを協議する団体で、現在、全国一二三大学が加盟(二〇〇二年四月現在)している。奥島、清成は、その私大連の中心人物でもあり、そのシンポジウムを皮切りに、早稲田、法政だけに限らず、日本の多くの大学を「就職予備校化」させようと企んでいたのだ!/そのような理由からか、このシンポジウムは、「一般公開」と銘打ちながらも、学生にはほとんど知らされず、秘密裏に計画、開催された。/そして……その私大連の思惑に対して、様々な学生が異義申し立てを行ったというのが「法大忍者事件」の真相だったのである。】。

  • 6月16日 ▼新海誠「Other voices-遠い声-」のサイトに06.13付お知らせとして【【『新現実』0号にて、オリジナルショートストーリー掲載】7月下旬に角川書店より創刊される文芸誌『新現実』創刊号にて、短い物語を描きます。オールカラー予定。ストーリー内容やイメージイラスト等はまたそのうちご報告いたします(「ほしのこえ」とは関係ありません。短いけどいちおう新作です)。(『新現実』大塚英志・東浩紀 責任編集/創作・批評:佐藤友哉・新海誠・佐藤心・コヤマシゲト・西島大介・白倉由美・大塚英志・東浩紀/編集:滝澤恭平[角川書店])】との予告。▼東京商工リサーチのサイト(全国企業倒産状況)に「2002年(平成14年) 5月度 (負債総額1,000万円以上倒産集計)」(02.06.14)。【2002年(平成14年)5月度の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は、1,730件、負債総額は1兆3,353億2,700万円となった。倒産件数は、前月比7.3%、前年同月比では3.9%の増加となり、5月としては戦後4番目の数字。9カ月連続して前年同月を上回る推移となっている。負債総額は、前月比21.0%、前年同月比で32.8%の増加となり、5月としては戦後3番目の規模となった。】。5月度では「製紙業 東証1部上場 日本加工製紙株式会社ほか5社 破産宣告受ける 負債830億9000万円」〔02.05.29帝国データバンク:大型倒産速報〕が大きい。関連:「倒産件数・負債額推移 1952年(昭和27年)〜(負債総額1,000万円以上倒産集計)」〔東京商工リサーチ〕。