読書録 2001年10月後半(敬称略)

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  • 10月31日 藤原帰一「テロに対する反応が国際政治の仕組みを全部変えようとしています」(インタヴュー・渋谷陽一)〔ROCKIN'ON JAPAN 11月増刊号『SIGHT』同時多発テロ緊急特別号「「報復は不毛」と日本のメディアはなぜ言えなかったのか」所収〕。【…今度のテロで問われるべきなのは、自衛隊の派遣の問題ではなくて、テロに対抗するためには警察国家しか方法がないのかっていう、そちらのほうが本来の問題なんです。実際、極限的に見ればそうなりかねない……テロを規制するためには、やっぱりなんらかの介入は必要だと思います。ただ、その介入は生易しいことじゃないです。それを直線で伸ばしていったら、まさに警察国家です。破壊活動防止によって秘密警察っていうのは正当化されるんですよ。】という藤原は、【…でもテロは起きるっていう事実を前にしても「だけど文明国家の中で、近代社会の中で僕たちは暮らしていく」という、我々先進国の側のロジックというのは一体どこに根拠を持てばいいんでしょうか】という問いに対して【…更にシニカルに言えば、勝ったことにして、すぐそのあと忘れるんでしょうね。アメリカは今度の事件では大勝利だったことにして、いったん軍事行動を終えるでしょう。大勝利というものはあり得ないんだけど、大勝利だったことにすると。そして、このあとでもう1回同じようなテロ事件起こったときに、あのときは一体何だったんだろう?と振り返らない。そうやって繰り返していくだけですよね……98年に、スーダンとアフガニスタンにアメリカが巡航ミサイルを発射しましたけど、あれは誤射だったんですよね。誤射で、工場が壊されて、一般市民も死人が出たわけでしょ。だけどあれはなかったことにしてしまう。いやあ、人間の自分を騙す能力ってすごいもんだと思いますよ。…】と答えている。

  • 10月30日 ▼Julia Scheeres「テロ事件で抑圧されるウェブ上の言論の自由(上)」(Wired NEWS 01.10.26)。同(下)(同10.29)11.01補記。▼【反戦日録10.22〜10.28】平和の願い うねる 国際反戦デー 求心力再び各地で気勢(西日本新聞10.22) / 国際反戦デー:「戦争の世紀にするな」 各地で空爆に抗議(毎日新聞10.22) / 米国同時多発テロ テロ対策支援法に反対、新潟市内で1500人デモ /新潟(毎日新聞10.22) / ピース・ウオークに140人 テロも戦争もない世界に−−札幌・中央区 /北海道(毎日新聞10.22) / 「国際反戦デー」の関西集会に2000人が参加 大阪城野外音楽堂で /大阪(毎日新聞10.22) / 平和・くらし破壊に国民的反撃を/憲法違反の参戦法案許すな/北から南から参加者続々(しんぶん赤旗10.24) / 自衛隊法改正案などに反対声明 新聞・民放労連(asahi.com 10.24) / 米支持よりアフガン復興を=衆院憲法調査会(時事通信10.25) / アフガン攻撃:文化人や宗教家が反対声明(毎日新聞10.25) / 10.25 参議院前集会 (反戦・平和アクション10.25) / <アフガン攻撃>ダライ・ラマ14世が空爆停止を呼びかけ(毎日新聞10.25) / 10.26 国会前緊急行動(反戦・平和アクション10.26) / 米英アフガン攻撃 「自衛隊の派遣反対」130人が座り込み−−県労組会議 /佐賀(毎日新聞10.25) / 寂聴さん断食 武力報復に反対 写経参加呼び掛け 志納金は寄付(京都新聞10.26) / 「テロも軍事報復も反対」 マレーシア首相夫人 原爆資料館を見学(西日本新聞10.27) / テロにも報復戦争にも反対! 市民緊急行動(第10波・東京)(反戦・平和アクション10.27) / ワシントンで反戦行進、約300人が参加(ロイター10.27) / <アフガン攻撃>瀬戸内寂聴さん、抗議の断食終える(毎日新聞10.28)

  • 10月29日 阿部浩己「「文明全体の戦い」の意味するもの 国際法学からのアプローチ」〔『現代思想』2001年10月臨時増刊「総特集・これは戦争か」所収〕。【問題は、自衛権の外延をいくら拡張したところで自衛権は自衛権にすぎないということである。米国は自衛権により報復攻撃を正当化しているが、今回の戦いは「文明全体の戦い」として定式化されている。…だが、自衛権の保護法益は、領土保全であろうと在外自国民保護であろうと、本来的に、攻撃を受けた国の権利・利益の域を出られないはずである。それを「文明全体」つまりは「国際社会の一般的利益」にまで拡張するのでは、自衛権概念を破綻させるにもひとしくなってしまう。】という阿部は、【…米国の行使する自衛権の保護法益が「文明全体」であるというところに、実は、事態の偽らざる本質が映し出されているということに気付く。「文明全体」とはいったい誰なのか、ということに思いを巡らせてみた場合、そこに浮かび上がってくるのは、地球社会を構成する無数の民衆の姿ではない。彼女たちは、米国大統領のいう「文明」について語る資格さえ与えられていない。そうした資格を独占的に保持しているのは、表象操作を意図的に行うことで国際法制度の改編を進める先進国、もっといえば米国の支配エリートたちである。……こうして、「文明全体」とはいったい誰なのか、という問いへの解は、つまるところ、「文明全体=米国(の支配層)」ということになるのではないか。そう整理すれば、米国が「文明全体の戦い」を自衛権という名のもとに遂行していることも合点がいく。/「同時多発テロ」がおきる一週間前に、南アフリカのダーバンで開かれていた国連主催の反人種差別国際会議の議場から代表団を引き揚げた一件に現われているように、ブッシュ政権は、様々な外交の場において露骨なまでに単独主義を打ち出していた。それがテロの勃発を境に一転して国際協調路線への転換がなされたかのようにも見える。だが米国が「文明」という言辞を用いて各国に共同で守るように迫ったものが、結局のところ米国自身の利益ということになるのなら、それは、形を変えた単独主義の継続にほかならない。…】と指摘している。

  • 10月28日 【複数の現役の日本共産党員によって開設され運営されるもので、日本共産党の政策、綱領、規約、歴史、理論、政治行動、イデオロギーについて、および現代日本政治における日本共産党の役割、位置、課題について、批判的見地から検討し議論するサイト】である「さざ波通信:日本共産党と現代日本政治を考えるホームページ」のトピックス欄にK・M編集部員「新段階に踏み込む我が党指導部―朝日新聞・不破インタビュー」(01.10.26)。【26日付「朝日新聞」に、「テロは世界を変えたか」と題して、日本共産党の不破議長へのインタビューが掲載された。/このインタビューにおいて、不破議長は、国連による「軍事的措置もありうる」というこの間の新主張をさらに展開するとともに、共産党の議長としてはおよそ不適切ないくつかの不規則発言を行なっている。/インタビューでは、「国連憲章42条による軍事制裁もやむを得ない」ことの理由として、「国連による軍事行動は、警察行動です。国際社会が道理を尽くして推し進める行動」だと説明している。この間、共産党指導部は、「警察」という用語を使うことで、あたかも軍事的性格が免罪ないし軽減されるかのように示唆する姿勢をとっているが、これこそ「白馬は馬に非ず」式の詭弁であり、国連憲章42条そのものが「空軍、海軍、陸軍の行動をとることができる」と記しているとおりである。/不規則発言もひどい。日本の非軍事的貢献の説明のなかで、「だいたい『武力行使』しないとい建前の自衛隊が戦争の役にたちますか。一緒に戦線を組んでも、兵器を使えない部隊なんて、邪魔で邪魔で…」と述べたり、安保体制に関して「世界が緊張すると日本の影はうすくなる。アメリカの行動に賛成する場合でもこうだから賛成するという独自外交をしないと」と述べている。このような発言は、本人が意識しているしないに関わらず、改憲勢力や右翼的世論とクロスリンクするものであり、共産党議長が述べた発言とすれば不適切である。/憲法9条を擁護する闘いがもっとも重要な局面で、軍事力に基づく世界秩序を本格的に容認しようとする我が党指導部の立場とは、果たして社会進歩・社会発展に沿ったものといえるだろうか?】。そう、この戦争において「祖国防衛」論を擁護する社会拝外主義はどこまでも堕ちてゆく。

  • 10月27日 『PREMedia』Part16(2001年10月、印刷出版研究所、ISBN4-87086-200-X C3053)が「即→実践 XML PDF」を特集。印刷業のためのXML超入門/XMLと組版:どうインターフェイスをとるか(枝本順三郎)、やってみませんか?XML組版レッスン(木龍美代子)、XMLデータベース特製プログラムをお試しください/印刷業で使えるスグレモノXML対応ツール(馬場幹彦)、PDFへのアプローチ[検証](金光敏博、一ノ瀬湯夫)、テキストファイルで表現できない組版情報の活用(道広勇司)、Wordのドキュメント情報Macで生かす(一ノ瀬湯夫)、Wordデータを読み込む(金光敏博)、EDICOLOR・QuarkXPressからの汎用データ書き出し(一ノ瀬湯夫)、InDesignからの「タグ付きテキスト」書き出し(金光敏博)、Wordデータをテキスト交換・保存(伊藤孝二)、ほか。

  • 10月26日 モフセン・マフマルバフ「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない/恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」〔『現代思想』2001年10月臨時増刊「総特集・これは戦争か」所収〕。【…アフガニスタンには石油もないし、隣国の人々はアフガン労働者に満足な賃金も与えずに追放している。職業の選択に失敗したら、残された道は、難民になること、タリバンに参加すること、ヘラート、バーミヤン、カブール、カンダハールの街角に倒れること、そして世界の無知に殺されることくらいである。】という現実、実際にも【二〇〇〇万人飢えた人々の内、三〇パーセントは移民し、一〇パーセントは死に、残りの六〇パーセントは餓死に向かっている。国連の報告によると、一〇〇万人のアフガン人が今後数ヵ月の内に、飢餓で死ぬだろうということだ。……誰も動く体力もなく、戦う武器もない。罰への恐れが、犯罪を犯すことを押し止めている。ヒューマニティが無関心に遅れをとっている間、唯一の救済策は、そのままでいて死ぬことだ。】という事実に向かい合って映画を撮りつづけているイランの映画監督マフマルバフは、【私は、あの仏像は誰が破壊したのでもないという結論に達した。仏像は恥のために倒れたのだ。アフガニスタンに対する世界の無知の恥からだ。仏像の偉大さなど何の足しにもならないと知って倒れたのだ。〔……〕/まだ心が石になっていなかった唯一の人は、バーミヤンの石仏だった。彼の全ての威厳を以て、この悲劇の無法さに屈辱を感じて崩壊したのだ。パンを必要としている国家を前に、必要もなくそこにあった仏は恥を感じて倒れたのだ。仏は貧困と、無知と、抑圧と、そして大量死を世界に伝えるために崩れ落ちたのだ。しかし無頓着な人類は、仏像の崩壊についてしか耳に入らない。こんな中国の諺がある。「あなたが月を指指せば、愚か者はその指を見ている」。/誰も仏が指さした死に瀕している国を見なかった。知らせようとされたものを見ず、都合のいいように解釈を行うのか。タリバンの無知、彼等の原理主義は、アフガニスタンのような国の不吉な運命に向けられる世界の無知よりも深いのか。】と書いている。この文が読めるだけでも特集号は買う価値がある。

  • 10月25日 ▼「文部科学省科学研究費補助金 特定領域研究/古典学の再構築」のページに「調整班研究A03「情報処理」班 XMLについての研究会」(01.10.27於九州大学)。とくに豊島正之「XML の骨抜き利用法 -- アジア・アフリカ言語文化研究所データベースの例」(PDF, 77KB)は文書の交換可能性の根本から検証し、SGMLはXMLになって良くなったかを問いかけており、必読!▼ZDNet/Japan NEWS 01.10.23付に「「eBook Reader」向けの電子書籍販売が開始」。【中央公論新社やイーブック イニシアティブジャパン(EIJ)などは10月23日,アドビ システムズの「Adobe eBook Solutions」を利用した電子書籍販売を開始したと発表した。eBook Solutionsは,PDF形式のコンテンツを暗号化して配信する「Adobe Content Server」,ならびにクライアントPC側の電子書籍閲覧ソフト「Adobe Acrobat eBook Reader 2.2 日本語版」で構成される。……】。関連:プレスリリース「アドビ システムズ 株式会社、Adobe PDFに基づく電子書籍ソリューション「Adobe eBook Solutions」を活用した商業サービスの開始を発表」(01.10.23)。▼Mainichi INTERACTIVE 01.10.23付に「オウム:川越市の「転入拒否」ビラは違法 さいたま地裁」川越オウム拒否掲示物住民訴訟原告のページ判決全文

  • 10月24日 パレスチナオリーブのページに、エドワード・サイード「無知の衝突」(早尾貴紀訳、原文 Edward Said,"The Clash of Ignorane", The Nation 01.10.22号)。サイードは9月11日の事件をめぐる「文明の衝突論」を批判し、【……持続している一神教そのものの遺産が、ルイ・マシニョンの適切な表現を借りれば、「アブラハの諸宗教」の遺産がある。ユダヤ教とキリスト教から言えば、そのそれぞれは、以前に現れた預言者に取り憑かれた継承者である。ムスリムにとっては、イスラームは、その預言者の系譜を完成させ終らせるものだ。あらゆる神の中でもっとも不信心を許さない、これら三つの宗教──この三つのうちどれ一つとして一枚岩で統一した集まりではないのだが──の信者らのあいだで多面にわたる抗争には、いまだ慎み深い歴史や脱神話化は見られない。たとえ、血まみれの近代がパレスチナに集中することで、彼らのあいだで悲劇的なまでに和解不可能であったものについての、豊富な世俗的(非宗教的)な事例が提供されることになっても、まだ脱神話化には至っていない。驚くほどのことではないが、今回の事件の後、ムスリムとキリスト教徒が、十字軍とジハード(原文イタリック)について進んで語っている。このどちらもが、しばしば極めて無頓着に、ユダヤ教の存在を無視している。イクバール・アフマッドが言うには、そうした宗教の礼拝は、「流れの真ん中に、つまり伝統と近代性のあいだに挟まれた水の深みにはまっている人々にとっては、とても安心させてくれるものだ。」/しかし、我々は皆この水の中を泳いでいるのだ。西欧人であれ、ムスリムであれ、それ以外の人であれ。そして、この水は、歴史という大海の一部なのだから、かき分けて壁で仕切ろうとしても、無駄というものだ。今は緊迫した時期だけれども、しかし、力のある共同体と力のない共同体の観点から、理性と無知による世俗的な政治について、そして正義と不正義に関する普遍的な原理について考えることは、茫漠とした抽象概念を探し求めてさまようよりも、より健全だ。そうした抽象概念は、つかの間の満足は与えてくれるが、自己認識や情報にもとづく分析はほとんど与えてはくれないのだから。「文明の衝突」というテーゼは、「宇宙戦争」(訳注18)のようなとんでもない新機軸であり、それは困惑するまでに相互にもたれ合っている我々の時代を批判的に理解することよりも、防衛的な自尊心を強化することにしか役立たないだろう。】と指摘している。なおサミュエル・ハンチントン自身は「文明の衝突ではない、少なくともまだ…」(ツァイト2001年66号)で【この襲撃はなによりも、卑俗で野蛮な人々が世界全体の文明化された社会を、文明そのものを攻撃したものだ。】と軽薄に語っている。

  • 10月23日 大谷栄一『近代日本の日蓮主義運動』2001年2月、法藏館。宮沢賢治や石原莞爾が心酔した田中智学や本多日生らによる【…「法国冥合」(政教一致)による理想世界の実現を最終的な目的としてており、きわめて社会的かつ政治的な志向性の強い宗教運動として実践されたという特徴をもつ】日蓮主義運動をつうじて【宗教がどのように社会や政治と関わろうとしてきたのかを考えてみたい】とする大谷は、【田中智学と本多日生の日蓮主義運動は、すぐれて近代的な宗教運動…近代において再解釈・再編集された日蓮仏教のあり方であり、近代社会における日蓮仏教の実践のひとつのパターンであった。……こうした日蓮主義の特徴が集約されたのが、近代日本の国民国家への対応であった。】として、【両者の運動が現実の政治体制と関わるきっかけとなった出来事が、日露戦争(…)だった。……近代日本の日蓮主義運動は、国体神話を媒介として国民国家との交渉を図り、「法国冥合」(政教一致)をめざしたのである。……国柱会の日蓮主義運動は社会中上層をおもな担い手としており、当時の民衆に広く受け入れられたとはいえない。また、精神的な教化活動を中心とする活動内容からも、新宗教ではないことが明らか…大都市や地方都市を拠点とし、社会中上層をおもな担い手とする精神教化活動を中心とする思想運動という特徴をもっていた。……機能分化の進む近代社会のなかで、他の領域も統合する価値原理として、日蓮主義は提唱された。智学と日生の日蓮主義運動は、近代日本の現実社会に対して積極的にコミットし、「歴史への応答」をはたしてきた。】と指摘している。

  • 10月22日 【反戦日録10.15〜10.21】世界各地で反戦デモ(人民網日本語版10.15) / 米の報復戦争に反対しデモ行進松本地区労(毎日新聞10.16) / 反核平和を訴えインド訪問 市民団体メンバーの森滝春子さんらが帰国会見 /広島(毎日新聞10.17) / 米英アフガン攻撃 反対へ署名運動−−飛騨、岐阜のグループ /岐阜(毎日新聞10.17) / テロにも報復戦争にも反対! 戦争協力法を許さない! 国会連続デモ、15日には400人16日には600人17日には200人(反戦・平和アクション10.17) / 「日本も加害者に」「9条崩れた気分」 テロ法案衆院委通過 京都・滋賀の団体(京都新聞10.17) / 対テロ法案:土井社民党首らが抗議集会(毎日新聞10.18) / 対テロ法案:国会周辺で反対集会 宗教者、労組など(毎日新聞10.18) / 米加州バークレー市議会、アフガン空爆の中止を求める議案を可決(ロイター10.18) / <対テロ法案>国会周辺で反対集会 宗教者、労組など(毎日新聞10.18) / テロにも、報復戦争にも、参戦法案にも反対!国会前緊急共同要請行動(人間のくさり) (東京) 画像速報(反戦・平和アクション10.18) / 10・18集会に8,000人(レイバーネット10.19) / 手形で示すテロ反対 学生ら京都河原町で街頭活動(京都新聞10.19) / 高松で報復戦争反対呼び掛ける(四国新聞10.19) / 米国戦争反対汎国民大会、韓国の十地域で同時多発開催(レイバーネット10.21) / レノンの曲歌いテロ反対訴え 河原町通で「ピースウオーク」(京都新聞10.21) / 10月21日 東京・原宿、他  ピースウォーク STEP 4(ビデオアクト反戦プロジェクト10.21) / 反戦デーにピースウオーク ネットで広がる(河北新報10.21) / 「国際反戦デー」の日、各地で空爆反対の集会やデモ(asahi.com 10.21) / 国際反戦デー集会・米佐世保基地前デモ行進(テレビ長崎10.21)

  • 10月21日 アメリカの「報復戦争」と日本の参戦に反対する署名運動のページにアフガニスタン被害報道日誌。▼アフガン女性と子どもを支援する会のページにヒューマン ライト ウオッチ「アフガン反体制勢力への軍事援助」。▼臼井隆一郎「資本主義の冥界 『資本論』の言語態」〔『シリーズ言語態4 記憶と記録』2001年9月、東京大学出版会 所収〕。「富みは巨大な商品集合として現れる」の【通常「巨大な」と訳されるungeheuerというドイツ語】は【…単純に「巨大な」を意味するのではない.不気味な,しかもどこかで伝説や神話の妖怪に関連している語であり,ギリシア神話やゲルマン神話の巨人や怪物を指すのに使われる語である。】としてカフカ『変身』の冒頭「…巨大な毒虫に変身しているのに気がついた.」を引く臼井は【不気味な変身の開始を告げる不気味な書き出しである.しかし少し読み進めてゆくと,人目を忍んでベッドの下に隠れたりするこの「毒虫」が必ずしも「巨大な」ものではないことに気付かされる.そしてこのungeheuerという語は「巨大な」というよりも,むしろ「不気味な」と訳すべきであろう】と指摘している。

  • 10月20日 芹沢一也『〈法〉から解放される権力――犯罪、狂気、貧困そして大正デモクラシー』2001年9月、新曜社。【精神医学は内在的に発展したものではなく、隣接する(より正確には、隣接性を捏造された)犯罪の領域とのあいだに形成された関係性において、その生成の基盤が築かれたことにわたしは気づいた。精神医学が支配的な実践として現われるためには、それは犯罪の領域と交差する必要があったのである。…犯罪の領域に現われた新しい言説は、犯罪をめぐる実践を法から解放しようとしたのである。……犯罪と狂気をめぐる実践を転換させた複数の言説を、この潮流をかたちづくるひとつの総体として眺めたとき、それはまた貧困をめぐる実践を転換させたもんどえもあったことにわたしは気づいた。明治の中頃に司法と行刑の領域に発生し、犯罪をめぐる実践と言説を根本的に転換させ、精神医学を支配的な存在に押し上げていった潮流は、同時に貧困をめぐる新たな言説と実践を生成させるものでもあったのである。】という問題意識から【日露戦争前後、すなわち明治三十年代半ばから大正七、八年頃にかけて、犯罪、狂気、貧困、そして政治といった複数の領域に、その時代の支配的な傾向を代表するものとして現われた諸言説】を研究の対象にした芹沢は【民衆が舞台に登場した時代として特徴づけられ】てきた大正デモクラシーの時代とは【統治権力が外部の支え(あるいは外部的な脅威)を失いつつも、しかしながら強度ある内在的な共同体として国家が現われようとしたときに、内政的な統治空間を切り開こうとしたひとつの努力にほかならない。…主権者なきデモクラシーというのは、この時代の統治権力のあり方を表象する、まさに核心的な形態をなしていたのである。】と述べている。

  • 10月19日 帝国データバンク(倒産速報&集計)のページに「全国企業倒産集計 2001年度上半期報(2001年4月〜2001年9月)」。【倒産9665件、上半期としては戦後3番目の高水準/負債7兆2440億1100万円、上半期としては戦後4番目】と集計し、「今後の問題点」として【世界的なITバブル崩壊と株安、国内では処理の遅れによる不良債権問題の深刻化と銀行不安、2カ月連続して過去最悪の5.0%となった完全失業率、マイナスに転落したGDPなどで示されるように日本経済はデフレスパイラル化しつつあり、出口のない複合不況の度合いを深めている。供給過剰による需給ギャップの拡大と低価格の逆輸入品が国内物価を押し下げ、コスト競争力を失った企業の収益が悪化、それが消費と設備投資の抑制を招くといった「負の連鎖」に歯止めがかからない。「9月以降、売り上げが急カーブで落ちてきて、このままでは間もなく資金繰りが行き詰まりそうな企業が目立って増えている」(大手銀行支店長)というのが実態である。これに米国同時多発テロと空爆が世界同時不況への懸念を強め、すでに旅行代理店、航空会社、ホテルなどにとどまらない広い分野で突然の業績悪化など悪影響が表面化しており、先行きの不透明感は一層深まっている。……不況型倒産は76.5%、老舗倒産も24.5%に達していずれも半期ベースでは過去最悪を記録し、倒産予備軍がさらに増加していることを示唆している。中堅・中小企業の倒産は高水準で増加するであろうし、9月中間決算発表から年末にかけては特に、大手の問題企業がマイカルにつづく形で連鎖的に法的整理に追い込まれる事態が起こるかどうかが焦点の一つになっている。】と指摘している。

  • 10月18日 ▼『内外タイムス』2001年10月18日付が「山口組激震、桑田若頭補佐控訴棄却/具体的証拠なし!やくざ稼業も冬の時代」と題し、東京高裁(安廣文夫裁判長)の10月16日判決を批判、【…さらに1審判決より踏み込んで、これまで厳格だった共謀共同正犯について、やくざに関しては具体的証拠なしに「共謀」を問うことができるという判断を下したものともいえ、波紋を広げそうだ。……判決後、弁護団は「はなはだ不当な判決だ。弁護団としては即刻上告したいと考えている」とコメントした。それにしても、この判決が判例として通用することになれば、使用者責任と相まって組員の犯罪はすべて組長の犯罪とされかねない事態となり、やくざに人権はないと言っているに等しいことになるのだが…。】と。▼新刊!田中宇『タリバン』2001年10月、光文社新書、ISBN4-334-03103-X。▼太田昌国「「善意」をすら気取る、底知れぬ悪意 「9・11」事件とその後の展開をめぐる報道を読む」(「派兵チェック」第109号 2001年10月15日発行 掲載)。

  • 10月17日 辺見庸「反時代のパンセ 連載第13回 非道」〔『サンデー毎日』2001年10月28日号所収〕。【私としては、いまや、欧米の民主主義を根本から疑わざるをえない。たった一発の値段で、飢えたアフガン難民数万人をしばらく十分に食わせることができるほど高価な巡航ミサイルを、連日、何十発も、情け容赦なくぶちこむことのできる米英の“知性”をまのあたりにして、私はつよく念じた。この“知性”は一日も早く滅びたほうがいい、と。すさまじい爆撃と同時に、食糧や薬品を空中から投下した米国式の“慈愛”を見て、私は思った。ああ、なんという思い上がりであろうか。彼らは無残に人を殺すかたわら、同じ手で人命救助をすることが、人道的だとでも思っているのか。人を激しく殴りいたぶる一方で、優しくなでさすることが、人間的だとでもいうのか。このような傲慢きわまりない“慈愛”こそが、じつは、同じ種である人間への、計り知れない侮蔑であり、差別であることに、なぜ気がつかないのであろうか――と。こうした「理念の不在」も、世界の新しい動乱要因となっているのではないか。】と書く辺見に、私は深く共感。
    さらに【…「不朽の自由」という名のおぞましい作戦が、日々に拡大再生産しているもの。それは、南の貧困層の北の受益者層に対する「不朽の怨み」なのであり、世界の動乱要因なのだ。】と米英のアフガン攻撃を糾す辺見は、【ところで、保安官ブッシュの力説する「テロの根絶」の語感が、私には気になってしかたがない。ナチズムの「最終解決」の語感と、なにやら怪しく響きあうのである。ブッシュという男は、テロリストというほとんど無限定の可変的概念を、自分とは異なった血をもつ、“異なった種”かなにかだと思いこんでいる節がある。反米主義者ならば、だれでも、テロリストまたはその予備軍と決めつけている気配もある。そして、その“異なった種”をその信念ごと、ナチスの発想さながらに、物理的に抹殺できるものと信じているようだ。ユダヤ人はガス室で、テロリストは精密誘導兵器で、というわけか。換言すれば、「不朽の自由」作戦は、その倒錯の質において、ナチスのユダヤ人に対する「最終解決」の実践と、どこか似ているのである。……で、この無知蒙昧にして倨傲の大統領閣下は、次のようなことにまったく気づくということがない。大別すると、テロリズムには、国家に対するそれと、国家によるそれがあって、自身がいま、アフガンの人々に対する紛うかたない国家テロリストの頭目となっていること、に。反国家テロリズムと国家テロリズムとでは、犯罪とその被害の規模がまるで桁ちがいであることは、いうをまたず、後者による圧倒的な殺傷が、前者の発生源ともなる。世界でもっとも富裕な国々が、よってたかって、世界でもっとも貧しい、国ともいえない国を撃つ。それこそが、最大のテロであり、未来へと引きつづく動乱要因なのである。】とむすんでいる。そのとおり!〔引用文中の太字は原文では傍点〕 連載第1回は読書録7月22日付参照。

  • 10月16日 STS Network Japan Web Siteのページに「2001年度秋のシンポジウム『科学ジャーナリズム(仮題)』」。【近年、STSの議論にとくに求められていることに、「いわゆる非専門家が、解決に科学技術の専門知識を必要とする社会問題に、どのように主体的に対応していくことができるのか?」という問いへの模索があげられます。そのため先の夏の学校では主に未成年者を対象とした「理科教育」を取り上げました。そして今回の秋のシンポジウムでは、さらに「大人」のサイエンス・コミュニケーションとして大きな役割を果たす「科学ジャーナリズム」に焦点を当てて議論したいと思います。もちろん科学ジャーナリズムについては、これまでもさまざまな議論がありました。しかしとくに近年、STS研究の進展と、科学ジャーナリズムの議論の対象となる事例(事件)の蓄積、さらには科学ジャーナリズムそのものへの危機感もささやかれる中で、あらためて議論の必要が生じてきています。科学ジャーナリズムについて議論すること、すなわち、どのような科学的(専門的?)知識を「欲しているか?あるいは欲していないか?」あるいは「知るべきか?」といった問い、それらを通して、「どのような情報を?」といった具体的な提案から、「社会の中で科学ジャーナリズムはどうあるべきか?」といった期待、さらにはもっと大局的な考察へと発展させることができると思われます。もちろん、ジャーナリズムの機構上「発信する側にも、どのような困難があるのか?」といったことをあわせて考える必要はあるでしょう。ともあれ、秋のシンポジウムではこの「科学ジャーナリズム」について、あるいは通して、さまざまな問題点を発掘・議論したいと考えています。みなさまもぜひ会場に足を運び、議論にご参加いただければと思います。】。