読書録 2001年8月後半(敬称略)

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  • 8月31日 読書録8月12日付既報の東大・駒場寮の問題について、東京大学駒場寮委員会「声明文」(2001年8月26日)。声明文は【8月22日の駒場寮への「明け渡し」の強制執行】に至る【1991年10月の臨時教授会において、東京大学教養学部当局が、寮生との合意を破って、駒場寮の「廃寮」を一方的に決定した事】以降の事実を明らかにし、【交渉に当たった学部当局の代表者は、ある本に、「粘り強い話し合いが重要である」と書いていた人間であるし、学部長は、紛争解決の手段に警察力を使用しない事を確認した「東大確認書」を策定した人間の一人であり、常識的な考え方からしても、話し合い中の強制執行は考えられないものです。そういった人間が、学生との交渉では、「粘り強い話し合い」を行わず、機動隊を学外待機させた強制執行を、学生側から譲歩の提案が出されている中で行った】教養学部当局を糾弾し、【私たちは、駒場寮「廃寮」が認めることができない不当なものであったということと駒場寮にはかけがえのない意義があることから、駒場寮の存続を主張してきました。私たちは、強制執行によって、駒場寮建物から叩き出されてしまいましたが、私たちが今まで訴えてきたことの正当性は全く失われることはありません。今は、多くの寮生が生活の場を奪われ、強制執行時に執行官に持って行かれた私たちの所有物はいまだに返却されておらず、テントで何とか雨露をしのいでいるという厳しい状態にあります。しかし、私たちは、私たちの今の利益だけのために運動してきたわけではありません。これからの新しく入ってくる学生のためにも、私たちは、今後も全国の学生と連携し、この運動を継続し、駒場寮が担っていたものを再生していくために、新たな学内の学生自主管理空間を求めて最後まで闘い抜く決意です。】とむすんでいる。〔→「8月22日の駒場寮強制執行に対する駒場寮弁護団の抗議声明」(09.03)。01.09.11追記〕

  • 8月30日 字游工房のページのなかの「もじマガ」に、書体設計家インタビュー/文字の巨人〈その2 写研と石井茂吉先生〉橋本和夫さん(インタビュー・構成:瀬川清)。【「写植文字でも、四角の枠に文字をデザインすることは活字と同じですが、石井茂吉先生の求められるデザインは、筆書きが根本にあります。僕は幸い書道を習っていたので、概念的には理解ができました。文字のデザインでは、字形・太さ・エレメントなどの仕様を掲げる事項がありますが、石井先生は『文字の味』がなくてはならないと。毛筆書きでは、上品な文字や力強い文字など、書体表現の幅が広いのですが、それらの感覚を明朝体やゴシック体として、力強さや優雅さなど精神的なものに表現するには、その幅はかなり狭くならざるを得ません。だから、文字・書体に経験の少ない僕などは、ちょっと気を抜くと、機械的で味気のない字になってしまうし、柔らかくしようとデザインしても竹を割ったように堅くなることが多いものです。/石井先生は一本の線を大切に手を入れて、画線の特質を最大限に生かした、味わいのある書体を創り上げられて、広告物の文字に必ず使用される、印刷書体の一分野を画す、石井書体を確立されました」】。

  • 8月28日 ▼総務省統計局統計センターのページに「労働力調査(速報)平成13年7月結果の概要」(8月28日公表)。【(就業者)・就業者数は6452万人。前年同月に比べ37万人の減少。4か月連続の減少……(完全失業者)・完全失業者数は330万人。前年同月に比べ23万人の増加。4か月連続の増加……(完全失業率)・完全失業率(季節調整値)は5.0%と過去最高。前月に比べ0.1ポイントの上昇・男性は5.2%と過去最高,女性は4.7%。男女とも前月に比べ0.1ポイントの上昇】。▼「小野田襄二、小野田猛史、三島浩司および宮崎学が関与した公安調査庁スパイ事件に対する革共同の態度と闘いのアピール」(週刊『前進』2019号4面1)。

  • 8月27日 有期雇用労働者権利ネットワークのページに「有期労働拡大とどう闘うか、今後の取り組みについての8.1相談会報告」。【3年前の労基法・派遣法闘争時の懸案事項(労働側の強い反対で歯止めがかかってしまったこと)を、国民の圧倒的な支持を受けたトップダウンの「小泉改革」で一挙に突破しようとするものだ(手法がまったく違うことに注意!)。/構造改革によって不良債権・企業のリストラ・淘汰(倒産)を進め、[解雇規制(緩和)の法制化により解雇しやすくし]正社員を削減する。生み出される痛み(大量失業)を労働移動の円滑化パート労働・有期労働・派遣労働の拡大よる「ワークシェアリング」(?)によってひとまず乗り切り、その間に新市場・新産業を育成し、新たな雇用を創出しようとするのが彼らのシナリオである(実際はデフレラスパイラルによって日本経済は失速する!?)。……】。関連:有期雇用労働者権利ネットワーク「小泉首相の「3年までの有期労働契約の対象拡大」発言に反対するアピール」(2001年5月14日)。

  • 8月26日 『The Incidents』のページに、寺澤有「警察の“復調”」(2001年8月24日付)。【未曾有(みぞう)の警察不祥事が国民とマスコミに与えた教訓、「警察は常に監視しなければならない」──。それが忘れ去られようとしている現在、警察は着々と“聖域”に戻りつつある。……「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という諺もあるとおり、最近、警察の広報担当者の対応は元に戻りつつあるように思う。「取材拒否」までは行かなくても、こちらの具体的な質問には一切答えず、「○○は適正に執行されている」のような木で鼻をくくった回答が増えてきた。私が再び「出入り禁止」となる日も近いはずだ。/結局、警察のような権力は常に監視が必要である。国民やマスコミがいちどはそれに気づきながら、また忘れつつあることが警察の対応の変化からうかがえる。2度目の警察バッシングはないかもしれないのに、このままでよいのだろうか。】。

  • 8月25日 「人民網日本語版」2001年8月24日付に「つくる会は無駄な努力を行なっていたのか(論評)」。【人民網は23日、「つくる会は無駄な努力を行なっていたのか」と題する論評を掲載した。論評の主な内容は次の通り。/日本の終戦記念日に当たる8月15日は、中学校の教科書採択決定の最終期限日でもあった。採択率を見てみると、「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書はわずか0.3%で、10%としていた目標には遠く及ばなかった。大敗を喫したつくる会は、果たして無駄な努力を行なっていたと言えるだろうか。答えはノーだ。/第一に、つくる会は日本の侵略戦争の責任を裁いた極東国際軍事裁判に対して批判的立場を掲げている。同じく敗戦国となったドイツではつくる会の揚げたような世論の多数が法律に追及されるに決まっているが、日本では侵略を肯定する主張が公然と政治の舞台に登場し、政界や経済界から支持を集めている。このような歴史に逆行する主張は、長い時間をかけて綿密に準備されてきており、多少の攻撃で歴史の舞台から消え去ることはない。/第二に、侵略の歴史を否定する勢力は一部の権力層と結託しており、またそれを裏から支援する者がいる。彼らは政界の各層に「代理人」を配し、抵抗勢力が衰えてきているのとは対照的に勢力を強めている。つくる会の歴史と公民の教科書が文部科学省の検定を通過し、東京や愛媛の教育委員会が採択を決定したことがこれを証明している。/第三に、つくる会の歴史と公民の教科書は、一般の書店で既に71万冊が販売され、好調な売上げを記録している。学生用の教科書がこれほど多くの大人たちに読まれるのは非常に稀なことだ。特につくる会が起こした世論の攻撃と文部科学省の「指導」による圧力で、今年は各出版社の歴史教科書が日本のアジア侵略の歴史部分を大幅に減らした。従軍慰安婦問題など日本の侵略戦争に関する記述の比較的多い出版社は、これまでにない排斥に遭い、採択地域を大幅に減らす結果となった。右翼勢力による教科書は、その出版の目的を果たしたといえる。/人の目をそらすために「窓を開けたければ、天井を崩すと叫べ」という方法が日本では使われ続けてきた。過去に多くの閣僚から「失言」が飛び出したが、つくる会の歴史教科書や小泉純一郎首相の靖国神社参拝でも、すべてこの伝家の宝刀が使われている。人々は天井が残っているのを見ると、彼らが本当は窓を開けたがっていることを忘れてしまう。この時、裏で黙々と次の計画を練っている人がいることを忘れてはならない。】。★関連リンク集:「つくる会」教科書検定合格関連ニュース・トピック「つくる会」教科書関連リンク・データ・トピック(いずれも山下真さんのページにリンク)。

  • 8月24日 韓統連大阪のホームページが「ピョンヤン行事 訪問団7名に令状」(連合ニュース 8/23)と報じている。【ピョンヤン祝典訪問団を捜査中の公安当局は、去る21日に緊急逮捕した南側代表団16名中、汎民連南北海外連席会議に参加した、汎民連キム・キュチョル副議長(67歳)など7名に対して、国家保安法違反(潜入脱出・称賛・鼓舞)などの容疑で23日、拘束令状を請求した。/拘束令状が請求された人は、キム・キュチョル氏の他に、国家情報院で調査を受けたイム・ドンギュ氏(62歳・.汎民連光州全南議長)、ムン・チェリョン氏(62歳・汎民連ソウル副議長)、キム・セチャン氏(39歳・.汎民連中央委員)パク・ジョンファ氏(38歳・汎民連光州全南事務局長)と、警察で調査を受けた東国大のカン・ジョング教授(55歳)とチョン・サンボン氏(36歳・韓国青年団体協議会議長)などだ。】。関連して「ピョンヤン行事に対する「統一連帯」声明(全文)」。▼『読売新聞』2001年8月23日付「編集手帳」。【…小社出版局が発行する「オッホ」の今月号で、映画監督の大林宣彦さんがクイズを出している。「一時間半の映画ではスクリーンに絵が映っている時間は何分か」◆正解は五十分だそうだ。映写機は一秒間に二十四回まばたきするが、シャッターが閉じてフィルムが入れ替わるのに九分の四秒かかる。一時間半のうち四十分間、観客は闇を見ているのだという。この闇を大林さんは、文章に例えて“行間”と表現し、観客に行間を読ませるのが演出だと述べている。九分の五の映像が物事の「記録」だとすれば、九分の四の闇はその記録を心の内に投影する「記憶」の時間である、とも◆…】。

  • 8月23日 京都女子大学現代社会学部平川秀幸研究室のページに、「市民科学者を支えるために、シャロン・ビーダー著『グローバルスピン』出版記念研究奨励金受給者による研究報告会」。【昨年、『グローバルスピン』の邦訳出版を記念して、創芸出版と高木仁三郎さんは共同事業として2名の若者に研究奨励金を授与しました。/『グローバルスピン』はオーストラリアのウォロンゴン大学科学技術学部で新しい型の技術者を教育しているシャロン・ビーダーさんが、環境問題の企業戦略を調査し、民主主義にとっての脅威となっていることを明らかにした書物です。/『グローバルスピン』の趣旨を理解し、日本における調査研究をしようと応募した2人の、1年間の研究成果を発表していただきます。/残念ながら、高木仁三郎さんは早々と逝ってしまい、結果を聞いてもらうことはできませんが、「高木仁三郎市民科学基金」(略称 高木基金)という構想を残してくれたので、どういう形で市民のための科学者を激励するか、現在検討が進んでいます。その経過の最新情報の発表も兼ねます。…】。日時:9月1日(土)午後2時から、会場:カタログハウスホール(JR新宿駅南口から徒歩7分)、あいさつ:松崎早苗、問題提起:リスク論を考える 金森修、研究発表「ダイオキシン、環境ホルモン問題における塩ビ業界の情報戦略と塩ビ追放運動についての調査研究」三島佳子・「環境ホルモン問題における市民と政府のパーセプション・ギャップ」定松淳、報告:高木基金の研究奨励の方向について 高木久仁子、主催:『グローバルスピン』出版記念研究奨励金審査委員会(シャロン・ビーダー、故高木仁三郎、松崎早苗、金森修、平川秀幸、松山圭子)。

  • 8月22日 INTERNET Watch連載中の「小形克宏の『文字の海、ビットの舟』―― 文字コードが私たちに問いかけるもの」。「特別編12 表外漢字字体表は、JIS漢字コードをどう変えるのか?(3)」(2001年8月22日)、「特別編11 表外漢字字体表は、JIS漢字コードをどう変えるのか?(2)」(2001年6月20日)、「特別編10 表外漢字字体表は、JIS漢字コードをどう変えるのか?(1)」(2001年6月13日)。

  • 8月21日 PDF Conference On the web のページに、「PDF Conference 2001サードベンダープライベートセミナー受付開始」(8月20日)、「座談会 ●第五回 Adobe Acrobat5.0の使用感」(7月13日)/「座談会 ●第四回 大学におけるPDF活用術」(1月28日)。

  • 8月20日 『サイゾー』2001年9月号のコラム「IT用語は中国人におまかせ!」(監修=パンダ)。【電子商業=eコマース:電子でもって商業活動をする!単純明快。/黒客=ハッカー:黒い客は悪いことをしそう?/双撃=ダブルクリック:思わずフルパワーでクリックしそうです。クリックは「単撃」。/臭虫=バグ:たしかに、クサ虫め!といいたくなるくらいムカツクけど……。/鼠標=マウス:行き先を指し示すネズミ、すなわちマウス。/探検家=IE:エクスプローラは探検家、そのまんまやないかい!/位置=サイト:WEB上の位置を指し示す。英語もそのまま。/内容:コンテンツ:これまた、そのまんまやないかい!】。

  • 8月19日 読書録8月14日付でとりあげた靖国神社参拝問題について、『毎日新聞』2001年8月19日付に「検証 「靖国」前倒し参拝/福田長官、極秘にシナリオ――決着へ別の談話、驚いた首相側近」。【小泉純一郎首相による「前倒し靖国参拝」を動かしたのは福田康夫官房長官だった。小泉首相はぎりぎりまで15日参拝を探っていた。自民党の山崎拓幹事長、加藤紘一元幹事長や、公明党、外務省は「15日回避」を求めていた。こうした中で福田氏は、12日から13日にかけ、首相周辺が練っていた談話とは別の談話をひそかに準備して首相を説得、「前倒し」のレールを敷いた。なお不透明な部分が多い政治判断の一端を検証する。】。その一部は、Mainichi INTERACTIVE「靖国参拝:小泉首相の「前倒し」を動かしたのは福田長官」(8月18日)に。

  • 8月18日 「外国人登録原票:朝鮮総連が抗議声明 公安調査庁の写し入手」(Mainichi INTERACTIVE 2001年8月17日)、「公安調査庁:京都市以外からも外国人登録原票の写しを入手」(Mainichi INTERACTIVE 2001年8月18日)。【関連】1996年小平警察署「外国人登録原票閲覧事件」(朝鮮新報のページ)。▼『The Incidents』のページに、寺澤有「「逮捕」 人間の尊厳が踏みにじられるとき」(2001年8月16日付)。【個人が合法的に「自由」を奪われる──。それが「逮捕」だ。容疑者たちは、過酷な取り調べの中で自尊心を失い、極限状況へ追いつめられていく。元公安調査庁キャリアでありながら、2度の逮捕歴を持つ野田敬生(のだ・ひろなり)氏(31)が、経験者でしか知り得ない、その異常な心理を分析する。】。

  • 8月17日 8月16日、教科書採択終了で「つくる会」と反対派がそれぞれ会見、[aml 23148]が、「新しい歴史教科書をつくる会」の会見、および同教科書に反対する市民団体「子どもと教科書全国ネット21」の声明を紹介している。

  • 8月16日 帝国データバンクのページ(倒産速報&集計)に、「全国企業倒産集計2001年7月報」。【倒産1567件、4カ月ぶりの前年同月比減少/不況型倒産78.0%、過去最悪を記録】として倒産件数、負債総額をレポートしたうえで、今後の問題点として【…間違いなく悪性のデフレ圧力は高まり、倒産と失業のラッシュは避けて通れなくなる。……これまでほとんど唯一の牽引役だったIT関連企業の業績不振が鮮明となり、日本経済は「さらに悪化」の一途を辿り始めている。デフレ、株価下落は一段と進展、完全失業率は4.9%と過去最悪が続き、鉱工業生産は4カ月連続でマイナスとなり、消費支出も3カ月連続して前年を下回るなど、実体経済はますます悪化し、“痛み”の大合唱のなか“小泉不況”という言葉さえ囁かれ始めた。……来年4月に迫ったペイオフ解禁の圧力でいよいよ再編淘汰が本番を迎え、かつ株価下落などによって実質的に深刻な自己資本の毀損に見舞われている銀行は、自らの生き残りをかけた収益力改善のためにも、融資条件の変更や金利引き上げにとどまらず、強引な担保物件の競売、短期資金の借り換え拒否、突然の融資打ち切りなどなりふり構わない債権回収を行っており、それに対する経営者の反発と悲鳴は後を絶たない。それは、ただでさえ公共工事減少、輸出減少、得意先の海外進出、設備投資と消費の低迷、リストラなどによる売り上げの大幅減少に見舞われて青息吐息にある無数の中堅・中小企業の息の根を止めている。…】と指摘、【9月中間決算から年末にかけて、企業倒産は一段と増加するであろう。】とむすんでいる。