読書録 2001年7月前半(敬称略)

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  • 7月15日 ▼沖縄タイムス2001年7月11日付は「「抜本的」削除し決議/衆院外務委、政府に配慮」として【衆議院外務委員会(土肥隆一委員長)は十日午後、米兵暴行事件を受けて政府に日米地位協定の見直しの検討を求める決議を全会一致で可決した。これを受け、田中真紀子外相は「趣旨を体して事態改善に鋭意努力していく」と表明した。決議文では―日米地位協定の見直しをも早急に検討―事態の抜本的改善に取り組むべき―と求めたが、理事会で確認された「抜本的な見直し」の文言から自民党側の意向で「抜本的」が削除されるなど「改定」に慎重な政府側に配慮した。決議には法的拘束力はないが、政府は具体的な対応を迫られる。……「抜本的」との文言を外したことについて、自民党側から説明を受けた赤嶺政賢委員(共産)は「山崎拓幹事長の意向で、抜本的見直しでは自民党内が厳しいと説明していた。少々物足りないが後段に抜本的改善などの表現もあり、協定の見直しという流れがあるので賛成した」としている。】と報道。▼米軍人・軍属による事件被害者の会は、同会提案の「損害賠償法」損害賠償法案とともに、「日米地位協定」見直しに関しての沖縄県見直し案、民主党案などを紹介。▼沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックのページに沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック(代表・上原成信)「米軍の沖縄からの撤退を求める要求書」(2001.7.10)。他組織・団体の米兵による性暴力事件に抗議する声明集も。

  • 7月14日 ▼メールマガジン「ACADEMIC RESOURCE GUIDE」104号に、石井由香・定松文・池田緑「学術情報の在り方と「知」の構築における社会性 ─EMSJにおける電子ネットワーク利用から─」。原文所在はhttp://www.mediacom.keio.ac.jp/~kawasaki/infomid2/rep2.html。▼浅野健一ゼミのページに、浅野健一「本当に被害者のことを考えているのか」(2001年7月8日)。【大阪の児童殺傷事件の後、「今回の事件は精神障害者を匿名にしてきたから起きたのではないか。お前はどう思うのか」「お前のような人権屋がいるからこんな事件が起こった」などという電子メールがたくさん届いた。……今回の事件も非常に怖いが、こういう「大衆」や知識人も恐ろしい。】という浅野は【…「犯人が憎い」ということだけを考える人々は、「匿名報道を主張する奴は許さない」「実名報道でやっつけろ」と短絡的に考えるのだ。/実名報道は被害者にも及んでいる。実名・顔写真を出されている児童たちは取材を受けたことで、事件のショックをさらに強めた。ヘリが飛ぶ度に脅える児童もいる。被疑者の写真がテレビに出ることで、トラウマを思い出している子どもたちもいる。そいう報道がある。実名報道は被害者の二次被害にもなっている。被疑者も被害者も匿名でいい。少なくとも被害者は匿名である権利が絶対にある。保護者の了解なしに報道すべきではない。/「事件の重大性」を考えて匿名原則を捨てるというのはおかしい。事件の重大性は、実名報道の根拠にはならない。懲罰の意味で実名を出すというのなら、それはリンチの肯定だ。/「人権派」の弁護士や医師らが保安処分に反対した実現しなかったから、今回のような事件が起きたという短絡的な主張が出てきた。これもまた社会の病理である。】と指摘している。

  • 7月13日 ▼7月11日付読書録既報の劉連仁さん戦後保障訴訟の東京地裁判決。毎日Interactive 7月12日付に「戦後補償訴訟:中国人強制連行で国に賠償命令 東京地裁初判断」。▼帝国データバンク(TDB Watching)のページに、「民事再生法申請企業、1000件に達する〜施行から1年3か月、月平均66.7件のペース〜」。全文はPDFで読むことができる。▼ビルトッテンのページに、アンドリュー・デウィット「日本の所得税について」〔『エイジャン・パースペクティブ』誌Vol 24, No. 4, 2000 掲載〕。

  • 7月12日 『ロック画報』05(2001年7月、ブルース・インターアクションズ)にパンタ・インタビュー「ロックが当たり前の時代になって俺はまだ藪の中を歩いてる」(聞き手・広瀬陽一)。「…ずっと『俺たちだけが正しい』という比類なき自負心があったという話でしたけど、その自負心が、足元すくわれてすってんころりんと転がる場面というのは当時なかったんですか。」という広瀬の問いに対して、パンタ(中村治雄)は答えている。【当時はない。でも、頭脳警察やめてから、何年か経って、ロダンの言葉っていうのが出てくるんだけど。…ある日、新聞のコラムに、ロダンの言葉っていうのが出ててね。そこに“模写を恐れてはいけない”って書いてあったんだ。模写を“するな”ではなく、“恐れてはいけない”だよ。なんかグサッと自分に刺さった気がした。“模写を恐れてはいけない。模写はその人の手を動かす前に、心を通るから”って書いてあって。つまり、心を揺り動かされるぐらい感動したんだったら、素直にマネしなさいってことだよね。もうガクーンって感じ。だから、なんていうか、俺たちはビビッてたんだよ。臆病だったんだよ。……そう。模写した途端、自分がなくなるんじゃないかって、恐いもんだからツッパってたわけ。真似しねえぞ、オリジナルだぞってね。でも、ロダンは“恐れずに真似しなさい。真似して真似して、真似しまくって、そのうちに自分が出てくる人は出てきますよ”って言ってるわけ。本当にあれは愕然とした。……そうか、俺は恐れてたのか、海外のアーティストの優れたところを真似することを恐れてたのかと。結局、自分たちが正しいことをやってるとか、孤高のことやってるとか、そんなカッコいいもんじゃなくて、実は自分が一番ビビッてたんじゃないか、ってね。】。

  • 7月11日 ▼中国人強制連行・劉連仁さんの裁判が判決を迎えます! 7月12日(木)13:20東京地裁103号法廷で開廷。判決言い渡し。18:30判決報告集会。全水道会館(水道橋駅前)500円 連絡先:中国人戦争被害者の要求を支える会 TEL 03-3942-8591。▼承前、石川九楊「グーテンベルクvs.王羲之 声と文字、印刷と書字」。【…文字と言語の観点から言えば、ルネサンス、宗教改革、ひいては資本主義が、ともに、いわばグーテンベルクの子にほかならない…つまり、現在のヨーロッパ各国――イギリスやフランス、ドイツ他の言語(国語)と国家と国民とは、その発生の根拠に聖典=聖書の印刷によって生れたという出生の秘密が烙印されている。そして、それは肉筆よりも印刷文字を神格化する印刷文字中心主義を生んだ。……西欧よりもはるかに印刷について先進的であり、かつ豊穣な歴史をもつ東アジアが、肉筆から印刷文字に転じたなどという発想をせずに、印刷後進かつ貧困のヨーロッパが肉筆から印刷文字へという発想をするのは、あくまで、ヨーロッパにおいては、印刷文字によって、国語が生れ、国家が生れ、国民が生れたという秘密に負っている。……それではなにゆえ東アジアでは肉筆→印刷文字へというような単純な発展を遂げずに、印刷術成立後も肉筆が尊重されねばならないのか?…その解答は、東アジアの聖典が聖書ではなく、むしろ手紙であったという秘密にある。…現在もなお手紙に「お変わりありませんか」「お元気ですか」「風邪などめしませぬように」「お身ご自愛ください」などと書くが、我々が日常的に用いているこの文体の起源は少くとも王羲之の時代まで遡上できる。……東アジアの書字史の原動力は草書体、肉筆、日常体、つまり「書く」ことにある。…東アジアは「王羲之の惑星」なのである。……近年の夥しく紹介されているメディア論はキリスト教的テクスト論と印刷複製過大評価主義、現代資本主義の商品論との積畳に成立している当世風の議論である。人間が創造した作品の肉体を捨象するところに成立するテクストの機械的、あるいは電子的大量生産、増殖理論がメディア論にほかならない。】【唯一絶対神のキリスト教においては、世界の創造主=創造主体は神であり、人間は神によって造られた被造物と考える。ここでは、神のみが創造の主体であることから、創造の理論が生れず、これに代わって、消費の理論があたかも創造の理論ででもあるかのごとき顔立ちで登場してくる。神の被造物たる人間はあくまで神の言〔ルビ:メッセージ〕を享受し、たかだか隠された神の言〔ルビ:メッセージ〕の読み手(読者)としてしか存在しないのである。/現代の哲学や美学、言語の理論が、一九七〇年代半以降の資本主義の超現代化に呼応した電子計算機と情報社会化には役立っても、実際のところ未来への希望を宿した共同社会形成の理論としてはまったく役立たないのはそれゆえである。】。

  • 7月10日 石川九楊「グーテンベルクvs.王羲之 声と文字、印刷と書字」〔『文學界』2001年8月号所収〕。【東アジアにおいては、肉筆から印刷文字へと言う単純な図式で文字の基準が移行したと考えられるものではなく、印刷文化の中にあっても、主力は、肉筆にあり、印刷文字は同時代の書字によってそれが支えられている。現在もなお文〔ルビ:かきことば〕の中心に肉筆があって、その外側に遠心的に印刷文字や電子文字を疎外している……声高や声調、身ぶりや手ぶり、顔の表情なしで言〔ルビ:はなしことば〕が成立しないように、文〔ルビ:かきことば〕もまた書きぶりと言う肉体を具えて成立する。……肉筆→印刷文字→電子文字という単純な思考は…西欧的偏向思想に他ならない。……東アジアの書は単に東アジア地方に咲いたカリグラフィと済ますことはできず、書字の世界基準の位置にある。】【西欧諸国語はグーテンベルクの印刷術による聖書によって生まれた言語、言わば印刷術の惑星であり、聖書の惑星である。…このため、西欧諸国語は、印刷文字を文字の代表象徴と考える歪みがつきまとう。……言語(声)文化に対する自己批判の一方の現れが、無文字の非言語表現と文化の評価であり、他の一方の現れが文字の再評価である。……だが、結局のところは従来通り声を基盤に文字を扱うばかりで、声の周囲をぐるぐる回っている声の惑星たる思想を一歩たりとも脱けているわけではない。西欧が声中心の歪みを排し、文字言語にまで視野を広げるためには、自らのギリシア=ラテン語的、聖書的(印刷文字的、キリスト教的)、資本主義的特質にまで錘鉛を下ろす必要がある。】【…古代宗教文字から政治文字への転位という世界史上の最大の奇蹟が、東アジアを、言語の中枢に文字を据える文字中心言語圏へと組織し、この言語圏においては文字の違いが、国語と国家と国民を文節し、分化することになった。すなわち、中国とは漢字のみを使用する地方であり、朝鮮とはこれに加えてハングルを用いる国であり、日本とは漢字に加えて平仮名と片仮名を使用する国である。/他方、古代宗教文字=ヒエログリフ=エジプト文字は、古代宗教文字的性格を内発的に超克することができず、ついに、発音記号的音写文字・ギリシアアルファベットにとって代られ、ここに、音声中心言語地帯としてのヨーロッパが決定づけられたのである。】。

  • 7月9日 西尾幹二ほか『新しい歴史教科書』(扶桑社、933円+税)をめぐって異なる評者が当該書外の、同一の本をとりあげている。『週刊文春』7月12日号(文春図書館)の宮崎哲弥「新世紀教養講座/白熱する教科書論争。でも歴史教育って本当に必要?」は【私は、政治対立が避け難い歴史教育は義務教育から排除すべきだと考えている。慧眼の士はいう。「歴史事実の教育は学校の外で自由に大量に行われているのである。それら多様な見解のなかから国家が一つを選び、制度的に教えることは、学問的には不誠実であるし、財政的にはむだな出費というべきだろう」(山崎正和『歴史の真実と政治の正義』中央公論新社 1500円+税)。至論ではあるまいか。】と書き、『毎日新聞』7月8日付(書評)の三浦雅士「相対主義に陥らず歴史を考えるには」は【…山崎正和氏は『歴史の真実と政治の正義』において、「国家は初中等学校における歴史教育を廃止すべきだ」と提言している。歴史相対主義の観点に立っているからではない。民族も国家も概念としての限界を顕わにしつつあると考えるからである。いまや「国家は特定の民族文化の伝統から離れ、純粋に合理的な法と制度の体系として働くほかに生きる道はない」というのだ。『新しい歴史教科書』とは正反対の思想である。/山崎氏は、国家ができる歴史教育は「歴史記述の古典的名作を教室で読ませ、同時に後世それがどのように批判されたかを生徒に教えることであろう」としている。名案である。…】と書いている。

  • 7月8日 ▼朝鮮日報(日本語版)7月6日付「日「近・現代史の核心は修正できない」」。【日本政府は中学校の歴史教科書問題と関連し、韓国が35項目の再修正を要求したことに対し、近・現代史の核心部分には手を加えず、古代史の一部枝葉的な部分だけを再修正するという検討結果を、9日に韓国政府に通報する予定だと東京の外交消息筋が6日に発表した。…】。▼ピリカモシリのページ(イベント情報)に、〜アイヌ民族蔑視の根底を問う〜河野本道差別図書弾劾集会〔2001年7月9日(月)午後6時半、大阪・エルおおさか7F701号、1000円、主催:「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員会・関西(通称:ピリカ全国実・関西)〕。呼びかけ文「放送大学に対する抗議と申し入れの呼びかけ/河野本道氏による民族差別、人権蹂躙の授業(「世界の民族」第三講)中止を要求する」

  • 7月7日 ▼情報知識学会人文・社会系部会主催「第16回 歴史研究と電算機利用ワークショップ」〔2001年7月14日(土)、法政大学市ヶ谷校舎ボアソナードタワー9階0900番教室サイエンスルーム(生物)〕。なお同ページには報告予稿もアップされている。▼【敵対関係にあった「阻止住民」と現役信者の間に芽生えた心の交流、両者の合作による記録】という新刊の紹介! 藤岡オウム騒動を記録する会 編『町にオウムがやって来た』2001年7月刊、リベルタ出版、A5判上製¥2400(税込2520円)、ISBN4-947637-73-0。【のどかな町に突然降って湧いたオウム拠点施設の転入話。流言飛語が飛び交い、緊張が走る。一連のオウム事件に不安を抱いた住民たちは、施設のひとつ「社長宅」前にテントを張り独自の監視活動を始める。投石、電話工事妨害、荷物搬入阻止、信者帰宅阻止と、過激な敵対関係が続いた。ところがしばらくすると、両者の間に対話が生まれ、不思議な心の交流が芽生える。そしてとうとう、「阻止住民」と現役信者合作の、前代未聞の本ができてしまった。収録された信者たちの手記からは、これまで閉ざされていた彼らの心情がよく読みとれる。】。

  • 7月6日 沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロックのページに、沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会「女性暴行事件に抗議し、基地の全面撤去を求める要請」(2001年7月2日)。【またも許せない事件が起きた。6月29日未明に発生した北谷町美浜での女性暴行事件は,基地が存在する限り沖縄県民の生命や人権が常に危険にさらされ、人間としての最低限の権利も尊厳も無視されることを、改めて実感させられた。心底から湧き出る怒りを禁じえない。/大型ヘリ2機の接触事故、モデルガン発砲事件、全裸米兵の民家侵入など米軍兵士、軍属等による、悪質極まりない事件などの続発は、米軍基地が存在する限りなくならないことを明確に証明している。/事件が起こされるたびに、日米両政府及び関係者は「事件再発防止の徹底」「軍人の再教育」等を繰り返し、それを強化すれば、事件を防止することができるかの如く説いているが、どのような方法を持ってきても防止することはできないことは、これまでの事件が明確に示している。/もはや、基地の撤去以外に人権は守られないことは、沖縄民衆の確信でもある。/ところが無神経にも重大な事件が発生しているにもかかわらず、米空軍嘉手納基地では30日「アメリカフェスト2001」を開催し、お祭り騒ぎを演じている。まさに沖縄民衆に対する冒涜であると同時に新たな暴力行為でもあり断固抗議する。/今回の事件の究明中に日米両首脳会談がもたれ、ブッシュ大統領はいち早く反応し「謝罪」の意を表明しているが(それでも許せないが)、小泉首相は何んらのコメントもない。それだけではなく、「日米安保」の重要性を強調し、沖縄基地の存続・固定化さえ、暗に示している。このことは、沖縄民衆への新たな抑圧・差別・忍従を強いるもので、私たちは、この日米会談を絶対に許すものではない。/私たちは、今回の暴行事件の早い究明と犯罪者の厳しい処罰と共に沖縄県民への差別の象徴である米軍基地の即時撤去を強く要請するものである。】。

  • 7月5日 ▼「反天PUNCH」09号のページに、降旗節雄「小泉内閣の賞味期限について」。【…たしかに小泉は改革には痛みが伴うと繰り返している。しかしその痛みが倍増する倒産件数と失業率、十年の長期不況後の大恐慌であるとしても、国民はなお高い支持を小泉政権に与え続けるであろうか。この未曾有の支持率の高さを誇る政権の賞味期限は意外に短いのではないだろうか。】。▼『AERA』No.31、2001年7月10日号「臨時増刊/小泉で日本は変わるか」に、おすぎ「小泉さんは自然体には見えない油断ならないタカ派」。【…好きなタイプじゃないんです。あたし、ああいう長い顔がだめだから。目が細くて唇が薄くて鼻が長くて、やなのね、全部。/一番いやだと思うのは、若ぶってるとこね。X JAPANの曲を口ずさんでみたり、小泉今日子の歌を知ってるみたいに、中年のおじさんがこびてるとしか見えない部分。大体、自分の顔のどアップのポスターが売れることに対して抵抗感がない人って、とってもいやだと思うわけよ。…】。

  • 7月4日 ▼「人権・報道・インターネット」のページに、山下幸夫「刑事裁判はどう改悪されようとしているのか」(2001年6月29日)。2000年6月12日に司法制度改革審議会が内閣に提出した最終意見書のうち(1)刑事裁判の充実・迅速化(2)被疑者・被告人の公的弁護制度の整備、に対する批判として山下は次のように書いている。【最終意見書は、刑事裁判の充実・迅速化に関して、「その基本的な方向は、真に争いのある事件につき、当事者の十分な事前準備を前提に、集中審理(連日的開廷)により、裁判所の適切な訴訟指揮の下で、明確化された争点を中心に当事者が活発な主張立証活動を行い、効率的かつ効果的な公判審理の実現を図ることと、そのための人的体制の整備及び手続的見直しを行うことである」と指摘している。/それ自体は一見もっともな内容に見えるかもしれないが、これはこれまでの刑事裁判を根本的に変えようとするものである。/司改審は、「当事者の十分な事前準備」について、「裁判所の主宰による新たな準備手続」によって行わせることを予定しており、第1回公判期日よりも前の段階で、裁判所が争点整理に関与することを認めている。しかしながら、従来は第1回公判期日前には、裁判所が事件の内容に関わることは、起訴状一本主義による予断排除の原則から、裁判所自体が自制的であったが、司改審はそのような消極的な姿勢がいけないのだと指摘しているのである。/そして、最終意見書は、「刑事裁判の本来の目的からすれば、公判は可能な限り連日、継続して開廷することが原則と言うべきである」と述べて、刑事公判の連日開廷を原則とすると述べている。現在の刑事公判は大きな事件でも1月に数回の公判であるのが普通であり、連日開廷が行われた事例を聞かない。それは、公判に向けた準備が必要だからであり、連日開廷となった場合には、十分な準備ができないまま公判に臨むことを、被告人・弁護側に強制する危険性すらあると言わなければならない。/司改審は、この連日開廷を、重大事件について導入する裁判員制(参審制型の市民参加システム)を大きな根拠にしている。市民が裁判に関わるのだから、従来のようなダラダラとした裁判のやり方では駄目だと述べているのである。/そして、このような連日開廷を実現するためには、現在のような弁護人の体制では不十分だから、捜査段階からの公的弁護制度や公設事務所を設けたり、弁護士事務所の法人化によって(この点は既に今国会において弁護士法の改正がなされ、来年4月から施行予定)、刑事事件を弁護士個人ではなく事務所が受任するという形で、組織化を求めている。/ここでは、公的弁護制度が、連日開廷のための「手段」と位置づけられていることに注目しなければならない。司改審は、弁護士を連日開廷による「迅速」な刑事裁判のための「道具」として捉え、弁護人を「使いやすい」制度にすることを目論んでいるのである。…】。▼(再掲)句読点研究会のページに、第2回例会報告掲載の「句読点研究会ニュース第2号」および句読点研究会第3回例会案内「近代国語辞書に見る句読点」報告者:境田稔信氏、7月22日予定、句読点研究会第4回例会案内「縦組にとっての句読点 TeX組版からの見方」報告者:藤田眞作氏、8月19日予定。

  • 7月3日 ▼沖縄タイムス2001年7月2日付に「米大統領、15年期限否定/対米交渉の限界明確 政府、解決策見えず」。【ブッシュ米大統領が米軍普天間飛行場代替施設の使用期限設定に「人為的な期限は困難だ」と、その実現性をきっぱり否定した。軍事戦略上の弱点となる問題だけに、米国のスタンスに変更はないが、従来より明確な表現で拒否したことで、対米交渉の限界が明確になった。代替施設の工法論議が大詰めを迎えている中、早期決着を求める地元の声に日本政府がどうこたえていくのか、今後の焦点となる。……普天間飛行場代替施設の十五年使用期限問題が、日米首脳会談であらためて米側から「困難」との意向が示されたことで、移設予定の地元では「驚きはしない」「さらに交渉を続けてほしい」など、冷静に様子を見守っている。また、基地建設反対の側からは「受け入れ条件は完全に破綻(はたん)した」と強い声が上がった。……ヘリ基地反対協の仲村善幸事務局長は「森前首相との会談と合わせ、ブッシュ大統領から二人の首相に対して拒否されたことになる。代替施設の受け入れを撤回すべき」と強調。また、十五年使用期限を国内問題とする動きには「問題のすり替えだ」と切り捨てた。】。▼(再掲)句読点研究会のページに、第2回例会報告掲載の「句読点研究会ニュース第2号」および句読点研究会第3回例会案内「近代国語辞書に見る句読点」報告者:境田稔信氏、7月22日予定、句読点研究会第4回例会案内「縦組にとっての句読点 TeX組版からの見方」報告者:藤田眞作氏、8月19日予定。

  • 7月2日 ▼JCJのページに、「JCJが各界交流集会、小泉人気の下どう闘うか、「3点セット反対」の今後めぐり熱論」。【6月29日、国会が会期末を迎え、個人情報保護法案の今国会成立は阻止された。翌30日、JCJは東京・神保町の岩波セミナールームで、言論・表現の自由の法規制に反対する各界交流集会をひらいた。……】。▼句読点研究会のページに、第2回例会報告掲載の「句読点研究会ニュース第2号」および句読点研究会第3回例会案内「近代国語辞書に見る句読点」報告者:境田稔信氏、7月22日予定、句読点研究会第4回例会案内「縦組にとっての句読点 TeX組版からの見方」報告者:藤田眞作氏、8月19日予定。

  • 7月1日 宮内勝典「海亀通信」のページ(エッセイ)に、宮内勝典「静かな若者たち」(毎日新聞2001年6月19日)。はじめて早稲田で教壇に立ち【…みんな拍子抜けするほど礼儀正しい。ぼくたちが二十歳だった頃に比べると、びっくりするほどクールで静かなのだ。/だがホームページをひらいたところ、みんな急に活発になった。】という宮内は【ホームページも若者たちの小説で次々に埋まってきた。通読していくうちに共通点があることに気づいた。言葉のセンス、ウイット、自己批評性などは目を瞠るほど洗練されているが、遠い遠い夢をぐっと見すえるような図太さがないのだ。近距離の差異には敏感だが、若さの特権であるはずの遠視力、永遠の感覚がひどく薄い。/これは恐ろしいことだ。経済原理だけ神のように君臨する日本社会が、自然を殺し、子供たちから遊びを奪い、受験勉強ばかり強いてきたせいだろうか。永遠性をあらかじめ断念させられている痛ましさがある。時代の閉塞感も、まずそこから発生する。】と書いている。