3月31日 ビル・トッテンのページに、チャック・コリンズ、フェリス・イェスケル「アメリカの経済アパルトヘイト:経済的不平等と不安定の入門書」(The New Press刊)。【…1990年代後半の経済ブームによってもたらされたいわゆる米国の繁栄は、人々に均等に行き渡ってはいない。…そして大金持ちとそれ以外の人々との格差は、危険なほど広がっている。…金持ちが乗るリムジンはさらに長くなるが、ホームレスの数もさらに増えている。超高級マンションの建築が増える一方、手頃な家賃のアパートはますます少なくなっている。失業率は低いが、1998、99年と、労働者のレイオフ数は最高を記録した。中流家庭向けだった店は倒産したり、労働者世帯向けの格安店や、あるいは米国で最も裕福な消費者向けの贅沢品を売る小売店舗に模様替えしている。/消費者支出と借金が上昇する一方、個人貯蓄率は下がっている。企業の経営トップは巨額の報酬をさらにお手盛りで増やし、片や米国人労働者の半数は賃金が横ばいか、減少している。/新規雇用の多くは、臨時雇いかパートタイムで、健康保険も退職金も有休もない。民間部門で創出される職の3つに2つは臨時雇いに属し、その中間賃金は正社員の給与の約75%である。米国最大の雇用者は人材派遣会社のマンパワー社である。……これらの状況にもかかわらず、最近の世論調査では、多くの人が今の経済の功績に満足しているという結果が出ている。しかし、これは偽りの慰めかもしれない。なぜなら多くの人々が現在手にしている財産は、将来の成長と繁栄という仮定に基づいた借金によって賄われているからである。この借金三昧によって消費者需要が増加して経済を活気づけた。しかし、その一方で貯蓄率が低下し、医療費や大学の教育費が急騰し、破産などの不安定な経済的兆候が増加した。多くの中流階級にとってはその日暮らしの繁栄なのである。/世紀の変わり目の「永続的な」経済は、永遠に続くことはないいくつもの要因に基づいて進んでいる。ある人の資産が、その人の稼ぐ賃金よりも早く増えているのは、自宅や、株の見込み利益を形に借金をしているからである。1999年に最も急増した消費者債務は、抵当貸付やホーム・エクィティ・ローンであった。これは不安定さを示す1つの要因にすぎない。社会的格差があまりに広がると、社会が崩壊し始める。我々がとった対応策は、記録的な数の犯罪者を刑務所へ送る一方で、外から隔絶された富裕者だけの居住地を増やすことだった。道路のでこぼこ、経済の下降が、格差の広がりの隠れた危険性を暴いていくであろう。…】。
3月30日 Impress INTERNET Watch(2001年3月29日)のページに「米AltaVista、翻訳サービスに日本語などのアジア3言語を追加」。【検索サービスの米AltaVistaは28日、機械翻訳サービス「Babel Fish」に日本語、中国語、および韓国語を追加し、英語との双方向翻訳サービスを開始したと発表した。同サービスは現在、1日当たり100万回以上利用されている人気の高いサービス。これまでは欧州言語の翻訳サービスを提供していたが、これにアジア3言語が加わり、合わせて19言語に対応した。/Babel Fishを利用するには、テキストを入力するかWebページのURLを入力して、言語を指定すると、数秒で翻訳結果が表示される。テキストを入力する場合は、約40文または、約800単語まで。URLを入力した場合はWebページ全体が翻訳されるほか、クリックしたリンク先も翻訳される。なお、Webページ翻訳については、社内LANからの接続など、一部の環境では利用できないようだ。…】。URL:http://babelfish.altavista.com
3月29日 住居専用地域に設置されてはならない危険な巨大な実験施設である国立予防衛生研究所(略称・予研、1997年に国立感染症研究所=感染研に改称)の移転と実験の差し止めを請求する「予研(感染研)裁判」に対する東京地方裁判所の判決が2001年3月27日、言い渡された(提訴は12年前の1989年3月22日)。判決は「原告らの請求をいずれも棄却する。」というもの。映画『科学者として』監督・本田孝義は3月28日、「声明」を発表、【判決文の裁判所の判断を読みますと、国立感染症研究所(感染研)の周辺住民や早稲田大学教職員らによる「危険性」の指摘を「漠然たる不安」「抽象的」と切り捨て、「人格権を侵害している」という原告の主張を勝手に別の法理に置き換えるということまで行っています。……12年間の裁判の過程で、原告らはバイオハザードの危険性、特徴を立証してきましたが、バイオハザードの不顕性・遅発性(細菌やウィルスに感染しても、全ての人が発病するわけではないし、かなり時間が経って発病することもある。)という特徴を逆手に取り、「現在、被害が起きているとは言えない」ので「容認すべき」としています。このことは、再三原告が訴えてきたバイオハザードの危険性を無視しているばかりか、裁判所が「被害が起きてから対処する」という「人体実験の論理」をとったことを示しています。……新井秀雄さんは所内で見聞きしてきたことを踏まえ、裁判で証言を行い、危険性を指摘しましたが、新井さんの証言には全く触れられておりません。】と指摘する本田は【私は、『科学者として』を製作するにあたり、裁判を傍聴し、原告・被告双方の証拠を検討し、お互いの証言に耳を傾けながら、「感染研の現在の立地は危険である」という判断を下さざるをえませんでした。今回出された判決は、余談と偏見に満ち満ちたものであり、認めるわけにはいきません。/私は、ここに、予研=感染研裁判東京地裁判決を弾劾し、来るべき控訴審において、司法が適切な判決を下すことを要望いたします。また、今回の判決にひるむことなく、今後も自信を持って、『科学者として』の上映を続けていくことを宣言いたします。】とむすんでいる。
3月28日 ▼EMSJ研究の小箱のページに、ましこひでのり「社会学部唯野教授たちの生態」(6)01/02/27、(7)01/03/25、痛快、必読〔03.01.09リンク変更を訂正〕。▼大日本スクリーン製造のページに、「Mac OS X 発売記念、特別先行 OpenTypeフォント発売キャンペーンのお知らせ」(2001. 3.25 大日本スクリーン製造(株))。【この度、Mac OS X 発売に伴い Mac OS X バンドルのヒラギノ OpenType フォントをホームページ『フォントオンライン』などを通じて、3月24日から特別先行発売キャンペーンを開始します。今回発売する Macintosh 版のヒラギノ OpenType フォントは、Mac OS XのClassic環境ではバンドルフォントが使用可能なため、あくまで Mac OS 9単独の環境で利用するためにリリースするものです。…】。▼Impress PC Watch(2001年3月26日)のページに、「Mac OS X対応状況リンク集」。【ハードウェア】イメージワン/NEC/エクス・ツールス/沖データ/クワテック/ミディア/ディアイティ/ブラザー/アルプス/ニコン/キヤノン/エプソン/ラトックシステム、【ソフトウェア】フォントワークスジャパン/メディアドライブ/エルゴンソフト/アリーナプロジェクト/アスク/コーシングラフィックス/ピクセラ/マーベルコンピュータ/ヒューリンクス、各社の対応状況やサポート情報のリンク集、便利(最終更新3月27日)。
3月27日 『出版ニュース』2001年3月下旬号に、菊地泰博「流対協はこれから何処へいくのか――群をなして、自らを護るために」、「著作物再販制度の存続を求める決議」(2001年3月7日、出版流通対策協議会第23回定期総会)。毎日Interactive 3月24日付に「再販制度:国民的合意が不十分と当面存続に 公取委」。【新聞や書籍、音楽用CDなど著作物の再販売価格維持制度(再販制度)の存廃を検討してきた公正取引委員会は23日、当面、存続が適当とする結論をまとめた。「競争政策の観点からは廃止すべきだ」との従来の方針は崩さなかったが、文化や公共面への影響を懸念する意見が多く、国民的合意が不十分と判断した。関係業界や学識経験者らをまじえた協議会を今秋にもつくり、割引制度の導入など再販の弾力運用の状況について意見交換を続けるとしている。…】。〔03.28補足:「著作物再販制度の取扱いについて」全文は、公正取引委員会(報道発表資料)のページhttp://www.jftc.go.jp/pressrelease/13index.htm〕
3月26日 オンライン・マガジン『aala』No.38(2001年3月20日)に、駒込武「『精神の戒厳令』状態をうち破るために」。今年2月、卒業式・入学式に関する「要望書」が職員会議で認められたにも関わらず校長により反対されたことに抗議し、千葉県教委の校長に対する職務命令の撤回を求めた「請願書」が、千葉県立高校三校の生徒有志によって提出されたことにふれて、【九〇年代以降、「侵略戦争の象徴」だからダメなのだという見解から、「思想・良心の自由」を侵害するからダメなのだというように、抵抗のパラダイムの重点がシフトしてきているように思う。しかし、歴史をめぐる問いを後退させるのではなく、両方の観点を統合していかなくてはならないのではないか。】と指摘する駒込は【たとえば、なぜ「日の丸・君が代」に反対するのかと素朴に聞かれた時に、何と答えるだろうか。僕は次のように三段階の論理で答えることにしている。/それは「思想・良心の自由」を犯すものだから。/しかも、今日たまたまそのように利用されているというのではなく、歴史的に「思想、良心の自由」を踏みにじるための体系的な実践の中に位置づけられ、また、そのようなものとして「定着」させられてきたものだから。/そして、「思想・良心の自由」を踏みにじられることに慣れきってしまった人々が、植民地や占領地で他者の「思想・良心の自由」を踏みにじってきた歴史をまさに「象徴」しながら、暴力の歴史を反復させようとするものだから。】と書き、取り戻すべき歴史認識について次のように提起している。【最後の点に関連して、一つの例を挙げておこう。一九一九年の三・一運動の翌年、朝鮮人の独立運動の拠点を破壊するために、日本軍は間島に出兵し、多くの朝鮮人を殺した。間島の竜井村を拠点に布教活動に従事していたカナダ人宣教師の伝えるところによれば、「夜明けと共に武装した日本歩兵の一隊はキリスト教村をもれなく包囲し、谷の奧の方に高く積まれたわらや穀物に放火し、村民一同に外へでるよう命じました。村民が外にでるや、父といわず子といわず目にふれるものはこれを射撃し、その半死のまま、打ち倒れるものには乾草を覆いかぶせ、識別できない程まで焼いてしまいました。……私が竜井村に帰着すると、日本兵は泥酔しており、同市は日本の国旗でおおわれていました。本日朝鮮人家屋で日章旗を掲げない者は悉く騎兵の記帳するところになっています」(姜徳相編『現代史資料28 朝鮮4』みすず書房、一九七二年)。/注目したいのは最後の部分である。この虐殺が行われたのは「天長節」(天皇誕生日)祝日であり、そのために虐殺を終えたばかりの兵士たちは「泥酔」し、各戸には「日章旗」が掲げられている。「日章旗」を掲げなければしっかり「記帳」され、「不逞鮮人」としての烙印を押され、次なる虐殺の候補者とされる。「日の丸」や「君が代」は歴史的にこのような役割を果たしてきたし、現在も果たし続けている。それは「行動」と「思想」を分裂させる力であると同時に、「国民」から「非国民」とされる人々を析出し、排除し、抑圧する力でもあるのだ。自らの「思想・良心」を置き去りにしながら(あるいは、置き去りにしているということすらも忘却しながら)統一的な「行動」をとれるのが「国民」である以上、この二つは別のことではない。/「精神の戒厳令」状態をうち破るためには、こうした歴史認識が不可欠なのではないか。もちろん、それは所沢高校や千葉県立高校の生徒への問いかけであると同時に、歴史研究者を名乗る自分自身により鋭く跳ね返ってくる問いかけでもある。】。
3月25日 『内外タイムス』連載「検証・山口組幹部銃刀法裁判」(5)2001年3月24日付。【司忍・弘道会会長の無罪判決が出た後、石松竹雄弁護団長は記者会見でこう語った。「捜査当局が司会長を逮捕・拘留して、起訴までするに至ったのは、山口組の大物組長だからであり、捜査当局が一罰百戒的な効果を狙い、暴力団に対する社会的な評価に依拠し、安易な事実認定と不当な法の拡大解釈を介して有罪に持ち込もうとしたところにある。しかしながら、被告人が大物組長だからといって、罪なき者を処罰してよい理由にはならない」/……「法のもとの平等」という憲法の基本原理が、やくざに対してはなし崩し的に適用除外となっている。新たな法律では、これが前提とされている。暴力団対策法しかり、盗聴法を柱とする組織犯罪対策法しかりである。しかし、これらの法律では一般市民をも対象とした、危険な意図を読み取れる。……「暴力団などの組織犯罪を取り締まる」としながら、その歯止めは法律の中に入っていない。やくざを「暴力団」と名づけ、ことさら危険なもの、市民生活を破壊するものとあおり、その取り締まりを口実に警察が絶大な権力、そして利権を得ていくという構図が見えてくる。】と指摘する連載記事は最終回を【「銃を用いた凶悪犯罪が多発している今日、銃器犯罪を厳しく取り締まる必要があることはいうまでもない。だが、罪なき者を処罰することも許されない。犯罪が成立するか否かは、憲法と刑事訴訟法に従って、証拠に基づいて厳格な証明によって判断されるべきことが求められるのであり、このことが揺るがせられるようなことがあれば、戦前の治安維持法下における暗黒裁判と同様の事態を容認することになる。このようなことは、民主的な法治国家においてとうてい放置できない」/石松弁護団長の言葉はこの裁判だけでなく、現在のやくざ、そして市民を取り巻く状況を端的に表しているといえよう。】とむすんでいる。
3月24日 日仏会館のページに、国際シンポジウム「文字文化の再創造 ―西洋と極東における文字の視覚的形態」。日時:4月6日(金)〜8日(日)1階ホール/同時通訳付き、プログラム:▼4月6日午後6時より、パネルディスカッション「文字,言葉,絵」、▼4月7日午前9時30分より「手書き文字,タイポグラフィー,絵」、▼4月8日午前9時30分より「表音文字,表意文字,絵画」、問い合わせ:日仏会館フランス事務所/TEL.03-5421-7641、【本シンポジウムは、文字はイメージから生まれたものであるが、それを用いる文化によって次々とたえず創造されていくという仮説から構想された。西洋と極東において、どのようにこの文字の再創造が実践されてきたのかが検討されることになる。中国では、まず文字は神々の託宣(卜占における)であり、それを人間が利用することになったのである。日本では、中国の漢字が日本独自の文字を形成するために用いられた。アルファベットを使う世界では、その機能から視覚性を排除した文字を受け継いでいたが、その文字も絶えず変化してやまないものであった。/このシンポジウムの独創性は、異なった文字体系をもつさまざまな文化を視野に入れていることである。そのため一回の発表では、類似のテーマを持ちながら異なった文化を背景とする二人の専門家を併置して、セッションを進めたり、または同一の文化の中での異なった視点を対置するよう配慮されている。/このようにして、これまで相互にあまり関係を持たなかった西洋と極東における文字使用の実態の中で、現象が一つに集約したり再編成されたり、あるいはパラレルな関係であったり分離したりすることなどをも検討し、そうすることによって文明の差異を越えて、さらに文字とイメージを結ぶ絆を明確にすることを期待したい。…】。
3月23日 JPCのページに、3月定例セミナー「InDesignが変える日本語DTP環境&OpenTypeの徹底解説」。■日時:2001年3月30日(金)13:30〜17:30(予定)、■会場:コートメダリオン 7階 第2ホール(東京都千代田区富士見2-10-28)、■13:30〜14:30「OpenType徹底解説」宮島誠一郎氏、14:45〜15:30「InDesignは日本語DTPの環境を変える」菊池美範氏、15:40〜 16:40「日本語行組版に必要な機能とInDesignの現状」向井裕一氏、16:40〜17:30座談会「InDesignを誉めすぎずに言いたいことを言う」菊池美範氏+向井裕一氏+中嶋かをり氏、【日本語DTP環境の問題点は、主にフォントとワークフローにあるといっても過言ではない。あらたに登場したフォントの仕様OpenTypeと、クロスプラットフォームのレイアウトツールInDesignはこれらの問題を解決し、次世代パブリッシングを拓くポテンシャルを有している。すでにデザインから印刷の実績をみせているInDesignを語るのは、パワーユーザー3人組。久しぶりに「組版が熱い!」】。
3月22日 読書録3月15日付既報の山口組の司忍・弘道会会長の銃刀法違反事件に対する無罪判決について、『週刊大衆』2001年4月2日付は【…裁判所は共謀の事実の有無について「反社会的な暴力団組織といえども、親分の近くで子分が拳銃を所持していた一事をもって、暴力団の行動原理から親分と意思疎通があったと推認するのは、論理の飛躍。周囲に拳銃を持った者がいるかもしれないという、漠然とした認識(未必的認識)程度」……「合議メモなど、有罪の直接的証拠はない。行動の追跡捜査もしていない。状況証拠も、客観的証明がない」…】との判決を引き【「拳銃事件が多発している時代だが、法に従った手続きと、厳格な証拠で犯罪を証明するべきだ。暴力団事件によって原則が崩され、暗黒裁判が横行しないためにも、14人の弁護人が立ち上がった」】との石松竹雄弁護団長の発言を伝えている。また『内外タイムス』連載「検証・山口組幹部銃刀法裁判」の(2)2001年3月21日付は、宅見事件直後の1997年【…9月1日には、関係11都道府県の暴力団対策担当者を集め緊急対策会議が開かれ、「山口組は宅見という司令塔を失って組織が揺れている。分断、解体には絶好のチャンス」と通達された。これを機に、直系組長、さらには最高幹部をターゲットとした「新頂上作戦」が展開されることとなる。……3組長はいずれも山口組若頭補佐の立場にあり、宅見若頭が亡くなった後、後継若頭候補として警察当局がマークしていた。警察にとって3組長の逮捕は、必要不可欠の「アピール材料」だったわけだ。】と、予断と偏見にもとづく政治的逮捕だったと指摘、(3)2001年3月22日付は、検察側が「暴力団の行動原理」なるものを持ち出して共謀共同正犯と決めつけたことに対して、【1958年の「練馬事件」最高裁大法廷判決では……共謀共同正犯の成立には2人以上の者が犯罪の謀議を行い、これが厳格に証明されなければならないとして、その成立範囲を限定、不当な拡大解釈に歯止めをかけ】たことをひき、【弁護団は検察側の主張する「暴力団の行動原理」なるものを、次のように批判した。「暴力団組員についてはそのような傾向があるという程度のことは言えても、単なる傾向性の域を出るものではなく、それをもって論理則としての原理などと称し得ないことは明らかであって、本件において暴力団の行動原理なるものが通用する余地はない」】と明解に述べている。
3月21日 BizTech NEWS に「大日本印刷、電子/オンデマンド書籍の販売サイトを開設」(2001年3月19日)。【大日本印刷は2001年3月19日、書籍の内容をデジタルデータ化した「電子書籍」と、ユーザーの注文に応じて小部数を印刷する「オンデマンド書籍」を扱う書籍販売サイト「ウェブの書斎」(http://www.shosai.ne.jp/)を開設すると発表した。電子書籍は、書籍の内容をデジタルデータ化してインターネット経由で販売する。オンデマンド書籍は、利用者からWebサイト上で1冊から注文を受け付け、注文された部数、指定されたページなどを印刷・販売する。サービス開始は、3月21日から〔引用者注:オープン予定は同日正午とのこと〕。……電子書籍には、ボイジャー(本社:東京都渋谷区)が開発した電子書籍向けのフォーマット「ドットブック形式」とPDF形式の2種類を用意する。ドットブック形式は、ダウンロード用にデータ量を小さくして、背景やふりがななどを含む文章を本のようなレイアウトで表示するための電子書籍用フォーマット。ドットブック形式の書籍閲覧には、CD-ROMを媒体にした専用ソフト(無料)が必要となる。PDF形式のものはAcrobat Readerで閲覧可能。書籍の形式は出版社によって異なり、中央公論新社がPDF形式、そのほかの出版社はドットブック形式。価格は、1冊300円から。…】。
3月20日 『週刊ダイヤモンド』2001年3月24日号が「あなたも狙われている!、個人情報流出の恐怖」を特集、【Part1:1億人の情報握る名簿業者 プライバシーは丸裸も同然】【Part2:ネット時代に急加速する“ウラ”個人情報ビジネス】【Part3:個人情報で売上げを増やす知られざる最先端ビジネス】【Part4:ここまで把握されている!個人情報「国家管理」の実態】の4部構成。Part4で江下雅之は【ネットワーク社会は匿名社会などという指摘もあるが、商取引に関しては、まったく逆の側面がある。現金ほど匿名性の高いシステムはない。だれが持っていようと、一万円札は一万円の価値を発揮できる。しかし、電子マネーという制度は、取引のたびに「だれが支払うのか」を厳密に確認する手続きが不可欠だ。/アメリカやフランスでクレジットカードやデビットカードが普及した背景には、個人の信用力を基盤にした個人小切手が浸透していたという前提がある。カード化は信用照会をスムーズに進める合理的な目的に適っていた。かたや、個人消費では現金取引が中心の日本では、電子マネーの普及とは、慣れ親しんできた匿名社会を放棄し、個人の支払能力を逐次監視される状況を、ゼロから受け入れるという根本的な転換を意味する。】と指摘している。いずれにしても、情勢はいま、ビジネス誌をしてこのような社会問題を扱わしめるところまで煮詰まりつつあることはまちがいない。「抑圧された者たちの伝統は、私たちが生きている〈非常事態〉が実は通常の状態なのだと、私たちに教えている。」(W.ベンヤミン)
3月19日 『労働情報』571号(2001年3月15日、協同センター・労働情報=東京都千代田区神田神保町3-10宝栄ビル8F)に、安田浩一「路上生活者との友情が生んだ『仕事の発見』、新運転が始めた『準組合員制度』の有用性」。全国に三万人ほどといわれる路上生活者は、住民票や保険証なども持たず高齢者も多いため、仕事を探すのは難しい。【実は、偶然の出会いが、Aさんと「満足できる仕事」を結びつかせている。その出会いはまた、ある労働組合をも動かすきっかけとなり、雇用市場にちょっとした話題を提供することになった】と安田は、運転手を派遣する労働者供給事業を活動の柱とする新産別運転者労働組合(新運転)が昨秋の執行委員会で正式に決定し、事業のひとつとしてスタートさせた「準組合員制度」をルポ。【…昨年四月、東京都の清掃事業が区へ移管され、大規模な合理化が進められた。この事業に労働者を派遣している新運転をはじめ、現場サイドでは歯止めのない合理化には反対してきたが、現実的に非正規雇用の臨時作業員の需要は高まっていた。……そこで新たに生まれたのが「準組合員制度」である。補完的な位置づけの労働者を確保し、臨時清掃作業員として新運転に登録する。最低限の権利を守るために、一般組合員と同等の権利を有する「準組合員」の資格をも提供する。…】と路上生活者の労働の権利の改善への取り組みを報じる安田は【労働組合と社会の関係を強化するうえで、新運転の取り組みは大いに評価されても良いのではなかろうか。無論、組合を動かした菅野さんとAさんの功績は、いつまでも記憶に残されるべきである。】とむすんでいる。
3月18日 『The Incidents』のページに、浜島望「「Nシステム」を追う(第3回)監視された都市」(2001年3月17日)。【「Nシステム」は、警察のもくろみどおり、全国に着々と設置されていった。そればかりか、さらに高性能な新機種も投入され、国民監視の網の目は狭まるばかりだ。危機感を募らせた筆者は、ある決意を固める──。】として、連載第2回以降の動きをまとめている。1995年のオウム事件を口実に【1994年度までの9年間で設置された合計箇所数の1.5倍ほどを1年間に増設】という大増設がなされ、端末も静止画方式からから動画方式へ変わってゆく。【…1995年度の「Nシステム」大増設に対応して、私がなぜ調査に全力をあげる気になったかと言うと、やはり毎日のように寄せられる「『Nシステム』らしきもの」の発見報告や質疑の圧倒的量だった。そこから私は、権力の巨大な意志のようなものを感じざるを得なかったのだ。「Nシステム」の本質的な危険さを認識していながら、それまでは端末の量的貧困ゆえに、心のどこかで侮っていた私だが、この怒濤(どとう)の大増設にはやはり衝撃を受けたのである。……東京の「Nシステム」には、一種の配置法則がすでに推測できていた。その法則とは、「幹線道路の都県境付近への配置」であり、また当然のことながら「交通の要衝付近への配置」だった。先に述べた京葉間の例も参考にすると、公安警察が注目しそうな地点の周辺。さらにオウムゆかり(?)の地へのアクセス道路なども、きっと確率が高いはずだ。とりあえず、東京周辺から歩き回り始めるしかない。これが結論だった。/同時に、「Nシステム」関係に的を絞った組織作りも急がねば、と考えて、私は全国の友人、知人たちに「訴え」を出した。「ストップ・ザ・『Nシステム』」の行動は、「Nシステム」というものを広く国民に知らせることなくしては、決して具体化しない。そのために、まず実態を自分が知り、仲間が知らなくては話にならないわけだ。幸いに私や少数の仲間たちには、これまでの「Nシステム」への関心や調査や記憶があり、それらをこの「訴え」によって改めて集め整理することもできそうだった。/ちょっと作業を進めてみると、私たちはこれまでに意外なくらい「Nシステム端末」の設置箇所数を把握していたことがわかったし、配置法則も次々に整理されてきた。それらの法則についてはのちにも述べるが、「『Nシステム』の目的は盗難車両検挙」という話を信じる限り、それら配置法則 の“説明”はつかなくなっていくのだった。】。
3月17日 帝国データバンク(倒産速報&集計)のページに、「全国企業倒産集計2001年2月報」。【倒産1448件、2カ月ぶりの前年同月比増加/負債1兆1153億3300万円、2月としては戦後2番目の高水準】として倒産件数、負債総額をレポートしたうえで、【金融庁が銀行に不良債権の直接償却を促している。いまごろなぜ?というのが率直な印象である。遅すぎるし、いまさら方針を転換しても、すでにデフレ不況がスパイラル化しており、いかにもタイミングが悪い。その全体像は3月末までに明らかにされるということだが、説得力のある方針を示すのは困難であろう。しかも、発想の背景としてあるのは、金融再生のシナリオが瓦解しつつあるということだ。持ち合い株式の時価会計導入とペイオフ解禁が間近に迫るなかでも、銀行の収益力は回復せず、不良債権は増え続け、株価も下落している。追い詰められた金融庁が、一方では産業再生にも問題の一部を転嫁しつつ責任を分散しながら、他方では銀行に赤字決算や公的資金返済の遅れを恣意的に容認してでも、なんとか打開の道を探ろうとしているにすぎない。/そもそも銀行はそれが正しいと知りながらも、これまで直接償却に踏み切れず、倒産を先送りせざるを得なかった事情を無視している。引き当て不足とか、社会的な影響を回避するなどの現実的な事情を汲んで、国が公的資金を資本注入し優先株を持つという場当たり的な対応を繰り返してきたという事実の反省がない。おかげで錯綜した利害関係を解きほぐせなくなっている不況の実態を前にして、それから完全に遊離したところで、単に構造改革の勢いに乗ってアドバルーンを打ち上げただけである。今頃になって当局が理念的に直接償却を促そうとしても、事はそう簡単に運ばない。結果的に直接処理に対する国内外の期待を裏切り、一段と厳しい反発を受けることを覚悟しなければならない。】と指摘し、【いまはどうにか生きているが、この売り上げが落ちて行く状況がいつになったら止まるのか、もう本当に期待できないのか、そんな不安に襲われ、倒産は他人事ではないと感じている企業が非常に多い。株価の暴落、地価の続落、物価の下落、受注減少、競争激化、資金調達難などあらゆる環境条件が悪化の一途をたどっており、年度末から4月、5月にかけて、経営危機を迎える企業が急増する可能性は高い。】とむすんでいる。
3月16日 ▼IT Pro(記者の目)に「中国が変えるパソコン業界のビジネス・モデル」(2001年3月15日)。▼〔再掲〕読書録でもかねてから注目してきた山口組の司忍・弘道会会長の銃刀法違反事件(読書録99年8月1日付ほか)に対する昨3月14日の大阪地裁の無罪判決に注目、必見。宮崎学「大阪地裁の弘道会・司会長銃刀法違反無罪判決について」、同「大阪地裁の判決は「奇跡」なのである」。関連報道:毎日Interactive 3月14日付。
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