読書録 2000年10月後半(敬称略)

Jump to [読書録(月前半)] [トップページに戻る]
[特集] [盗聴法問題] [安田弁護士問題] [石原1] [石原2] [石原3] [石原4]
* 過去の読書録の検索への手がかりは[読書録人名索引] [読書録月別索引]へ。

  • 10月30日 国労は10月28、29日、東京の社会文化会館で第67回定期全国大会を開き、「不採用問題についてJRに法的責任がないことを認める」などの「四党合意」受け入れを盛り込んだ運動方針案を協議したが、採決できないまま休会になった。【写真速報(http://www.jca.apc.org/ouen/taikaishasin.html)】
     大会に先立ち26闘争団有志は27日、本部に対して「四党合意」承認と「JRに法的責任なし」決定は行わず、闘う運動方針を確立するよう申し入れ(http://www1.jca.apc.org/ouen/tosodan1027.html)を行ったが、国労本部は話し合いを拒否した。大会初日の28日、高橋義則委員長は冒頭あいさつ(http://www1.jca.apc.org/ouen/1028takahasi.html)で国労の闘う伝統をふりかえり、「四党合意」の問題点と疑問点を率直に提起した。翌29日、「四党合意」をめぐる経過報告について採決が強行され「承認」された。しかし、採決が強行されたことに反対派代議員、闘争団、組合員らが抗議の声を上げ続け、午後4時20分、議長が休憩を宣言、大会は午後5時半直前に再開され、結局、「四党合意」受け入れの運動方針案は採決できないまま休会になった。
     第1に、本部執行部による「四党合意」承認案は、7月1日と8月26日の臨時大会の強行につづき、定期大会をもってしても採決されなかった。なぜか。国鉄分割・民営化および「JRに法的責任なし」という「四党合意」は国家的な不当労働行為・支配介入であり、国労闘争団と日本労働運動の良心は、この本質をとらえたからこそ「四党合意」承認案の採決を三たび許さなかったのである。第2に、国労を総翼賛化の道にひきずりこむために闘争団を生け贄として政府と権力にさしだそうとした社民党と国労本部執行部は、労働者の団結を拡大するどころか分裂をもたらすことがますます明らかになった。闘いは、何を言っているかではなくどう行動しているかですべての組織を審査する。国労闘争の前進から学び、いっさいの幻想をすてよう。権力に対する闘いを前進させようとすれば、修正主義や改良主義に対する闘いを一体のものとしてすすめなければならない。第3に、1047名の解雇を撤回させ、国鉄闘争を勝利させる力は何か。それは総労働の形成にある。1047名の解雇をわが身にかけられた非道・無法ととらえ、仲間として労働者の生きる権利をまもりぬくという立場に立って、主力と指導力を中小企業労働運動のなかにしっかりと依拠し、日本の労働運動を再興し創造する闘いとして、団結を拡大していくことである。この基本的な力が、今秋のILO勧告にも反映し、権力をおいつめるのである。共にがんばろう!〔10.31リンク補訂〕

  • 10月29日 原子力資料情報室のページに、原子力資料情報室(共同代表 伴英幸)「張俊雄台湾行政院院長の決定を心から歓迎する、環境保護連盟の運動の成果を賞賛する」(2000年10月27日)として、【台湾政府が第4原発建設中止を決定したことは時代の流れにあった賢明な措置だと考え、原子力資料情報室はこの決定を歓迎する。……第4原発は日本の原子力産業が輸出する原発であるが、この輸出には日本国内で大きな反対の声がある。また、GEを主契約者とすることで言い逃れているが、実態的には違法な輸出といえる。日本の原子力産業の斜陽化の中での海外市場の開拓を狙ったものであったが、今回の決定は日本の原子力産業の野望をくじくものであり、さらには、日本の原子力政策の転換をも求める質を持つものである。環境保護連盟の成果を共有しながら、日本の脱原発を実現していくことを宣言する。】と声明。関連して、原子力資料情報室はアンテナNo.320アンテナNo.336で【忘れてならないのは、この原発計画がアメリカのGE社を隠れ蓑とした日本の原子力産業(日立・東芝および三菱)の原発輸出であり、再評価委員会が行なわれている期間中にも、日本の原発推進派学者などが国民党に招かれて原発推進論を展開した事実である。】と指摘、批判していた。

  • 10月28日 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合のページに一部掲載されたのじれん通信「ピカピカのうち」第10号(2000年10月15日)。湯浅誠「排除に抗して」は、北九州と浜松とふたつの自治体による野宿者排除と反対運動をふりかえって、たたかう以外にない、としたうえで、現在大阪府がシェルター(一時避難所)建設を計画している大阪市の【長居公園問題の持つ重要性と深刻さ】を指摘している。【1)九八年二月、新宿駅西口での火災を契機に、それまで東京都の(まだこの段階で国は動き出していない)自立支援センター構想に反対していた「新宿連絡会」が百八十度の方針転換をし、センター設置を求める立場に回った。それは、近代日本の貧民政策においてほとんど不可分のものとしてあった「収容」と「排除」を切り離すことに東京都が合意したからである。その後二年間、東京を中心に進められてきた自立支援センター早期設置闘争は、その「分離」の上に初めて成り立つものだった。長居公園問題は、東京での取組みが形成してきた流れを、日本最大の野宿者の街・大阪で、もう一度大きく逆流させようとするものである。
    2)一昨年以来、政府は厚生省などの関係省庁と新宿区や大阪市といった地方自治体で「ホームレス問題連絡会議」を設置し、昨年五月に中間報告を提出した。そこでは、野宿者を三つのカテゴリーに分ける「三分類」が提唱された。三分類とは、簡単に言えば、定職に就ける者には協力しましょう(住民票を置いて仕事探しのできる「自立支援センター」として現在具体化しているものを国として追認し、主要大都市で建設)、要保護者には生活保護をかけましょう、しかし、両方にあてはまらない者は「社会生活を拒否する者」として排除しましょう、というものだ。
     日本の野宿者の大半は、高齢であることを理由に仕事から排除され、そしてまた十分に高齢でないことを理由に(そこには何の法的根拠もない!)生活保護行政からも排除されて来た者たちである。野宿者はこれまで行政が自分たちに何をしてきたか/何をしてこなかったか、骨身に沁みて分かっている/分からされている。その反省や運用改善の努力が一切ないところで、形だけ整合性を保った三分類を突きつけられても、それを受容しろと言う方が無理と言う他ない。にもかかわらず、長居公園問題は「シェルターか(シェルターは自立支援センターの前段階と位置付けられている)、排除か」という形でこの中間報告を最も露骨になぞってきた。とすれば、長居公園問題が「東京と大阪の違い」などといったものとは全く違ったレベルの「意味」を孕んでいることは明らかである。
    3)現に東京でも、自立支援センターの建設を目前に控えた台東区において、地元住民が「センター設置と平行して、上野公園内のブルーテントを段階的に撤去する方策を立てる」という項目を含む要望書を東京都知事と台東区長に提出し、それを受けて三者の間でセンター「近隣の公園等のホームレスに対しては、関係機関と連携をとり実行ある対策を進め」云々といった「覚書」が取り交わされている(七月二十五日台東区民新聞による)。】【長居公園問題の結末は、九六年一月二十四日の新宿西口強制撤去以来の全国的な波及力を持つものと思われる。】

  • 10月27日 ▼JAGATのページに、「印刷市場に打撃を与える出版流通の変革」。▼朗文堂のページに、「和文金属活字号数・ポイント体系基準スケール」。【金属活字の全盛期には活字そのものがスケールとしてもちいられていました。スケールとしては簡便な「活字尺」という金属製のスケールがあっただけで、それを扱う印刷人や編集者との簡単な目安だけですんでいたようです。つまり活字版製造や活字版印刷は特殊な職業領域とみなされていましたからそれで足りていたのかもしれません。……ところでこうした書物の歴史研究や活字の研究には必須の「和文活字号数体系基準スケール」が、春田ゆかりさんのご努力で完成しました。ご存じのように金属活字号数体系はかならずしもきまった寸法が提示されていたわけではありません。したがってそれぞれのスケールには微妙な寸法誤差もみられました。そこで春田ゆかりさんはかつて新宿活字社が製作した活字スケールから採寸してできるだけ誤差をおさえるように工夫をこらしています。それを組版工学研究会では使いやすいようにフィルムに出力しました。それをポイント体系基準スケールとセットにしまして、ご希望のかたにお頒けしております。】

  • 10月26日 オンラインマガジン「The Incidents」に、安田浩一「『国労音威子府闘争団』 誇り高き家族の肖像」(2000年10月25日)。【「私たちの時間は、あの日から止まっているのです」 国鉄解体で職を奪われた国労(国鉄労働組合)組合員とその家族は、13年もの長きにわたって、闘争の日々を送っている。厳しい冬が迫る北海道・音威子府(おといねっぷ)村に、職場復帰を願って闘い続ける男たちと、それを支える妻たちを訪ねた。】という安田によるルポ。国労と日本労働運動の“本工主義”的、“改良主義”的な官許労働運動を「外から」「上から」批判することは「たやすい」ことかもしれない。しかし、この現実を直視し、当面する日本労働運動の良心をまもる結節点として国労闘争を闘うために肩を組み手をつなぐことからしか、日本労働運動の再興と創造のための闘いは始められないこともまた事実ではないだろうか。ぜひ全文を読んでほしい。

  • 10月25日 がんばれ国労闘争団のページに、「『4党合意』受諾でも、国労への対応、再雇用は一部/JR西日本社長」という西日本新聞の10月21日付報道を紹介している。【JR西日本の南谷昌二郎社長は20日、都内で記者会見し、国鉄の分割民営化に伴うJRへの不採用問題で、与党3党と社民党の解決案(4党合意)を国労が受け入れた場合の対応について「人道的見地から失業対策的な雇用をする考えはあるが、(国労が求める)解決金の支払いなどには応じられない」と述べた。/4党合意は、国労が「JRに法的責任がない」ことを認めれば、再雇用や解決金などの和解交渉を始める、との内容。南谷社長は、国労が4党合意を受諾しても、同社の譲歩は小規模な再雇用に限られることを示した。/南谷社長はJRグループの社長ではただ一人、4党合意受諾後の再雇用に前向きな考えを表明していた。同社長は、解決金などを拒む理由について「JRと国鉄は別法人。JRは法的に、不採用問題の当事者ではない。その点は裁判所でも認められている」と従来の主張を繰り返した。……】

  • 10月24日 Station Sのページの連載コラム「写植の現場から」に、岡田隆志「集団DTP作業のディレクション」(2000年10月14日)。【DTPはある意味、非工業的なワークフローです。1セットのトータルシステムと少人数のデザイナー兼オペレータで運営するには理想的なのですが、規模が大きくなるにつれて生産性は落ちてきます。「なんでもできてしまう」ことがかえって全体の効率を下げることもあります。それぞれの工程に特化したスペシャリストが大量に均一の処理をしていったほうが実は生産性が高いのです。】ことから【集団DTP作業のポイントは…、仕事を標準化することだと思います。一人で全部やっていてはとても終わらないような仕事も、オペレータのスキルに合わせて分業していくことによって、多くの処理を可能にします。今度は「分業化」そのものがワークフローになっていくわけで、やはりDTPはワークフローだとつくづく感じる】と指摘する岡田は、【組版の仕事をしているなかで思ったことは、当たり前のことではあるのですが、いい本を作るためにはいろんな人の協力が必要だということです。それぞれの工程でのスペシャリストが減っているなかでクオリティを落とさずに完成度の高い印刷物を作るためには、足りない技術を補いあうべく話し合い、協力しあっていくことが必要だと痛切に感じます。/編集サイドの人たちは従来のように造本設計からレイアウトまでこなすことができる人が減ってきているようですし、組版業者も職人肌のオペレータが活躍できる場は少なくなってきています。そんな現状のなかで、価格を下げることだけではなく品質を上げるために協力しあっていくことも文字文化を支えていくうえで大切になってくる】として【本当にきれいで美しい組版をしていくためには、デザイナー、編集者、組版屋がミーティングするのが理想】と提起している。

  • 10月23日 オンラインマガジン「The Incidents」に、安田浩一「『書かざる週刊誌記者』の国労取材メモ」(2000年10月20日)。【週刊誌というメディアには様々な「難敵」が存在する。あるいは「タブー」と言い換えてもいいだろう。……JRという企業もまた、そこに含まれるのである。…より重要な問題は販売ルートとしての「キヨスク」だ。最大のマーケットである首都圏において、なかでも「キヨスク」による週刊誌の売上げは、書店やコンビニをはるかに超える。】ことから【「国労問題」を取り上げられない週刊誌】の記者として【正義感でもなければ、国労への思いでもない。そもそも、これまで国労に対して何1つ、思い入れがあったわけではないのだ。単純な興味と週刊誌のシステムに対する反発心】から【「取材」に踏み切った】安田は、【国家権力に守られながら開く労働組合の大会とは、いったい何】かと自問しながら取材をつづける。【私の網膜に深く焼きついているのは、会場の内外で見かけた、執行部三役各氏の能面のような表情である。人間を管理する側に立つ者特有の顔。守りと怯(おび)えが交錯するかのような、無理してつくろった無表情。多くの労働現場で、この顔を、表情を見てきた。そう、労働者の怒りに直面した時の管理者、経営者の顔ではないか。彼ら組合活動家が辿(たど)り着いた地平を思う時、ただひたすら痛ましかった。/さらに私の中で何かが崩れたのは、臨時大会中、親執行部の組合員から飛ばされた「一生、闘争を続けてろ!」とのヤジを聞いた時である。「取材者」としての立場など、どうでもよくなってしまった。……あれから3カ月以上が経過し、今でも私は「書かざる週刊誌記者」として国労の行方を追っている。……「なぜ?」と問われれば返す言葉もない。ただ、私は知ってしまった。この問題には労働運動にとって「何をなすべきなのか」「何をしてはならないのか」といったすべての解答が詰まっていることを。/「しっかり見届ける」/自分自身に課しているのは、これだけだ。私は不条理な政治に胸をうち震わせながら、今後も国労を取材し続ける。】

  • 10月22日 がんばれ国労闘争団のページに、4党合意NO!働く者の人権は譲らない行動ネットワーク主催の緊急集会“10/26「4党合意」を拒否して闘いつづける国労闘争団を応援する緊急集会”のよびかけ。【9月26日から「4党合意」の是非を問う一票投票が行なわれました。結果は賛成が55%というものでした。国労本部は、この一票投票の結果を参考に10月28日・29日の大会で以降の方針を決定する意向を明らかにしています。/しかし、一票投票中止を求めてきたように、首を切られた者の運命をそうでない者が決める投票は、民主主義とは無縁です。「私たちの人生を勝手に決めないでください」という闘争団・家族の反対意思を踏みにじってはなりません。そして、定期大会で、○が過半数を超えたからといって形式的に四党合意承認を決めることは許されません。/投票や大会がどうあれ、闘いの主人公は闘争団であり、闘争団が闘いつづけるかぎり私たちは、最後まで支援します。/闘争団が四党合意反対を宣言し、政府・JRの責任による解雇撤回・職場復帰・バックペイを求めつづけるならば、この「四党合意問題」はふっとびます。解雇争議を闘う者は、組合や政党が何か決めたからといって、納得いく解決でないかぎり闘いをやめることはありません。政府・JRは闘争団が闘いつづけることをもっとも恐れています。「四党合意」を拒否しつぶしたとき、政府・JRは次の解決案を用意しなければならないところに追いつめられるのです。/いま、闘争団にとって重要な局面を迎えようとしています。「四党合意」を拒否して闘おうとする闘争団を激励し、新しい国鉄闘争を作り上げていかねばならないと思います。/多くのみなさんの集会への参加をよろしくお願いします。】。1047名の解雇撤回!「四党合意」撤回!JRに法的社会的責任あり!日本労働運動の良心はけっして屈しない。

  • 10月21日 オンラインマガジン「aala」No.33(2000年10月20日)に、太田昌国「多様性の中の、いくつかの忘れがたい表現――文藝春秋編『私たちが生きた20世紀』を読む」。【……「二十世紀開幕を告げた日英同盟と日露戦争」と書くのは山内昌之である。「日英同盟は平和の確立にも貢献した」ことを、当時の日本駐英公使の口を借りて主張する。「日英同盟が日本に名実ともに帝国意識をもたらすきっかけとなった」ことを述べた箇所では、英国の社会主義者の満州・朝鮮訪問時の発言と夏目漱石の「満韓ところどころ」の一節を引きながら、「二人の日常からすれば信じられないほど差別的な感慨かもしれない。しかし、率直なだけにリアリティに富んでいるのだ」と、決して否定的にではなく解釈する。歴史的評価の違いが生じるのは当然としながらも、「確かなのは、アングロサクソンの海洋国家と協調しているとき、日本は内外で平和を享受し国運も隆盛に向かった事実であろう」と断言する。そして「日米安保条約の解消を安易に唱える前に、まず日英同盟の意義やその破棄で失われた損得勘定を検証することも大事」だと続ける。/山内が言う時期は、朝鮮義兵闘争に対する弾圧や朝鮮の植民地化、大逆事件による幸徳秋水らの刑死……そのほか「内外で平和を享受し」たと断言するためには、「偽造する山内学派」となるほかはない歴史的事実がぎっしり詰まっている。アングロサクソンとの現代的協調である現行日米安保体制を肯定するための論拠として、山内がいかに貧相な歴史観の泥沼にはまっているかが歴然としている。】との太田による山内昌之批判に全面的に共感。

  • 10月20日 ▼ZAKZAK(夕刊フジ)10月19日付に「公的資金切れで来年から大型倒産続出――1万5000円割れ、大不況時代への「序曲」?」。▼ビル・トッテンのページに、アンドリュー・マーシャル「米国の21世紀の敵」〔2000年8月30日付『インディペンデント』紙〕。【いずれにしても、米国の軍事予算急増の意図するところは明白である。レーガン政権下の軍備増強期以降、世界大戦の可能性が低くなるにつれて、防衛機器の購入や兵器調達額の増加率は、1999年まで毎年低下してきた。2000年の増加率は、1984年以降初めて二桁の12%を記録した。1998年の450億ドルから2001年には620億ドルに増加する見込みであり、権威あるシンクタンクでは、800億ドルに近づくと見ている。この大幅な増加は、紛争の前触れと考えられる。……米国が新たな世界紛争を想定しているということである。今回の戦争の舞台はヨーロッパ大陸ではなく太平洋地域であり、米国の想定の一部は“アジア2025年”と題するレポートに記されている。……新たな脅威から生まれたプロジェクトの中でも最も大規模なものが、国家ミサイル防衛(NMD)である。これは、攻撃してくるミサイルを捕え、地上にあるロケットで打ち落とすというものである。米国はNMDの標的は北朝鮮とイランだといっているが、実際はそうではない。少なくとも、その2国だけではない。中国を標的にしており、さらに太平洋における米国の優位を維持することを目的としている。……米国は、軍備を大幅に増強させ、かつその焦点をヨーロッパからアジアへ移している。また冷戦期に匹敵する世界的な配備を行っている。……米国はすでに、攻撃用潜水艦を大西洋から太平洋に移動させた。軍隊の配備においても同様の動きが、おそらく大統領選の後に起こるであろう。「米軍資産のほとんどは、米国の国益を脅かすような紛争は考えられないヨーロッパに置かれている。脅威はアジアにある」と、“アジア2025年”は率直に記している。】

  • 10月19日 帝国データバンク(倒産速報&集計)のページに、「全国企業倒産集計2000年9月報」。【倒産1502件、9月としてはバブル崩壊後2番目の高水準――不況型倒産76.6%、2000年7月と並ぶ戦後最悪水準】と題した集計で、おもな特徴点として【7カ月連続1500件超え、9月としてはバブル崩壊後2番目の高水準/負債7741億8700万円、5カ月ぶりの1兆円割れだが、9月としては戦後3番目の高水準/不況型倒産1151件、構成比は76.6%と14カ月連続して70%を上回り、2000年7月に並ぶ戦後最悪を記録/特別保証制度利用後倒産319件、7カ月連続300件を超える高水準/「民事再生法」申請による倒産は54件、すでに倒産し前月までに集計済みの企業で同法へ切り換えた5件を含めると59件発生、4月からの累計は392件に達する】などを挙げている。

  • 10月18日 帝国データバンク(倒産速報&集計)のページに、「全国企業倒産集計2000年度上半期報(4月〜9月)」。【倒産9473件、上半期としては戦後4番目の高水準――負債10兆9137億5900万円、半期ベースで戦後最悪】と報じながら【景気は全体として改善方向にあると言われながら、4−6月期のGDPデフレータ―(物価指数)は前年同期比1.9%下落した。99年1−3月期以来、6・四半期連続して下落し、しかも下落率は次第に大きくなっているという。実際、物価の値下がりは続いており、低価格化、ダンピングを強いられての販売不振が長引き、財務体力が疲弊しているところにリストラからくる企業活力低下が追い打ちとなり、残った資産を処分して借金の一部を返済した直後に銀行の支援を打ちきられて倒産する、そんなデフレスパイラル下で縮小均衡を強いられ、体質改善や構造改革を果たせずに脱落する企業が増えている。……不況型倒産は75.2%に達し、5期連続70%を超えるとともに、99年度下半期(74.0%)を抜いて半期ベースで過去最悪を更新した。9月単月の倒産は前年同月比9.5%増の1502件で11カ月連続して前年同月を上回り、不況型倒産は76.6%と14カ月連続して70%を超え、今年7月と並んで過去最悪となった。10月から年末にかけて、もう一段の業況不振に見舞われ、資金繰り難に陥る企業が続出する懸念が高まっている。2000年の年間(暦年)倒産は、戦後2番目である98年と同レベルの1万9000件を超す水準に達するものと思われる。】と指摘している。

  • 10月17日 [aml 19433]に「野宿者「反失業全国行動」(10/21-23):参加・賛同・カンパのお願い」。呼びかけ文は次のとおり。【大失業とリストラ時代。今、多くの民衆の中に将来への不安が渦巻いています。5年〜10年後の展望すら見えない労働者たちの権利は剥奪され、正社員からパ−ト・期間従業員への大規模な転換が、労働者の基本的権利を奪い、労働現場では抵抗する権利すら益々縮小されている現実があります。/こうした中、労働者の未来を暗示する社会現象が、野宿労働者(ホ−ムレス)の激増として立ち現れています。就労の機会から排除され、福祉・社会保障制度の活用からも排除された挙げ句、地域や生活する場からも追い出され続けてきた野宿労働者の存在こそ、社会から排除された労働者の姿として見ることができます。当事者不在の「上からの対策の押しつけ-排除と収容」という基本的対策理念に染め抜かれた政府・行政の姿勢を批判せずに、野宿労働者運動の前進はありません。/全国で三万人を超えると言われるホ−ムレス問題。この重要な社会問題に対し、政府も地方自治体もあいも変わらず後手後手の対策しか施行しえていません。政府の「ホ−ムレス問題連絡会」が昨年5月に出した「ホ−ムレス問題に関する当面の対応策について」は、上からの対策の押しつけを拒む者は「社会生活を拒否する者」という烙印を押し、公園などの公有地から排除することを明文化したものでした。これまで地方自治体に責任を押しつけ、傍観の姿勢をとり続けてきた政府がホ−ムレス問題に取り組む姿勢を示しても、それが排除を後押しする政策であるなら、野宿労働者をめぐる問題はますます混迷を極めるばかりです。/こうした動向の中で注目せねばならないのは、大阪長居公園での排除と収容策です。2008年の大阪オリンピック誘致を睨んだ大阪市は、来年2月のオリンピック委員会視察の前段で公園内にある500軒あまりのテント小屋の一掃を目的に、公園敷地内にプレハブ20軒を建設し、強制的に排除・収容しようとの計画を明らかにしたのです。一方で自立支援事業など野宿労働者自身の自活を目的とした対策を柱として打ち立てながら、もう一方では強制排除を図ってくるこうした行政の動きは、政府の「ホ−ムレスを三分類して排除する」基本政策に基づくものであるといえるでしょう。さらに厚生省は、来年度の概算要求予算として「大阪と東京にシェルタ−を設置し、テント小屋の解消を目指す」旨の方針を明らかにしました。/野宿労働者に関わる基本政策を明らかにせず、排除を推進するような動向がまかり通るならば、現在全国で激発する若者らによる野宿労働者への襲撃・殺害事件にも歯止めのかからない情況を迎えていくでしょう。/私たちは、全国で様々な野宿労働者運動を担いながら、全国を網羅する陣形を築き上げ、この10月21日に東京での大行動を起こすことを決定しました。失業の末に野宿を余儀なくされ、再就労の機会・福祉や社会保障制度からも排除された挙げ句、最低限の命を守り抜く野宿地からも追い立てられてきた野宿労働者の存在を世に示し、政府・行政のなすがままにさせない抵抗の一線を大衆行動ののなかで堂々と打ち立てたいと考えています。/「排除された者による排除に抗する闘い」で反失業運動の大きなうねりを作り出していきましょう。】行動日程、連絡先などはリンク先参照。

  • 10月16日 『インパクション』121号(2000年9月)が、グローバリズムを包囲する!を特集、斉藤日出治「グローバリゼーションと対抗的ヘゲモニーの可能性」。【グローバリゼーションはたんに経済取引の領域だけでなく、ひとびとの日常生活、文化、環境、身体、意識、欲望、生命にかかわる領域にまで浸透し、……均質化はひとびとの差異を掘り起こし、統一化は断片化を引き起こし、相互依存は分裂をもたらす。…ひとびとの社会関係をそれが埋めこまれた場所から引き離し、…国民国家、地域、家族、人種集団の中で安定していたひとびとのアイデンティティが浮遊する。その結果、宗教・文化・人種・性などの多様な差異が噴出する。】という斉藤は【グローバリゼーションによる脱領土化と場所の喪失は、ひとびとの日常生活を根本から再考する決定的な契機となる。その再考の回路と方法はきわめて多様であり、想像力に富んでいる。その多様性と想像力こそが、噴出する差異を節合する言説を生み出し、市場のグローバリゼーションに対抗するヘゲモニーを築き上げる可能性をはらんでいるのである。】と指摘し、自らのかかわる、紀伊半島における朝鮮人労働者虐殺事件(木本事件)から朝鮮半島へ、さらに中国の海南島へ広がる具体的な歴史掘り起こしの運動を紹介し、【過去の記憶をたどる運動のきずなが未来形成のネットワークを呼び起こす。このネットワークこそ、国民の歴史に回収されることのない東アジア・レベルにおける共通の歴史認識を築き上げる根拠となるものではないだろうか。……歴史を再構築する作業を通して新しい集団的主体がたちあげられ、グローバリゼーションに対抗する社会形成のヘゲモニーがはぐくまれていくのである。】とむすんでいる。