読書録 2000年5月前半(敬称略)

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  • 5月15日 「韓国の声」47号(2000年5月10日)のページに、「1980年5月光州、労働者たちの民衆抗争」。紹介文には【数日後に私たちは、光州民衆抗争の20周年を迎えます。独裁政権打倒と民主政権樹立を求め、果敢に展開された光州市民の闘いをふり返ることは、民主化のさらなる推進と反米自主の闘い、そして祖国の統一を願うすべての人々にとって重要な意味を持つでしょう。以下の文章は『美しき抵抗』(パン・ヒョンソク著)に収録されたもので、1999年5月に執筆されました。光州抗争に於ける労働者たちの献身的な姿は、今を生きる私たちにも多くの感動を与えてくれます…。】とある。

  • 5月14日 Web東奥(東奥日報200年5月8日夕刊)に「60年代、米軍が在日基地から核攻撃計画」。【【ワシントン7日共同=太田昌克】ソ連に加え中国が核開発を進めた一九六○年代に米軍が朝鮮半島などの有事に備え、返還前の沖縄に配備した核兵器を横田(東京都)や三沢、板付(福岡県)の米軍三基地へ即時搬入できる態勢を取り、爆撃機などで日本本土から当時のソ連や中国を核攻撃する作戦計画を立てていた。七日までに、機密指定を解除された米国務省公文書から明らかになった。日本を巻き込んだ米核戦略の一端が明るみになるのは異例。日本の歴代政権が核持ち込み拒否の姿勢をみせる裏で、米軍が在日基地を核戦争の出撃拠点と位置付けていた事実を示す。/六二年三月二十二日付の国務省極東局フィアリー日本課長あてのメモは米空軍が「ハイ・ギア計画」の暗号名で本土に核兵器を運ぶ輸送機C130を沖縄・嘉手納基地に二十四時間待機させている状況を明記。/嘉手納から核兵器を持ち出し、横田基地のB57爆撃機(三十六機)、三沢、板付両基地のF100戦闘機(計五十一機)に装備させるまで、四−六時間かかると見積もっている。……米国務省機密文書から明らかになった、沖縄配備の核兵器を搬入し日本本土から出撃するという作戦計画は、非核政策を内外に訴えてきた日本が米核戦略にいかに深く組み込まれていたかを見せつけている。/同時に、いまも米国の「核の傘」の下にある日本が、有事には簡単に核戦力の前線となり得る現実をあらためて思い起こさせる。……】

  • 5月13日 山崎正和「石原ポピュリズム政治を排す」〔『論座』2000年6月号掲載〕。【正直なところ、石原慎太郎東京都知事の「三国人」脅威論、およびそれに関連した「自衛隊治安出動発言」を読んで、私はあまり実際的な脅威は感じていない。……むしろそれよりも、石原氏の一連の東京都行政を見ると、…二十世紀の世界の各地に吹き荒れた、いわゆるポピュリズム(大衆扇動政治)の戯画に見えるのである。】と指摘する山崎は、その特色として【第一にシングルイシュー(単一問題】運動の形を取る。言い換えれば、社会の中にある様々の問題のうち、単純化しやすいものを一つだけ切り離して、それへの対症療法的な政策を打ち立てるのである。……第二の徴候は、民衆の感性になまなましく歌える問題を取り上げて、扇動を行うことである。文字通り、目に見え耳に触れる問題を扱う。……第三の特色として挙げられるのは、問題を電撃的に提起し、議論のプロセスを短縮することである。】を挙げ、【では、このような政治家がなぜ近代の政治の中で時として現れるのか。…それは民主主義のもっている本質から生まれた病弊……政治が平等を実現すればするほど、残された小さな不平等が大きく目立つのである。…一方でねたみ、他方で不安という二つの感情が盛り上がってくる。…苛立ちと脅威に常につきまとわれているのが、民主主義なのである。】と指摘、【現代政治は決して官僚まかせにすることはできない。そこには政治的リーダーシップが必要である。…しかし、そこで大事なことは、リーダーシップは常にビジョン(状況判断)の提供と政策の提示という形で行われるべきであって、それを受け止めた民衆、あるいは市民が十分に議論ができるような状態にしておくことである。小さな問題を一つとりあげて電撃的に解決してみせるのは、まさにそれとは正反対の営みだと言っていい。他方、私たち民衆の側は、民主主義社会を支えるために、一つの資質を持っていなければならない。それは、賢明さに加えて、退屈とじれったさに耐える能力である。】とむすんでいる。

  • 5月12日 ユニコード漢字情報辞典編集委員会編『ユニコード漢字情報辞典』2000年6月、三省堂刊、ISBN4-385-13690-4、定価(本体5000円+税)が出た。巻頭のユニコードコンソーシアムMark E.Davisのあいさつで【日本でユニコードの名前を冠した漢字情報辞典が発行されることにたいして、ユニコードコンソーシアムのプレジデントとして、お祝いとお礼を申し上げることは、私の大いなる喜びであり名誉なことです。…】。凡例によると【本書は,1996年にユニコードコンソーシアムから発表されたUnicode Version 2.0に基づき,ユニコードで規定されたCJK統合漢字領域(…)の全20.902文字に対して,漢字情報,原規格コード,読み情報,異体字情報を付加し,最後に部首索引を付けたものである。本書編集中にUnicode Version 3.0が発表されたが,本書の内容に関連する改訂部分として,拡張A領域に含まれる漢字6,582字を付録に収録した。……見出し字の字形としては,その漢字が主として使われる国/地域で現在通用している代表的なものを採用したが,JIS規格に採録されている漢字を始めとして,日本で通用している漢字に関しては日本の字形を優先した。一つの漢字に対して字形のバリエーションがある場合,字形の差が点,ハネなど,デザインの差に属する軽微なものであるときは,特にその差を表示しなかった。しかし,字形差がある程度大きいと認められるときは,代表的な字形の方を見出しに立て,次項によりそれ以外の字形を明示した。……】〔00.6.4 URLリンク追加〕

  • 5月11日 帝国データバンクのページに「全国企業倒産2000年3月報」。【倒産1770件へ急増、17カ月ぶりに1700件を突破、不況型倒産75.8%、2カ月連続75%台で戦後最悪水準、特別保証制度利用後倒産330件、集計開始以来初めて300件を突破】【特別保証制度利用後倒産は330件(前月239件、前年同月122件)発生、前月を91件(38.1%増)、前年同月を208件(170.5%増)それぞれ大幅に上回った。この結果、2カ月ぶりに前月比増加となるとともに、集計開始の98年10月以来初めて300件を突破した。/これにより、「中小企業金融安定化特別保証制度」が施行された98年10月以降の累計は2912件、負債総額は1兆285億3600万円に達した。】【不況型倒産は1342件(前月1083件、前年同月899件)発生、前月を259件(23.9%増)、前年同月を443件(49.3%増)それぞれ大幅に上回った。この結果、99年11月(992件)以降5カ月連続して前年同月比で増加するとともに、過去最高だった98年6月(1273件)を上回り記録を更新、初の1300件超えとなった。/これにより、不況型倒産の構成比は75.8%(前月75.1%、前年同月70.8%)となり、2カ月連続75%台となるとともに、99年10月(75.8%)に並ぶ戦後最悪を記録した。】

  • 5月10日 『読売新聞』2000年5月9日付夕刊「文化」欄に高島直之「実験重ねた戦間期デザイン、第一次・第二次大戦の間 機械時代の芸術革新―書体文字や幾何構成 社会空間全体を再編」。開催中の「グラフィック・デザインのモダニズム」展(川崎市市民ミュージアム、6月11日まで)、「ジョージ・グロス」展(神奈川県立近代美術館、5月21日まで)について、【「グラフィック展」は、…新たに開発・工夫された印刷用文字書体(ニュー・タイポグラフィ)と、写真表現との組み合わせであり、それを幾何的線や色面などの構成要素で統一するものである。これらの芸術運動は、「芸術の革新」を訴える社会的啓蒙にも重心があって、この全体を覆う、書体と文字組、写真レイアウトなどのさまざまな努力に、彼らの訴える新感覚とその切迫した使命感が感じられる。……打ち続く国家間戦争、内乱・革命という時代と、機械産業が都市的現象に具体化される時代が交差し、ここでは、旧来からの個人と社会との関係が機能しなくなり、巨大なカオスとなった都市社会を前にして、集団的なつながりを前提とせざるを得ぬ状況に置かれた。】とする高島は、【この二十世紀末のデザイン界では、あらためてコンピューター技術による書体文字・記号=フォント研究が、注目を浴びている。そのことは思想と芸術の危機といわれた「戦間期」の実験と切り離すことはできない。この時代の文字書体の開発者は、送り手と不特定多数の受け手の関係を拡大する視覚記号であること、また芸術と日常の接点であることをはっきり自覚していた。事実、それが社会空間全体の再編成を促していったことを考えれば、この電子メディア時代のグラフィック表現の重要さを再考させることにおいて、これらの展覧会の意義は、けっして小さくないと思われる。】と書いている。

  • 5月9日 JAGATのページに「レイアウト自動化の条件と可能性」。【組版やレイアウトという仕事は、表示・表現・表象という意味あいで、英語ではpresentationということになる。……アナログから電算写植やDTPに変化する第一段階では、活字や写植というアナログ的な手法を、ただ画面の上で行うようなWYSIWYGがあった。……/電算写植は作業の「手続き」をコーディングという記述で再利用可能にするとか、マクロ化してコーディングを簡便にするような半自動化の発展があった。一方、今日の進化したDTPソフトはレイアウトの自由さが売り物であったために、レイアウトの定型的なエレメントを「雛型」として管理して再利用する方が先に発達した。/DTPソフトは…内部のマクロは発達せず、電算写植のようなコーディングは後回しになった。このようないくつかのソフトにまたがる手続きの記述は、AppleScriptのようなアプリケーションの外側のスクリプトで可能になった。……/このような動きが重なり合って、次第にある方向に収斂していくことがわかる。紙への出版ではプリプレスの出力処理のフォーマットに合わせて、文字や画像のデータを用意していた時代から、まず文字や画像の要素が標準的なフォーマットになって、presentationのソフトはそれらに対応するようになった。これら要素であるデータの独立はすでにかなり進んでいる。/要素を扱う「手続き」は、データの入力・加工・編集からpresentationまでの処理のどの段階でも共通の方法でできるのが望ましい。これは「手続き」のデータからの独立であり、まだそれほど一般化は進んでいないが、VBとかJavaなど特定の環境なら相当の自動化ができるようになる。/こういった条件が揃ってやっとpresentation自体の自動化が進む。まず要素であるデータの構造化はSGMLやXMLで可能なので、可視化する作業が雛型化されていれば、データの構造と雛型を関連づけて単純な流し込みはできる。…/…電算写植では浮動ブロックを組みつける機能があったし、新聞では折り畳み処理があった。これらを発展させて、TeXの組版のようにレイアウトの評価方法を作るのもこれからの課題であろう。】

  • 5月7日 ▼[aml 17593]に戦争に協力しない!させない!練馬アクション「〈声明〉石原慎太郎都知事に、即時辞任を求めます」。▼[aml 17599]に「やっぱり変だよ石原さん!」=練馬区民緊急集会= 〜石原知事の非常識発言にもう我慢できない練馬集会〜。5月14日(日)午後2時から4時、練馬産業会館2階講堂(西武池袋線桜台駅南口下車5分)、内容:辛淑玉さん(石原やめろネットワーク世話人)から問題提起(※集会抗議文を採択し、都庁へ届けます。※練馬でも運動をおこし、広めます)、主催/何か変だよ石原さん!実行委員会、連絡先/練馬区職員労働組合・電話(3993)5405。▼ZAKZAK 5月6日付に「慎太郎、都庁リストラ2300人の激震――役人体質へ“爆弾”」。【石原都政が新たに打ち出した「ダメ課長降格」の内部規定が、庁内に波紋を広げている。若手職員の間では「能力主義は時代の流れだ」とする肯定的な意見が多数を占めるが、中堅職員からは「何を基準に評価するのか」と訝(いぶか)る声も。だれもが理念は立派だと認める一方で、年功序列が染み込んだ役人の世界だけに、体質改善は一筋縄ではいきそうにない。/「寝耳に水というか…そんな計画があるなんて、ほとんどの職員が知らなかったんじゃないでしょうか。正直言って驚いています」(財務局の課長補佐)/都総務局人事部人事課によると、降格(降任)の対象は主に課長級の職員。著しく管理能力に欠ける課長や副参事を、地方公務員法に基づいて課長補佐に格下げする方針。導入時期については「未定」としているが、早ければ来年度にも導入される見通しだ。……】

  • 5月4日 Alternative Mailing Lists 5月3日付に、井上澄夫「『《都政の軍事化》を強行する都知事・石原慎太郎の暴言の数々』の増補・改訂版」が転載紹介されている。【■2000年9月3日に、自衛隊「三軍」を動員する震災対策総合大演習をやる〔『VOICE』誌上のインタビュー、聞き手は、井尻千男(いじり・かずお)拓殖大学日本文化研究所長〕 石原 やっぱり陸海空の「三軍」を使った災害時の合同大救済演習をやってもらいたい、東京を舞台に。総司令官は小渕総理だから、彼が先頭を切って。私は203高地で苦戦している乃木将軍みたいなもんだね(笑)。なんていったって首都・東京ですから、首相が総司令官になった陸海空の大演習が行われるということは、政治的なパフォーマンスといったら怒られるかもしれないけれど、大事なことだし、すべての意味でマイナスのものは何もないから。/じつはこれは私のアイディアではないんです。中曽根(康弘・元首相)さんが防衛庁長官をやっているときに計画を立てたけど、美濃部(亮吉・都)知事がノー・サンキューといってやらなかった。君がなったらやれよっていうから、そのアイディアいただきだと。/(その大演習は)絶対日本のためになるし、東京のためになる。そしてそれは同時に、北朝鮮とか中国に対するある意味での威圧にもなる。やるときは日本はすごいことをやるなっていう。だからせめて実戦に近い演習をしたい。相手は災害でも、ここでやるのは市街戦ですよ。(1999年8月号『VOICE』、PHP研究所発行)】など、全文必読!これは「《都政の軍事化》を強行する都知事・石原慎太郎の暴言の数々」(2000年4月9日、井上澄夫)を増補・改訂したもので、【公開にあたって】で井上は【…メモは、私があっけにとられるほど、急速かつ広範に使用されました。/さまざまな石原暴言への抗議・辞任要求集会、学習会や勉強会の資料とされ、各種の機関紙、ミニコミに掲載されたり、引用されたりしました。コピーして周りの人びとに配布する人、電子メールで広げてくれる人、ホームページに掲載してくれる人などなど、直接なんらかの連絡をくれた人だけで、全国で50数人。その中には、沖縄から北海道までの、在日の人びとを含む全国の友人・知人たちが含まれ、国会議員の秘書たちからも連絡がありました。/東京都の立川では、「立川自衛隊監視テント村」の人たちが、自衛隊員に向かって、メモから石原の暴言を拾って紹介しながら、「無責任な放言を繰り返して恥じない知事の要請で出動することになるかもしれない自衛隊員は、知事がどういう人間であるかをよく考えて判断する必要がある」と呼びかけました。石原知事がどういう人間であるか、それこそまさに、メモの公表によって私が伝えたかったことですから、このように使用されることは本当にうれしいことです。…】と書いている。

  • 5月3日 千代丸健二の人権110番のページに「緊急!::オウム(名古屋)の人たちが生活の為に開いた喫茶店を愛知県警公安が手入れ。女性代表者を逮捕。容疑は「車の名義を変えることを指示して資産隠しを図った」、と言うもの。明らかに不当・違法な捜査で行き過ぎだ!」。【愛知県警警備部公安一課が、名古屋市中村区で、オウム信徒たちが経営している喫茶店の代表者を逮捕した。昨年末に名古屋支部が閉鎖するに際して、会社名義の車を信徒に名義変更して、他の信徒が使っていたことを、「電磁的公正証書原本不実」としたものだ。/車は十四年前のもので、資産価値はゼロ。それを資産隠しだ、というのが警察。オウム潰しと嫌がらせの一環だ。任意の呼び出しに応じないから、と言うのも理由にしている。身柄拘束された江藤稲子さんは、そんなことが犯罪になるという認識が全くなかった。「どうしてそんなことが罪になるのですか?」と調べの警官に反問した。/黙秘ではなく、事情を説明しいる(新聞は黙秘している、と書いたがこれは事実に反する)。警察はオウムに舐められたくないという気持と、愛知県警は仕事を作る必要もあった。体面と権力の奢りだ。/京都の堀弁護士が直ちに江藤さんに接見し、事実関係と言い分を確かめた。江藤さんは元気で、一貫して否認を通している。警察の脅しや誘導に陥る心配はないようだ。警察発表を無批判にたれ流したメディアは、自分たちの責任は放棄したままだ。/喫茶店の人たち全員が警察に抗議文を突きつけた。権力批判の姿勢を失ったメディアが、警察の言いなりになれば暗黒社会だが、賢明な市民の批判眼も少しは光っていよう。逮捕直後に「人権110番」へ緊急連絡が入った。人権の視点から判断し、助言した。情報はメーリングリストで配信中。】

  • 5月2日 『現代思想』2000年5月号が“スペクタル社会”を特集し、小倉利丸「スペクタルとサブカルチャーの価値崩壊」。【…このような左右の価値観の崩壊と、その結果として、右翼的な価値意識にひきずられるケースはさまざまなサブカルチャーのなかに見出されるようになっている。学歴もなくドロップアウトした若者たちが集団性を持つときに、族や民族派としてしか集団性を持てないとか、族的なファッションにかっこよさを見出すという日本の状況は、多様な選択肢があらかじめ排除された結果として生み出されているがゆえにその問題の根も深い。逆に言うと、日本では階級としての若者文化が構築されてこなかったために、プロレタリアートの抱える階級的な問題を階級的な構想力によって解決する方向へと導く力が決定的に欠落し、この欠如をファナチックな民族主義が埋めあわせるという最悪の状況を呈しているということだ。】と指摘する小倉は【こうした状況のなかで、ストリートの文化を再構築することがなによりも重要な課題になっていると思う。インターネットの普及のなかでバーチャルなサブカルチャーが注目を浴び、ますますこれが支配的な文化の装置へと組み込まれるようになればなるほど、逆にリアルワールドにおけるストリートの文化は、マージナルな存在となり、同時にその身体性も含めて、対抗的な文化の重要な拠点をなすことになるはずだ。……ストリートの階級闘争、そこからはじめなければならない。】と提起している。