読書録 2000年2月前半(敬称略)

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  • 2月15日 『科学』2000年1月号(岩波書店)が「阪神・淡路大震災―5年目の教訓」を特集し、島崎邦彦「地震はそのように繰り返すか」は、研究における阪神・淡路大震災以後の【地震予知体制への批判から地震予知不可能論への展開が起こした渦】および【地震の発生が偶然に支配されているとする主張】の【理論的な根拠】としての【グーテンベルグ-リヒターの式(G-R則)】を検討している。【地震の繰り返しは,でたれめにおこっているのではなく,ある程度の規則性をもっている.その繰り返し間隔は,対数正規分布などによって表わすことができる.繰り返す地震の規模は,一定ではないものの,ある程度定まっている.…想定される震源規模の最大は,地震断層系から推定できる.…このように,地震の繰り返しは,決定論的に完全には定まってはいないものの,ばらつきの範囲をあらかじめ予想することが可能である.】とする島崎は【地震の発生確率と,その地震によって具体的に個々の生活がどうなるか,この二つの情報が得られれば,適正な行動をとることが可能であろう.】と書いている。〔2月16日補足:引用が短いので論旨が誤解をまねきかねず、ご関心をもたれた方は、できれば原文にあたってください〕

  • 2月14日 『日本経済新聞』2000年2月12日付に「マル止め現象。なぜ」と題し、雑誌の見出しなどに「マル止め現象」が広がっているとの記事。【「言葉の最後にマルを付けることで、作り手と読み手の間に会話が成立するような雰囲気を出したいのです」。ライフスタイル誌「ブルータス」の斎藤和弘編集長は語る。同誌の二月十五日号の表紙は、その真ん中にメーンテーマを縦書きで「シブヤ資本主義。」と表記した。従来ならマルを付ける必要のない個所に、こんな風にマルが付いていると、単体としては無機質になりがちな単語が、一転して読者に語りかけるような雰囲気になるという。……文章を視覚的にとらえ、遊び道具にしてしまう若者は、「マル止め」された言葉から相手の存在を感じ取ると同時に、自分の思いを込めているらしい。崩れていくかにみえるマルの使い方も、若者にすれば一つのコミュニケーション手段なのかもしれない。インターネットビジネスの台頭で「.」(ドットマーク)の存在意義が高まったように、マルも若者によって新たな価値を見いだされたようだ。】

  • 2月13日 猪野健治『やくざ戦後史』2000年2月、ちくま文庫、で1948年、戦車をくりだし小学生・金太一少年を射殺してまで民族学校を閉鎖させたアメリカ占領軍と日本官憲に抗して闘われた阪神教育闘争に関して、闘争にやくざが助力した「野史」を猪野が書いていることにふれて、同書巻末の李宇海「解説・戦後社会が深く抱え込んだもの」は【差別がやくざを生み出すが故に、差別する側は「暴力団犯罪」の原因論において免責されえないという構図的な主張のみではない。誰しもに内包されている社会への不全感と網の目のような人間関係への嫌悪と直截な暴力性への憧れを圧殺して、その上で称揚される市民的正義の実相が、いかに人間の日常を裏切る瞞着に満ちた陰惨なものであるかを、猪野健治は突きつけているように思える。】と評する李は次のように書いている。【戦後、一見すれば平穏に日常を送る者たち(差別の毒花を咲かせてきた差別する側の者たち)の大部分にも、各々言いがたい生き難さや鬱屈感がないはずがない。猪野健治が告発する対象は、人の日常に沈潜するその複雑なものを複雑なままに認識せず、「公共性」だの「正義」だのと呼号しては整序された社会のみを賛美し、人のあるべき幸福を語った気になっている唾棄すべき嘘臭さである。「犯罪のない明るい社会を」という嘘臭いスローガンをいくら並べても、夜毎にやくざの徘徊する繁華街に人は吸引されていく。やくざが集まり、そこに多くの人が集まって欲望の陰花を咲かす。やくざとはいったいだれなのか。肩を怒らせて歩く恐ろしげな男たちは、あの新宿や池袋の街に、いったいどの場所から流れついたのか。国家にも秩序にも守られていない孤絶したその場所こそ、幸福かも不幸かもしれない、人の生きはじめる場所である。】

  • 2月12日 ビル・トッテンのページに「米国は世界の兵器スーパーマーケット」と題したジム・マンの1999年10月13日付『ロサンゼルス・タイムズ』記事。【過去5年間、米国の兵器輸出額は他の国を大きく引き離してトップであった。ストックホルム国際平和研究所によれば、1994年から1998年の米国の兵器輸出額を合計すると539億ドルにものぼり、第2位のロシアが123億ドル、第3位フランスは106億ドルであった。実際、2位から15位(ロシア、フランス、イギリス、ドイツ、中国、オランダ、イタリア、ウクライナ、カナダ、スペイン、イスラエル、チェコ共和国、ベラルーシ、ベルギー)の輸出額をすべて合わせても532億ドルであり、米国の539億ドルにはまだ及ばない。…日本政策研究所のチャルマーズ・ジョンソン氏は、「こうした構図は軍事社会主義に等しい。輸出される兵器の多くは米国民の雇用維持を狙ったものである。米国は今日、世界に平和を広める原動力ではなく、兵器拡散の原動力になっている」と語る。……米国政府と防衛産業は、海外において考え得るあらゆる政治的な不測の事態を見つけては、それに備えるためだとして、たとえ主張に矛盾が生じようとも、兵器輸出を正当化しているようである。米国は、サウジアラビアという極めて非民主的な王国が中東という危険な地域で生き延びるために必要だという理由から、大量に兵器を売っている。しかし、クリントン政権は最近、中南米が民主政権から成り立つようになった、つまり全体として以前よりも安全になったという、サウジアラビアの場合とは正反対の理由から、同地域への兵器輸出の道を開いた。つまり危険であろうが、平穏であろうが、どのような状態でも米国の兵器輸出の理由になり得る。民主政権でも、圧政者の政権でも、軍備増強の必要があるとして兵器輸出が正当化される。】

  • 2月11日 「文化通信速報版」2月9日付に【2000/2/8、…日販、経営状況で記者会見。今期末には積文館、谷島屋、駸々堂、日販商事、日本音光の整理で165億円を含めた200億円の特別損失計上へ。経常利益30億円、名古屋、神戸、北九州などの固定資産売却などで最終的な赤字90億円の見通し。住友銀行の支援変わらず、キャッシュフローには問題なし、配当も実施と説明。】。同「オンラインコラム」2月10日付に星野「日販騒動に想う」。【95年頃からの書店の大型・大量出店は、マーケットの実態を無視したもので、必ず破綻をまねくという指摘がいたるところでなされたが、見事に裏付けられることになった。……しかし、今回の騒動は、日販という一企業の問題にとどまらない。…返品自由な取引によって、マーケティングをしなくても、新刊書を次々に書店に送り込むことを可能にしてきた取次は、売買が確定しないうちに書店から代金を回収し、出版社に支払う金融機関としての役割を果し、戦後出版界の成長を支えてきた。ここが揺らぐとぃうことは、出版界にとって日本銀行が破綻するに等しい。】と指摘する星野は【日販の不良債権問題、そして書籍専門取次・鈴木書店の経営危機を目の当たりにし、最悪の展開にならないことを祈るとともに、矛盾を内在しやすい出版取引の型そのものを見直す必要性を感じた。】とむすんでいる。

  • 2月10日 ▼STSフォーラム「人の骨と取り組む―物証による歴史の再構成」〔日時:2月12日(土)13:30−17:00、会場:神奈川大学横浜キャンパス16号館地下視聴覚教室〕。報告者:灰谷慶三(北大)、足立明(北大)、馬場悠男(国立科学博物館)、菊池実(財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団)/進行:常石敬一(神奈川大学)/連絡先:神奈川大学STSセンター(電話0463-59-4111、ファックス0463-58-9683)。【…今回のフォーラムでは、歴史の物証である「人の骨」とどのように向かい合うことができるかを、多面的に考えたいと思います。第1のアプローチとして、物証である骨について、残された資料から韓国の「東学党」の関係者と、身元の確認に至った北海道大学での取り組みについて、報告をいただきます。第2のアプローチとして、物証である骨の、自然科学的取り組みによって、その民族的起源を明らかにする方法の可能性について、「形態と分子からみる日本人の起源と形成に関する研究」という研究班の取り組みについて、報告をいただきます。第3のアプローチとして、まだ残っている物証の発掘、特に東京大空襲などの被害の掘り起こしに、考古学の方法を生かす道があるのではないか、という取り組みについて、報告をいただきます。】▼2月16−19日に幕張メッセで開催されるMACWORLD Expo/Tokyo2000(主催:IDGジャパン+日本工業新聞社+ニッポン放送+産経新聞社+フジテレビジョン+毎日コミュニケーションズ)で、アドビが【InDesignスペシャルセッション】でAdobe InDesign開発中の日本語版を初公開〔日時:2月18日(金)14:00−15:30、会場:幕張メッセ国際会議場〕。スピーカー:プリシラ・ノーブル(アドビシステムズ社プロフェッショナルパブリッシングソリューションズプロダクトマネージャ)。【アドビが提唱する次世代プロフェッショナルパブリッシングソリューションとして、米国での発売以来、大きな反響を呼んでいる Adobe InDesign。本セッションではいよいよ開発中の日本語版を初めて一般に公開します。日本語の組版のために開発された数多くの独自機能も、デモンストレーションを交えて詳しく紹介……】参加は無料/事前登録制。セッションの詳細と登録は http://www.idgexpo.com/MACW/welcome.html

  • 2月9日 『Cマガジン』2000年2月号(ソフトバンクパブリッシング)の岩谷宏「連載・C言語フォーラム―恥ずかしながらドジりました」第122回で、JDK1.2(Java 2 SDK)のエラーメッセージの誤訳を指摘した岩谷は【これらはすべて,翻訳ソフトに翻訳をやらせ,その結果を監修する者が(コンピュータとプログラミング,Java言語,日本語,英語の4つに関して)無能だった】と批判し【翻訳という作業は,最初から人間が翻訳する作業と翻訳ソフトの出力を手直しする作業を比べると,後者のほうが100倍もたいへんで難作業で精神衛生上も良くないです。日常会話のレベルを超えるちょっと内容の複雑な英文の翻訳をコンピュータのプログラムにやらせるという発想が,そもそも無茶&無謀です(言葉というものをナメてかかっている=いかにも日本的理工系人種の発想)。昔のTurbo C時代のBorlandの日本語ドキュメンテーションは,Javaのこれらに比べるとずいぶん優秀でした。それらは明らかに機械翻訳ではなく,能力のある人間による人間的な手仕事でした。】と書いている。

  • 2月8日 ▼宮崎学のページに宮崎学「大阪府知事選の結果について」で統一戦線の立場、観点と日共批判。正しい!私は感情と意見を共にする。▼酒井直樹vs西谷修『〈世界史〉の解体―翻訳・主体・歴史』1999年4月、以文社。文字の物質性にふれて【漢字をある統合化された記号体系と考えうるのは、一定の仕方で記号を読解する態度、あるいは、記号に意味への欲望を投下する一定の仕方、つまりレジーム(実践系)と漢字が組になっている時だけではないでしょうか。】という酒井は【例えば漢字から仮名が出来上がってくるわけですが、あれは筆跡や省略の問題と関わっていますね。楷書や隷書から草書に変わる原理というのは、音を保存するために変わったわけではなく、筆跡の力学で変わってくる側面がある。だから、江戸期の木版で出版された文献でさえ装飾的な意識に引っ張られて文字の形態が決定され…変体仮名の文字は草書の特徴をできるだけ保存するように刻印されている。日本語への回帰でもなければ音声言語への回帰でもなく、そういう意味ではカリグラフィー(書道)的配慮が未だ生きている。文字を書くという作業に伴うさまざまな側面――文字は確かに作者の意思や思念だけではなく、書く手と筆、紙自身のもつ運動性やそれに伴うアフェクト――への関心は強く残っている。文字を、意味作用(signification)との関連だけで読むということは、そこでは前提されてはいません。】とし【問題は、近代的な翻訳というレジームだけで文献をみると、その部分が全部落ちるんですね。…翻訳というレジームができあがったお陰で、逆に漢字のもっている複合性、たんに音や意味という複合性ではなく、漢字の物質性への感覚がどんどん削られてくる。……翻訳のレジームのおかげで書道というようなものを原理としてまったく相容れない体制のなかに漢字や仮名が存在してしまうと思うんです。僕がたんに日本語の死産だけでなく「言語」の死産を考えなければならないと考えているのは、「言語」はそのような体制と切り離しては考えられない、と考えているからなのです。】と書いている。

  • 2月7日 辺見庸×高橋哲哉『私たちはどのような時代に生きているのか』2000年2月、角川書店。辺見は「対談の補足」として「新しい『ペン部隊』について」と題した一文で、「周辺事態法」など昨年の第145通常国会が成立させた全体主義状況に対して【「ペン部隊」はいまだに生きているのではないか】との仮説をもって警鐘を乱打している。「ペン部隊」とは【一九三八年…内閣情報部が主催して、菊池寛、佐藤春夫、久米正雄ら文壇人と軍部の懇談会が開かれ…国民の戦意高揚をはかるため、作家らを戦地に派遣することが決まった。…同年には…朝日新聞と吉本興業がタイアップして、「皇軍慰問」と称し、柳家金語楼、横山エンタツら芸能人を中国戦線に送りこんだり…相当数の文壇人だけでなく、新聞メディアも芸能界も国策宣伝にこれ努め】た部隊である。【歴史の転換期は、ごくごく少数の偉大な例外を別にすれば、私たちの暮らす生の実時間においては、それと自覚されはせず、それと分類されず、それとして堂々と言挙げされたりはしないものなのである。……どうするか。やはり過去に学ぶしかないのだ。…晴れがましい顔をした、最前列の作家たちの像に、〈そうだったかもしれない私〉を見るのである。…過去の暗愚と現在の後知恵の差は、可能性としては、ほんの紙一重なのだとみる大胆な想像と仮説構築にこそ、後知恵を単に後知恵として終わらせない方法と力が隠されているように思えてならない。…無謬の者の眼ではなく、根源的挫折者の暗い眼でいまを見てみる。すると、私という揺らめく個の内面にとって、ひどく切迫した問題として、現在のなみひととおりでない危機が見えてくるのである。】とする辺見はジル・ドゥルーズを引きながら【今日的なペン部隊は、必然的に、骨の髄まで腐った民主主義国家の防衛、市場の保護、矛盾の隠蔽、人間的恥辱の感覚の圧殺、すべての証拠の湮滅を任務とするのである。……新しいペン部隊には、司令部も顔も人格も場所的中心もない。鵺のようなものなのだ。撃つべき急所というものがない。…ならば、成員に内部からの反乱を呼びかけるしかない。】として【顔を取り戻せ、言葉を取り戻せ、文体を取り戻せ、恥を取り戻せ。反乱の勇気がないのなら、その場で静かに穿孔せよ。情報市場に細かな孔を開けてしまえ。帰属する組織にたくさんの私的な孔を穿て。深く密やかに穿孔せよ。まっとうな知の孔を開けよ。孔だらけにしてしまえ。】との呼びかけでむすんでいる。

  • 2月6日 大澤真幸『〈不気味なもの〉の政治学』2000年2月、新書館。【一九世紀にその基礎を築いた近代は、ちょうど二〇世紀に入る時点でひとつの極点に達し、変容する。こうした変容の到着先としてファシズムがある。…この時期の転回に反射させて、〈現在〉を捉えることができるのではないか】という大澤は、【現在は…最終戦争への切迫した幻想的な予感をかき立てており、一種の想像上の―非常に間延びした―戦間期とも呼ぶべき様相を呈している。たとえばオウム真理教のような…新興宗教に、そのような予感を見ることができる。】という状況認識から【多文化主義や文化研究に見られる差異の尊重は、民族の同一性へのファシズム的な熱狂と、きわどく隣接しているかもしれないのだ。…われわれはファシズムの魅惑を逃れることができるのか】と、ハイデガーが哲学の根本に据えた「不安」を検討し、【不安は、世界と自己の無根拠性に対する情緒である。……この無根拠性は…忘却存在の結果である。技術発達に支えられた傲慢によって、自らを越えた自然=存在に対する畏敬を失っている……忘却存在の忘却の状態を、ハイデガーは「不気味…」と形容する。……自然=存在から、ベンヤミンが「アウラ」と呼んだ何かが奪われてしまった状態】とし、【ハイデガーはむしろ、技術の内に、自然=存在の自己開示を促進する、ギリシアの「創作」の伝統を見ているのである。しかし、ちょうど存在忘却に対応するような技術の濫用がありうる。……「不気味だ」と形容したのは、時間的にも空間的にも地平によって限定されていない状態、つまり存在者の意味(本質存在)の可能性の無限が、露呈してしまっているような状態である】と指摘し、【ホロコーストとは、単なる殺害ではない、殺害があったという事実の殺害をもともなうような殺害である。…この二重の殺害自身が、完全な忘却の―忘却したことをも消し去ってしまうような忘却の―技術である。そして、悲しいことに、この徹底した忘却だけが、民族=人種に、ゴミのような記憶の可能性を与えたのだ。】とむすんでいる。

  • 2月5日 DTP Class A(本日の一言)で近藤信男「PAGE2000報告」。クオークジャパンのブースについて近藤は【・avenue.quark XPressのドキュメントをXMLとして吐き出し、他メディア(WEB)で再利用する。XMLを核とし、タグをXPressのタグへ変換。逆にHTMLのタグへ変換する作業を自動化すれば、メディア変換に要する時間と手間を省くことが可能である…という提案。そして、それはエクステンションで実現できる。XMLは、企業間や業界間で情報交換用の標準フォーマットであるから、中間フォーマットとして利用することにした。W3Cによって仕様が勧告された文書フォーマットでもある。20分程度でXPressドキュメントをHTML変換を行ったということを強調。】【・Quark Publishing System 2.0 デザイナー・エディター・出力業務を通信を通し、ワークグループ管理を行うアプリケーションセット。デモンストレーションは、非常に先進的に感じられた。DTPは全て1人で作業を完結できてしまうが、その負荷は想像を絶する。『レイアウト変更が発生したので、文字が溢れた』場合、XPressのドキュメントは、1つしか存在しないのである。Quark Publishing Systemの場合10秒あれば、エディターが修正作業を行える。そして修正したということをデザイナーへ知らせることができる。又、ドキュメントが現在どのような状態なのかを記録しておくことができる。…しかし、日本の場合ワークフローの標準化が可能なのか…という部分が『非常に先進的』であると感じさせた要因である。】と書いている。他に写研、住友金属システム開発、モリサワのレポート。

  • 2月4日 JAGATのページの「色の問題解決は、色を問い直すことから」がPAGE2000におけるセッション「デジタル時代の色の標準とは?」の話題を伝えている。【一般でのカラープリンタの凄まじい普及と平行して、キャリブレーションモニタやプルーフ要各種プリンタなど、印刷物制作の過程におけるカラーのデバイスが多様化したため、従来の「CMYK」のベテランにとっても「濃度や網点」だけで色管理方法をしていくことは不可能になり、インフラとしてのカラーマネジメントが必須になった。……カラーというのは科学と職人芸が交差する不思議な領域であり、一般的にいって「人の持っていたスキルをコンピュータ技術に代行させる」ことの影響を大きく受けるだろう……富士通研究所の臼井信昭氏は、今まで測色器を使っている人は、その値を正しいと思っているだろうが、市販の測色器そのものの校正基準が実は曖昧で、メーカーや製品による計測値の差がありえるものであり、今まさに測色器の校正基準となる「白」の標準が制定されつつあることを説明した。……X-RiteのIain(イアン) Pike氏は、色計測のトピックスを話し、今まで濃度計、色彩計、分光光度計と3種あった色の計測方法が、分光光度ベースのものに向かって収束しつつあることを語った。すでに色彩計もセンサ/エンジンは分光ベースになりつつあり、それで濃度も出せる。ただし分光の計測は万能ではなく、モニタのように特定波長の輝線のあるものは色彩計の方が誤差が少ないという。分光光度計のダウンサイジングが進んでおり、色彩計に代わるものなりそうだ。】

  • 2月3日 「人権・報道・インターネット」のページに山下幸夫「公安審査委員会による観察処分決定に向けた動きについて考える」。オウム真理教(アレフと改称)に対する観察処分について山下は【団体に対する観察処分は、結社の自由という憲法で保障された権利であるにもかかわらず、それを侵害する重い処分である観察処分を認めるのに、たった1回の意見聴取手続を行うだけで結論を出すというのは、不利益な行政処分をする際には「告知と聴聞」という手続(憲法31条はこれを「適正手続」という形で保障し、それが行政処分にも準用されると考えられている)が必要であるとされる趣旨からすると、手続としてはいかにも不十分としか言いようがないが、今回の意見聴取手続を見てその感を強くした。かつて、オウム真理教団に対する破壊活動防止法の適用に際して、何度も弁明手続が行われたことの「反省」から、意見聴取手続を極めて簡素なものにした訳であるが、逆にそれが団体規制法の憲法違反性を強めているのである。……さらに、最近起きた「内紛絡み」とも言われる元教祖の子供の「誘拐」容疑事件の発生についても、それが直ちに「無差別大量殺人行為に及ぶ危険性」とは直結しない事実であることも明らかである。……ところで、最近、一部の識者の意見として、「そもそも団体規制法の観察処分というのは、危険性があるかないかを判断するために認められた処分なのだ」という理屈を述べて、現時点で危険性が判断できなくても、将来危険性があるという可能性があれば観察処分は可能であるとの見解が紹介されることがある。しかし、団体規制法は、あくまでも、処分をする時点において、「当該団体に無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があると認めるに足りる事実」があることを要件としているのであり、それがないのであれば観察処分はできないのである。……このような極めて短期間で杜撰な公安審査委員会の審理をもって、団体に対する保安処分(個人については我が国では認められていない)ともいうべき観察処分を認めることができる団体規制法という法律を成立させてしまい、それによって失ったものの大きさを改めて認識する必要があると思う。その上で、今一度、団体規制法という団体に対する超弾圧法規が日本において具体的に発動されようとしていることの意味の大きさを噛み締め、これから何ができるのかを改めて考えたい。】

  • 2月2日 駸々堂自己破産続報、神戸新聞(地域ニュース)が「駸々堂書店破産、神戸復興にも打撃」。【神戸三宮店も閉店するのか―。書籍販売大手の駸々堂書店(本社大阪)が三十一日、大阪地裁に自己破産申請したニュースは、三宮センター街の買い物客らに驚きを持って受け止められた。震災後遺症と長引く消費不況で復興もままならない同センター街だけに、大型書店の閉鎖は周辺店舗に与える影響も少なくない。……同店は皮肉にも二月一日から閉店時間を午後八時から同九時に延長する予定で、通路などには営業時間延長を知らせるポスターを掲示したまま。同店の男性マネジャー(37)は「悔しいの一言。街の復興とともに頑張ってきたのに…」と唇をかみしめた。……同店は震災の年の一九九五年九月、開業。ワンフロアでは全国最大規模の約二千八百平方メートルを誇る県内最大の書店となった。しかし、書籍の売り上げは全国的に頭打ち状態にあるほか、長引く消費不況で、同店もコストや品ぞろえなどの問題を改善しきれず経営不振が続いていたという。……三宮センター街一丁目商店街振興組合の小松原正直理事長も「不況の最中だけに、空いたテナントがどうなるか」と不安の色を浮かべていた。一方、ライバルでもある地元の老舗(しにせ)書店、ジュンク堂書店三宮店は三月に、店舗面積を今より二倍超の約四千平方メートルに拡張する計画を進めている最中。工藤恭孝社長は「大型店同士の競争で、三宮の魅力アップを図ろうと思っていた矢先。同業者として残念」と話していた。】

  • 2月1日 ▼毎日Interactive(1月31日付)が「勤労統計:1人当たり現金給与総額前年比1・4%減」と報じている。【労働省が31日発表した1999年の毎月勤労統計(速報)のまとめによると、従業員5人以上の事業所の1人当たり現金給与総額(月平均)は前年比1・4%減の35万3357円で、98年の1・3%減に続き2年連続で減少した。現行方式で統計を取り始めた90年以来、下げ幅は最大となった。】。▼読売Online(1月31日付)が「書籍販売「駸々堂」が自己破産を申請」と報じている。【関西を地盤にする書籍販売チェーン店の駸々堂(しんしんどう)(本社・大阪市、資本金八千万円、大渕馨社長)と、関連会社で受験参考書などの出版を手がける駸々堂出版(大阪市、同千五百万円)が三十一日、大阪地裁に自己破産を申請し、同日保全命令を受けた。負債額は、駸々堂が百三億六千万円、駸々堂出版が三十二億千五百万円の計百三十五億七千五百万円に上る。】。